鳩間方言音声語彙データベース

見出し語IPA品詞意味記述
メー [⸣meː]間助もう。ねえ。なあ。勧誘や催促などの感情を表し、文頭や文中、文末に付く。
メー [⸣meː]広場。空間。座席。
-メー [⸣-meː]接尾~ども<共>。~ら。人間の複数を表す卑称の接尾語。相手を罵っていう際に用いられる。
メー [⸢meː]接尾{1}~たち<達>。目下の者の複数を表す接尾語。{1}名詞に格助詞⸣-ヌ[⸣-nu](の)を介して、⸣~ヌメー[⸣~meː](~たち<達>)のように用いられる。「~の前」が転訛したもの。
メー [⸢meː]接尾{2}卑称の人代名詞や卑称の指示代名詞に格助詞⸣ヌ[nu](の)を介して、⸣-ンメー[⸣-mmeː](~たち<達>)のように用いられる。
メー [⸣meː]{1}もう。すでに。事態が完了したことを表す。
メー [⸣meː]{2}もはや。一定の基準をこえたという気持ちを表す。
メーカン [⸢meː⸣kaŋ]女性の用いる褌。形状は「もっこ褌、もっこべこ」に似た褌。
メーガンター [⸢meːgan⸣taː]たてがみ(立髪)。成年男子の髪型。七三に分ける男子のハイカラな髪型。
メーク [⸢meːku]宮古島。
メーク [⸢meː⸣ku]脈。
メークプス [⸢meːkupu̥su]宮古島の人(宮古人)。
メークムニ [⸢meːkumuni]宮古方言。宮古言葉。「宮古物言い」の義。
メークヤー [⸢meːkujaː]宮良家。宮良長康氏宅。「宮古屋」の義。宮良ヲナリ氏は大城サカイ氏と共に西村の産婆役を務められた。
メーケー [⸢meː⸣keː]大城弘一氏宅。ミ⸢ルクン⸣ヤー[mi⸢rukuŋ⸣jaː](ミルクの家)ともいわれ、「[g]{弥勒}{ミロク}神」の「面」を保管し、伝えている家。
メーコンザ [⸢meːkon⸣ʣa]人名。慶田城家の先祖の名。⸢ミヤク[⸢mijaku](人名)に⸢オン⸣ザ[⸢ʔon⸣ʣa](士族男子の尊称)が付いて形成された合成語。
メーデー [⸢meːdeː]公務。琉歌・組踊り語の「みおやだいり(御親内裏)」が「お主がなし みやだいり 夜昼もしやべむ 天の世の しのぐ ゆるちたばうれ」『琉歌全集、2616』の「みやだいり」へと転訛し、再転訛して⸢メーデー[⸢meːdeː](公務。奉公)となったもの。/ギニヤユタカヌ パトゥマムラ シマヌナガリユ ミワタシヂバ ルクヌイチジニ チカクアリ <囃子>イヤイーヤー ウシューミヘテイ ガラミチ オラリティ ウヤクチョーデー トゥジックヮ ヤシナティ ムラトゥン ワブクニ ワルビトゥシユリ カンカ クドゥクヌ ムチキナムヌマディ ンゾーサショーリバ ティンヌ ミグミヌ ウヤキ パンジョー アラシミシェユサ ナマヌハヤシニ クドゥキユミユミ/(げに<実に>豊かな鳩間村、島の流れ<屋根から軒までの傾斜>を見渡すと、禄<六>の一字の<に>字画<近く>あり。<囃子> {SqBr}g{/SqBr}{弥弥}{イヤイヤ} 国王の公務を勤めておられて、親子兄弟妻子を養って、村の衆とも和睦にし、子供から年寄り{鰥寡}{カン|カ}{男}{オドコ}<{SqBr}g{/SqBr}{寡婦}{ヤモメ}・{SqBr}g{/SqBr}{鰥夫}{ヤモオ}>の無食な者まで無蔵さして<可愛がって>いるので、天の恵みの裕福で子孫繁盛をあらしめてくださるのだ。今の囃子で口説きを歌おうよ)(鳩間口説き)
メーティ [⸣meːti]十分と。結構と。それ以上は不要であるの意味。
メートゥルオン [⸢meː⸣turuʔoŋ]宮鳥御嶽。石垣島の字石垣にある、四箇字発祥の地といわれる御嶽。
メー トゥルン [⸢meː⸣ turuŋ]広い面積を占め<要す>る。⸢面積を取る」の義。
メーヌイズ [⸢meː⸣nuʔiʣu](動)魚の名。和名、ジャバアイゴ(体長約30センチ)。⸢オン⸣デー[⸢ʔon⸣deː]という人もいる
メーヌ ウチ [⸢meː⸣nu ⸣ʔuʧi]敷地。屋敷の内。⸢メー[⸢meː]は、一定の広さの敷地、広場の意味をもつ。「シ⸢ルウチ」[ʃi⸢ruʔuʧi](屋敷内)の対語。古謡語。/シルウチヌ メーヌウチ ヤーバ スクリ アンティスー/(代内の屋敷内に家を造ってあるという)⸣アーパーレー(新室寿ぎ歌)」『鳩間島古典民謡古謡集』
メーラ [⸢meːra](地)石垣市字宮良。
メーラアカマター [⸢meːra⸣ʔakamataː]宮良集落の秘密結社によるアカマター神事。豊年祭の時に出現する来訪神で、豊年を寿ぐ神と言われている。その神事組織は極秘に守られている。小浜島、古見村のアカマター祭りと共通する面が認められる。転じて、宮良集落のあだ名『石垣方言辞典』といわれている
メーラガーラ [⸢meːragaːra]宮良川。宮良集落と大浜集落の間を流れる川。
メーラドゥンチ [⸢meːradunʧi]宮良殿内。琉球国時代の宮良間切りの頭(かしら)職の家。最後の頭職の人の家は石垣市字大川にあり、文化財に指定されている。
メーラビ [⸢meːra⸣bi]十五、六歳から二十歳ごろの女性。ミ⸢ヤラ⸣ビ[mi⸢jara⸣bi](乙女)ともいう。鳩間島では、トゥ⸢バラー⸣マ[tu⸢baraː⸣ma](トゥバラーマ節)で、/シキヌカイシャー トゥカミッカー ミヤラビカイシャー トゥーナナチー/(月の美しさは十三夜の月、乙女の美しさは十七歳ごろだ)と歌われている
メーラビンケー [⸢meːra⸣biŋkeː]乙女達。
メッティ [met⸢ti]すっかり。ことごとく。完全に。