鳩間方言音声語彙データベース

見出し語IPA品詞意味記述
バナ [⸣bana]わな(罠)。針金などを輪状につくり、⸣カマイ[⸣kamai](猪)の獣道に仕掛けておいて足を縛って締め上げ捕獲する装置。「罥 和奈<わな>」『新撰字鏡』、「~彼面此面に 佐須 和奈乃~。万、3361」の義。
パナ [⸣pana]{1}かび(黴)。こうじかび(麹黴)。
パナ [⸣pana]{2}こうじ(麹)。
パナ [⸣pana]花。
パナ [⸣pana]綿。綿花。
パナ [pa⸢na]{1}鼻。「鼻 pana」『語音翻訳』、「鼻 花那」『琉球館訳語』とある。
パナ [pa⸢na]{2}先端。岬。
パナ [pa⸢na]{3}「鼻・先端」の義か。⸣イダフニ[⸣ʔidaɸuni](板舟。サバニ)の舳先の内側にある、⸢アン⸣カージナ[⸢ʔaŋ⸣kaːʤina](碇綱。碇縄。アンカーロープ)を結わえておくところ。⸣イダフニ[⸣ʔidahuni]の項参照
パナ [⸣pana]神仏に供える精白した米。
パナ [⸣pana]接尾時期。頃。複合語の後部要素となる場合は連濁を起こして、⸣バナ[⸣bana](時期。頃)ともいう。
パナースン [pa⸢naː⸣suŋ]他動離す。切り離す。別々にする。
パナーマ [pa⸢naː⸣ma]少量の花米。イ⸢チンゴー⸣パナ[ʔi⸢ʧiŋgoː⸣pana](一合花米)に⸣グシ[⸣guʃi](御酒)を⸢カン⸣ビン[⸢kam⸣biŋ](銚子。燗瓶)2本に入れ、それに{杯}{サカズキ}を添えて一式にしたもの。マ⸢ブ⸣ルクミ[ma⸢bu⸣rukumi](魂籠め。マブイクミ)や⸢ヤシキ⸣ヌ ⸢ニン⸣ガイ[⸢jaʃi̥ki⸣nu ⸢niŋ⸣gai](屋敷の祈願)などの際に供えた。
パナーラスン [pa⸢naːra⸣suŋ]他動離す。離すようにする。
パナーリルン [pa⸢naːri⸣ruŋ]自動離れる。遠ざかる。日本古語の「離れる(下一段)」から転訛したもの。
パナーリルン [pa⸢naːri⸣ruŋ]自動離れる。
パナールン [pa⸢naː⸣ruŋ]自動離れる。「離れ、下二段活用」の四段活用に転訛したもの。
パナイ [pa⸢nai]へさき(舳先)。パ⸢ナイサキ[pa⸢naisaki](サバニの舳先。「舳の端」の義)ともいう。船首の部分。サバニの船首。
パナイカ [pa⸢na⸣ʔika]料理名。祝儀料理の一つ。はないか(花烏賊)の義。{烏賊}{イ|カ}の腹部に浅く切り込みを入れ、丸めて茹で、食紅で赤く染めて菊形に切り、盛り付けた料理。赤と白身とのコントラストが料理の華やかさを作り出す。ア⸢ガカマブク[ʔa⸢gakamabuku](赤蒲鉾)と共に祝儀料理には欠かせない食材。
パナイキ [pa⸢najiki]高慢な人。傲慢な人。高慢ちき。驕りたかぶる人。自惚れもの。威張る人。
パナイキ [pa⸢na⸣ʔiki]花活け。花瓶。花筒。花器。仏壇や床の間に花木の枝を活けて供えるのに用いる陶製の器。床の間の花活けは大型で、約10センチ方形に高さ約30センチの陶製が多かった。仏壇の花活は徳利型で、両側に耳状の飾りがあり、正面には蓮華の透かし彫りがあった。床の間にはトゥ⸢ラヌズー[tu⸢ranuʣuː](虎の尾)をいけるのが普通で、仏壇には、イ⸢ツァン⸣パイキー[ʔi⸢ʦam⸣paikiː](ヒサカキの一種か。葉はゲッキツに似る)やパ⸢ナ⸣ギ[pa⸢na⸣gi](⸢花木」の義。クロトン)、⸢キャーンギ[⸢kjaːŋgi](槙)の枝を旧暦の朔日と十五日に活けるのが習慣であった。
パナイキガリムヌ [pa⸢naikigari⸣munu]高慢ちき。尊大にふるまう者。威張り散らかす者。鼻息の荒い者。
パナイキガルン [pa⸢najiki⸣garuŋ]自動驕りたかぶる。高慢になる。威張りちらかす。自慢する。
パナイサキ [pa⸢naisaki]⸣イダフニ[⸣ʔidaɸuni](板舟)の舳先の上面。単にパ⸢ナイ[pa⸢nai](へさき<舳先>)ともいう。⸣パラー[⸣paraː](帆柱)を倒して掛けておくところ。帆柱を固定するために凹状に木を刳り抜いて竹釘で固定してあるところ。
パナウトゥン [pa⸢na⸣ʔutuŋ]他動指示する。指図する。鼻綱で牛馬の顔を打ったり、引いたりして使うことから転訛。
パナガーラ [pa⸢nagaː⸣ra]軒瓦。⸢花瓦」の義。屋根の棟の両端や軒先に取り付ける、装飾を施した雄瓦。
パナカカー [pa⸢nakakaː]鼻の欠けた者。卑称。パ⸢ナカキムヌ[pa⸢nakakimunu](鼻の欠けた者)、パ⸢ナモー[pa⸢namoː](鼻の欠けた者)ともいう。
パナカキムヌ [pa⸢nakaki⸣munu]鼻の欠けた者。
パナガサ [pa⸢naga⸣sa]花笠。石垣方言、ハ⸢ナガ⸣サ[ha⸢naga⸣sa](花笠)の転訛したもの。花飾りをつけた笠で、⸣カサブドゥル[⸣kasabuduru](沖縄の古典笠踊り)に用いる小道具。
パナガラ [pa⸢na⸣gara]花柄。花模様。
パナギ [pa⸢na⸣gi]かき(花卉)。クロトンなど、観賞用の花や木。ハ⸢ナ⸣ギ[ha⸢na⸣gi](花木)ともいう。「花木」の義。
パナギー [pa⸢nagiː]鼻毛。
パナギタ [pa⸢nagita]鼻柱。鼻筋。「鼻桁」の義。
パナクラガー [pa⸢nakura⸣gaː](植)甘藷の品種名。ク⸢ラ⸣ガー[ku⸢ra⸣gaː](サツマイモの品種名)は、中身は白く、外皮が赤い、美味な芋である。読谷村クラガー<暗川>から栽培され始めたことからこの名前ついたという『石垣方言辞典』。
パナゴザ [pa⸢na⸣goʣa]花茣蓙。{茣蓙}{ゴ|ザ}の表に花柄のプリントのある筵。⸢ビー⸣グ[⸢biː⸣gu](備後藺)を細かく裂いて織り上げた上質の筵。肌触りがよく、夏場はこの筵を敷いて、その上に寝ると涼感があり、喜ばれたものである。畳が古くなると、花茣蓙を敷いて畳の表替えの代わりにしていた。
パナザキ [pa⸢naʣa⸣ki]泡盛醸造過程で最初に蒸留される酒。アルコール度数が高く、最上級酒とされている。「花酒」の義。
パナシ [pa⸢na⸣ʃi]{1}話。話すこと。談話。
パナシ [pa⸢na⸣ʃi]{2}うわさ(噂)。評判。
パナジー [pa⸢naʤiː]鼻血。
パナシアースン [pa⸢naʃiʔaː⸣suŋ]他動話し合う。語らう。睦まじく語り合う。
パナシキ [pa⸢naʃi̥ki]風邪。「はなひせ(鼻塞)~波奈比世~」『和名抄』の転訛したものか。
パナシキ ウツァスン [pa⸢naʃi̥ki⸣ ʔu⸢ʦa⸣suŋ]風邪を移す。風邪を伝染させる。
パナシキ カカリンギサン [pa⸢naʃi̥ki⸣ kḁ⸢kariŋ⸣gisaŋ]風邪を引きそうだ。
パナシキ カカルン [pa⸢naʃi̥ki⸣ kḁ⸢ka⸣ruŋ]風邪を引く。
パナシキ ガマーラサン [pa⸢naʃi̥ki⸣ ga⸢maːra⸣saŋ]風邪気味である。風邪ひきがちである。
パナシキヌ ニンガイ [pa⸢naʃi̥kinu niŋ⸣gai]風邪予防の祈願。鳩間島では、風邪の神が上陸することによって風邪が流行すると考えられていた。それ故シ⸢マッサル[ʃi⸢massa⸣ru](11月に執り行われたシマクサラシ祭)には島の南海岸に通じる幹道の入り口に大蒜を吊るした注連縄が張り巡らされて風邪の神様の侵入を防いだ
パナシキヌ フチル [pa⸢naʃi̥kinu⸣ ɸu̥⸢ʧi⸣ru]風邪の薬。風邪薬。
パナシキ フシゥカルン [pa⸢naʃi̥ki ɸusi̥⸣karuŋ]風邪をひく<風邪が取り付く。くっつく>。風邪は病気の神が人に取り付いて病気を起こさせると考えられていた。それで、シ⸢マッサ⸣ル[ʃi⸢massa⸣ru](島くさらし)の行事に⸣イソーパーレー[⸣ʔisoːpaːreː](銅鑼や{瓶}{カメ}の破片を打ち鳴らして悪霊を追い払う行事、神事)をして村浚えをし、風邪の神を島から追い払って島への再侵入を防ぐために村の入り口に注連縄を張り巡らした。
パナシキ ママルン [pa⸢naʃi̥ki⸣ ma⸢maruŋ]風邪をひく。風邪に感染する。「風邪にまめる<塗る>」の義。「Mameri,meru,etta.マメリ、ル、ッタ(まめり、る、った)ずぶ濡れになる、~泥だらけになる、泥にまみれる.上(Cami)では、Mabururu(塗るる)と言う」『邦訳日葡辞書』と関連のある語であろう。
パナシケー [pa⸢naʃi̥keː]花城家。ウ⸢ブパナシ⸣ケー[ʔu⸢bupanaʃi̥⸣keː](「大・花城家」の義。花城真佐氏の本家)と、⸢インタパナシケー[⸢ʔintapanaʃi̥keː](⸢西・花城家」の義、花城伊佐氏宅<分家>)がある。
パナシケーヌ アーニヤーテー [pa⸢naʃi̥keːnu ʔaː⸣nijaːteː]屋号。花城英行氏宅。「花城の安仁屋宅」の義か。鳩間村三班のク⸢メー[ku⸢meː](小浜真那氏宅)の西隣にある
パナシジ [pa⸢naʃiʤi]鼻筋。鼻茎。鼻柱。
パナシゾージ [pa⸢na⸣ʃiʣoːʤi]話し上手。
パナジナ [pa⸢naʤina]牛の手綱。牛の鼻に繋ぐ綱。はななわ。「鼻綱」の義。
パナシ ナラヌ [pa⸢na⸣ʃi na⸢ra⸣nu]お話にならない。問題にもならない。あきれてものが言えない。
パナ シマルン [pa⸢na⸣ ʃi⸢ma⸣ruŋ]鼻が詰まる。風邪をひいて鼻孔が詰まる。
パナシムチ [pa⸢na⸣ʃimuʧi]話題の豊富な人。話の面白い人。「話し持ち」の義。
パナシムヌ [pa⸢naʃi⸣munu]話の種。噂話の材料。「話もの」の義。
パナシヨー [pa⸢naʃi⸣joː]話し方。話しぶり。
パナジル [pa⸢naʤiru]鼻汁。風邪を引くときに鼻孔から出る無色の粘液。
パナシングイ [pa⸢naʃiŋ⸣gui]話し声。話をする声。人声。
パナズミティサジ [pa⸢na⸣ʣumitisaʤi]紅花染料で赤く染めた手拭。⸢花染め手拭」の義。沖縄本島から導入された民俗舞踊で、踊り手の女性が用いる鉢巻用の手拭。
パナスン [pa⸢na⸣suŋ]他動話す。語る。言う。
パナスン [pa⸢na⸣suŋ]他動{1}放す。解放す。自由にする。
パナスン [pa⸢na⸣suŋ]他動{2}解きほぐす。
パナダヤー [pa⸢nadajaː]洟垂れ小僧。「洟垂らし奴」の義。
パナダリムヌ [pa⸢nadari⸣munu]洟垂れ小僧。「洟垂れ者」の義。パ⸢ナダヤー[pa⸢nadajaː](洟垂れ小僧)ともいう。
パナダル [pa⸢nadaru]はな(洟)。鼻じる。「洟垂れ」の義。パ⸢ナドゥル[pa⸢naduru](洟)ともいう。
パナダルタリムヌ [pa⸢nadarutari⸣munu]洟垂れ小僧。「洟垂れ者」の義。未熟な者。パ⸢ナドゥルタリ⸣ムヌ[pa⸢nadurutari⸣munu](洟垂れ小僧)ともいう。
パナ ッスン [pa⸢na⸣ ssuŋ]臭気が鼻を突く。
パナトーラー [pa⸢natoːraː]はなつんぼ(鼻聾)。{嗅覚}{キュウ|カク}を失った人。卑語。パ⸢ナトーリ⸣ムヌ[pa⸢natoːri⸣munu](鼻つんぼ)の卑語。
パナトーリムヌ [pa⸢natoːri⸣munu]はなつんぼ(鼻聾)。病的に物の匂いを感じない人。「鼻倒れ者」の義。
パナドゥル [pa⸢naduru]はな(洟)。鼻孔から出る黄色い粘液。慢性の副鼻腔炎で鼻孔から出る黄色い粘液。パ⸢ナダル[pa⸢nadaru](洟垂れ)ともいう。
パナヌキ [pa⸢na⸣nuki]貫き花。花を紐で貫き連ねたもの。「花貫き」の義。女の子らがオシロイバナやニチニチソウの花を糸や藁しべなどで貫いて花輪にし、首にかけたり、持って踊ったりして遊ぶのに用いた。
パナヌ キー [pa⸢nanu kiː]鼻の毛。鼻毛。パ⸢ナギー[pa⸢nagiː](鼻毛)ともいう。
パナヌ サキ [pa⸢nanu⸣ sḁ⸢ki]鼻の先。極めて近いところ。普通は、⸢ミー⸣トゥ パ⸢ナヌ⸣ サ⸢キ[⸢miː⸣tu pa⸢nanu⸣ sḁ⸢ki](目と鼻の先)という。
パナヌ ジッチ [pa⸢na⸣nu ⸣ʤitʧi]花の蜜。「花の乳」の義。⸣ジッチ[⸣ʤitʧi](乳)は幼児語である。野草の花の芯に含まれている甘い汁を⸣ジッチ[⸣ʤitʧi](乳)といって、子供達は花や植物の茎を折ってしゃぶったものである。
パナヌ ッス [pa⸢nanu⸣ ssu]鼻くそ。「鼻の糞」の義。
パナヌ ミー [pa⸢nanu⸣ miː]鼻の穴。
パナ パスクン [pa⸢na pasu̥⸣kuŋ]鼻を弾く。指先で鼻を弾く。
パナバチ [pa⸢naba⸣ʧi]花瓶。「花鉢」の義。
パナパナ [pa⸢na⸣pana]はしばし。端々。ところどころ。老年層は、⸢パンタパンタ[⸢pantapanta](端々)という。
パナパンキカザ [pa⸢napaŋki⸣kaʣa]嗅覚を強く刺激する臭気。{臭}{ニオイ}がきつくて鼻を刺激するもの。からし菜の塩もみしたものなど。「鼻弾き臭い」の義。
パナ パンクン [pa⸢na paŋ⸣kuŋ]強く嗅覚を刺激する。鼻を突く。臭いがきつくて、鼻を弾くように感じる場合にいう。「鼻を弾く」の義。
パナピーピー [pa⸢napiːpiː]風邪のため、鼻づまりして変な音を出すこと。みずっぱな(水っ洟)を{啜}{スス}る音。鼻を啜る音。
パナビラー [pa⸢nabiraː]鼻の低い人。鼻のひしゃげた人。若年層はハ⸢ナビラー[ha⸢nabiraː]という。
パナブー [pa⸢nabuː]{1}鼻緒。
パナブー [pa⸢nabuː]{2}牛の鼻綱。パ⸢ナジナ[pa⸢naʤina](鼻綱)ともいう
パナ フーン [⸣pana ⸣ɸuːŋ]かびる(黴びる)。黴が生える。「黴食う」の義。
パナフイカザ [pa⸢naɸui⸣kaʣa]かびくさい<黴臭い>におい。「黴食い<生え>臭い」の義。フ⸢クイカザ[ɸu̥⸢kuikaʣa](湿った黴臭い、埃っぽいにおい)ともいう。
パナフキ [pa⸢na⸣ɸu̥ki]いびき(鼾)。「鼻吹き」の義。
パナフクル [pa⸢naɸu̥kuru]小鼻。左右の鼻孔を丸く包み、ふくらんだ部分。「鼻袋」の義。
パナ フクン [pa⸢na⸣ ɸu̥kuŋ]子供が泣き出す。泣きべそをかく。
パナフクン [pa⸢na⸣ɸu̥kuŋ]他動{1}いびき<鼾>をかく。
パナフクン [pa⸢na⸣ɸu̥kuŋ]他動{2}しくしく泣く。べそをかく。
パナプシ [pa⸢na⸣puʃi]くさめ<嚏>。くしゃみ。「眉根掻き鼻火紐解<ハナヒヒモトケ>~。万、2808」。「嚏、ハナヒル」『類聚名義抄』の転訛。
パナプスン [pa⸢na⸣pusuŋ]自動くさめ<くしゃみ>をする。はなひる(嚏る)。「眉根掻き鼻火紐解け<ハナヒヒモトケ>~。万、2808」。「嚏、ハナヒル」『類聚名義抄』の転訛。
パナブニ [pa⸢nabuni]鼻骨。
パナ ブルン [pa⸢na⸣ buruŋ]鼻を折る。相手の慢心をくじく。やりこめる。鼻っ柱を折る。
パナ ホーシヤマ [⸣pana ⸢hoːʃi⸣jama]綿繰り機。綿花の種子と繊維を分離する器具。「綿挟み仕掛け」の義。
ハナボール [ha⸢naboː⸣ru]菓子の名。小麦粉で造った花形の菓子。石垣島で購入して島への土産にした。
パナミジ [pa⸢namiʤi]鼻水。
パナムス [pa⸢na⸣musu]はなむしろ(花筵)。藺で織り上げた花模様の筵。接客用に用いたはなござ(花茣蓙)。
パナムニ [pa⸢namuni]鼻声。「鼻物言い」の義。
パナモーモー [pa⸢namoː⸣moː]鼻の欠けた人。
パナヤカ [pa⸢naja⸣ka]勢いが盛んなさま。賑やかなさま。美しくきらびやかなさま。形容動詞の語幹から転訛したもの。
パナリ [pa⸢na⸣ri](地)新城島。ア⸢ラグス⸣ク[ʔa⸢ragusu̥⸣ku](新城島)ともいう。西表島の東約6キロの洋上に位置する。黒島との中間にあり、親島の上地(かみじ)と子島の下地(しもじ)の二島からなる。古来、⸣ザン[⸣ʣaŋ](ジュゴン)とパ⸢ナリ⸣ヤキ[pa⸢nari⸣jaki](パナリ焼きの土器)で有名である。
パナリ アカマター [pa⸢na⸣ri ⸣ʔakamataː]新城島のアカマター神信仰。秘密結社による信仰で、島外の者には見ることの出来ない草装の仮面神信仰であった。
パナリザンカミ [pa⸢na⸣riʣaŋkami]新城島で漁獲されたという⸣ザン[⸣ʣaŋ](ジュゴン)。琉球国時代には新城島の特産品として王府への貴重な貢納品であった。
パナリジマ [pa⸢nari⸣ʤima]離れ島。
パナリヤキ [pa⸢nari⸣jaki]土器名。新城島で焼成された焼き物。カタツムリを砕き、土に混ぜて焼成した質の粗い素焼きの焼き物。茅で焼いたといわれている。
パナンギ [pa⸢naŋ⸣gi]ふざけ。いたずら(悪戯)。冗談。悪ふざけすること。じゃれて暴れること。
パナンギタ [pa⸢naŋgita]鼻柱。「鼻桁」の義。パ⸢ナシジ[pa⸢naʃiʤi](鼻筋)ともいう。
パナンギムニ [pa⸢naŋgi⸣muni]冗談。悪ふざけ。「悪戯物言い」の義。
パナングミ [pa⸢naŋ⸣gumi]神仏に供える白米。⸢花米」の義。重箱に白米を1合、2合、3合、5合、のように入れて、それぞれイ⸢チンゴー⸣パナ[ʔi⸢ʧiŋgoː⸣pana](1合花米)、⸢ニンゴー⸣パナ[⸢niŋgoː⸣pana](2合花米)、⸢サンゴー⸣パナ[⸢saŋgoː⸣pana](3合花米)、⸢グンゴー⸣パナ[⸢guŋgoː⸣pana](5合花米)という。近しい親戚の法事には⸢グンゴー⸣パナ[⸢guŋgoː⸣pana](5合花米)に線香を添えた⸢コー⸣パナ[⸢koː⸣pana](線香と花米)を供えた。
パニ [pa⸢ni]{1}羽。つばさ(翼)。
パニ [pa⸢ni]{2}ひれ(鰭)。
パニ [pa⸢ni]はね(跳ね)。衣服などに飛び散った泥。「Fane,ハネ(跳ね)日本の靴(下駄)や草履から着物の後に跳ねついた泥.」『邦訳日葡辞書』。
パニアキ [pa⸢niʔaki](動)魚の名。和名、バショウカジキ(体長約2メートル)。終戦後まで、ツ⸢キセン[ʦu̥⸢kiʃeŋ](突船)が鳩間島で操業されていて、尖閣諸島付近に出漁してパ⸢ニアキなどのカジキを漁獲していた。またイカ釣り漁の時期に漁獲されることもあった
パニウトゥ [pa⸢niutu]羽音。羽ばたく音。
パニジクルー [pa⸢niʤikuruː](植)伝統稲作品種の名。「羽地黒穂」の義。芒の長さは4~6センチで、玄米の色は赤紫『西表島の農耕文化』という。
パニダリムヌ [pa⸢nidari⸣munu]意気消沈した者。羽がだれた(垂れた)鳥のように、元気のない者。
パニッカイスン [pa⸢nikkai⸣suŋ]他動撥ね返す。当たってきたものを勢いよく返す。はねてひっくりかえす。
パニックルン [pa⸢nik⸣kuruŋ]自動そっくり返る。そりかえる。板や蓋などが反り返る。
パニッケールン [pa⸢nikkeː⸣ruŋ]自動{1}はね返る。パ⸢ニッカイ⸣ルン[pa⸢nikkai⸣ruŋ]ともいう。
パニッケールン [pa⸢nikkeː⸣ruŋ]自動{2}反り返る。
パニットゥバスン [pa⸢nittuba⸣suŋ]他動跳ね飛ばす。勢いよく遠くへ投げる。
パニヌキルン [pa⸢ninuki⸣ruŋ]他動はねのける。外側へ強く押しのける。
パニ ヌバスン [pa⸢ni nuba⸣suŋ]羽を伸ばす。自由に遊ぶ。自由に伸び伸びとふるまう。
パニビキ [pa⸢nibiki]引縄釣り。擬餌針をつけた縄を船から引いてカツオやマグロ類を釣る漁法。ハ⸢ニビキ[ha⸢nibiki](引縄釣り)ともいう。直径約8ミリ、長さ約12ミリの鉛に雄鶏の柔らかい羽を丸く縛りつけ、その上にヒ⸢ロー⸣サー[çi⸢roː⸣saː](めがねもちのうお)の成魚の鱗を剥がして羽を押さえて縛り、それに釣り針を仕込んだ疑似餌を船尾から約70メートルほどの長さの釣り縄で流して引きながら釣る漁法。
パニポーキ [pa⸢nipoːki]けぼうき(毛箒)。鳥の羽で作った箒。けご(毛蚕)を掃き落としたり、細かいごみやほこり(埃)を掃き落とすのに用いる。
パニポールン [pa⸢nipoː⸣ruŋ]他動散らかす。撒き散らす。
パニルン [pa⸢ni⸣ruŋ]自動{PoS_1}跳ねる。飛び上がる。飛び散る。
パニルン [pa⸢ni⸣ruŋ]他動{PoS_2}水を跳ねる。跳ね飛ばす。「~沖つ櫂 いたくな波祢曾~。万、153」の義。
パニンガーリ [pa⸢niŋgaːri]羽の生え変わり。「羽変わり」の義。パ⸢ニムインガー⸣リ[pa⸢nimuiŋgaː⸣ri](羽生え変わり)ともいう。
パネーカスン [pa⸢neːka⸣suŋ]他動{賑}{ニギ}わす。盛んにする。賑やかにする。パ⸢ナヤカ⸣スン[pa⸢najaka⸣suŋ](他動)ともいう。
パネーザ [pa⸢neː⸣ʣa](動)サヨリ科の魚名。和名、リュウキュウサヨリ(体長約25センチの細長い魚)。老年層は、パ⸢レー⸣ザ[pa⸢reː⸣ʣa]ともいう。和名、マルサヨリ(体長約35センチ)。和名、センニンサヨリ(体長約35センチ)。和名、ホシサヨリ(体長約40センチ)などの総称。秋から冬にかけて、浮きを付けた釣り糸を浜辺から釣竿で投げ入れて、よく釣り上げたものである。味はあっさりとしている。
パネーラ [pa⸢neːra](昆虫)、白蟻の羽化したもの。「はあり<羽蟻>」の転訛。夜明かりを求めて室内に侵入してくる。
パノール [pa⸢noː⸣ru](植)野原の砂地に生ずるノリ(海苔)の一種。
パバ [pa⸢ba]幅。若年層はハバ[ha⸢ba](幅)ともいう。
パバカー [pa⸢ba⸣kaː]ききもの(利き者)。はたらきのある人。精力のある人。幅利き。交渉能力のある人。商売上手。ハ⸢バ⸣カー[ha⸢ba⸣kaː]ともいう。トゥ⸢ジェー⸣ パ⸢バ⸣カー ヤ⸢ルンダ⸣ ブ⸢トー ミンダリ⸣ムヌ ⸣ナリ ⸢ベー[tu⸢ʤeː⸣ pa⸢ba⸣kaː ja⸢runda⸣ bu⸢toː mindari⸣munu ⸣nari ⸢beː](妻は利き者(働き者)だから、夫は大人しくて、やる気のない人<⸢耳垂れ」の義。おとなしく、従順な人>になっている)
パバクン [pa⸢ba⸣kuŋ]他動{1}物事を上手に処理する。よく働きかけて調整する。物事が進捗するよう交渉する。ハ⸢バ⸣クン[ha⸢ba⸣kuŋ]ともいう(若年層)。
パバクン [pa⸢ba⸣kuŋ]他動{2}品物を売りつくす。
パバクン [pa⸢ba⸣kuŋ]他動{3}大食いする。ぱくつく。
パビル [pa⸢bi⸣ru](動)チョウ(蝶)。ガ(蛾)。「蛾、比々流(ひひる)」『和名抄』の転訛したものか。
パブ [pa⸢bu](動)蛇類の総称。⸢マーパブ[⸢maːpabu](毒蛇。体長は普通60センチ~1メートル。頭はほぼ三角形。西表島に棲息する。鳩間島には棲息しない)、タ⸢コー⸣ラ[ta⸢koː⸣ra](無毒の蛇。体長1メートル~2メートル、灰色)、⸢アウナ⸣ジ[⸢ʔauna⸣ʤi](無毒の蛇。体長約50センチ、青色。水田地帯に生息)、ガ⸢ラ⸣サパブ[ga⸢ra⸣sapabu](「烏蛇」の義。無毒。体長約50センチ。鳩間島にも大雨の後などに、稀にみられることがある。神の使いといわれている)などがいる。
パブカクチ [pa⸢bukakuʧi]えら(鰓)が張った顔。へびの頭のように出ばったあご(顎)。「ハブ顎」の義。えらぼねの張った、いかつい顔。
ハブチャー [ha⸢buʧaː](植)ハブソウ。エビスグサ。ハブソウの実を煎ってお茶にしたもの。漢方薬として石垣島から購入していた。
パマ [pa⸢ma]浜。鳩間島には⸢マイ⸣ヌパマ[⸢mai⸣nupama](前の浜。集落の南海岸、桟橋より東に形成された浜)、⸢イントゥ⸣マパマ[⸢ʔintu⸣mapama](桟橋の西側に形成された浜)、ナ⸢ラ⸣リパマ[na⸢ra⸣ripama](前の浜とフ⸢ナ⸣バル浜の間に形成された小さな浜。現在の鳩間校グラウンドの南海岸の浜)、フ⸢ナ⸣バルパマ[ɸu⸢na⸣barupama](島の東北海岸にある浜。島建ての神々が船を着けた浜という口碑が伝わる)、フ⸢カバ⸣カパマ[ɸu̥⸢kaba⸣kapama](シマナカ浜とフナバル浜の中間にある浜)、シ⸢マナカ⸣パマ[ʃi⸢manaka⸣pama](桟橋通りを真北に抜けた、島の北岸に形成された浜)、タ⸢チ⸣バルパナ[ta⸢ʧi⸣barupama](立原浜。島の北西海岸の浜。ナ⸢カウー⸣ル{SqBr}na⸢kaʔuː⸣ru{/SqBr}やピ⸢ザ⸣キ{SqBr}pi⸢ʣa⸣ki{/SqBr}方面へ潮干狩りに出る際に利用する浜)、ヤ⸢ラヌ⸣パマ[ja⸢ranu⸣pama](屋良の浜)、⸢ナードーパマ[⸢naːdoːpama](長堂浜)などがある
パマイ [pa⸢mai]飯米。食糧。⸢パンマイ[⸢pammai](飯米。食糧)ともいう。
パマウリ [pa⸢ma⸣ʔuri]浜へ下りること。旧暦三月三日の大潮の日の干潮時に女性が潮干狩りに出ること。女性が魔除け、邪気払いのために浜へ下り、潮干狩りをすること。
パマウリソージ [pa⸢maʔurisoː⸣ʤi]「浜下り精進」の義。旧暦3月の庚の日を選んで執り行われる。別名バ⸢タミチソー⸣ジ[ba⸢tamiʧisoː⸣ʤi](腹満ち精進)ともいわれる。虫祓いの祈願。部落の住民総出で、⸣サンシキ[⸣saŋʃiki](桟敷)に集まり、⸢ウイヌ⸣ウガン[⸢ʔuinu⸣ʔugaŋ](友利御嶽)でサ⸢カサ[sḁ⸢kasa](司)やティ⸢ジリ⸣ビー[ti⸢ʤiri⸣biː](男性神職者)が「稲の下葉の願い」をしている間、ヤ⸢ク⸣サ[ja⸢ku⸣sa](村役人)の指示に従って一斉にサンシキで就寝し、村役人が両手でバタバタと羽音を作ってコケコッコーという鶏鳴の合図をすることによって起き、ご馳走<昼食>を食べて帰宅した。この祈願は、友利御嶽において他の四箇所の御嶽の分まで、ウ⸢トゥー⸣シ[ʔu⸢tuː⸣ʃi](遥拝)で祈願される。合計イ⸢チ⸣ヤマ[ʔi⸢ʧi⸣jama](五箇所の御嶽)の祈願が執り行われるものである。ムラヤクサ(村役人)達は手分けして⸣イダフニ[⸣ʔidaɸuni](サバニ)に分乗し、西表島の⸢タータバ⸣ル[⸢taːtaba⸣ru](田原)へ行き、⸢ユシキ⸣ヌサン[⸢juʃi̥ki⸣nusaŋ](ススキで作ったサン)を田圃の中に差し立てて島に帰った。「浜下り精進」の三日前の夜、村ヤクサたちによって⸣ッサレー[⸣ssareː](知らせごと。お触れごと)」が行われる。声色を使って、声の主が誰であるか分からないように「ッサレー」を申し述べる。闇の中から「ッサレーッサレー」という声が聞こえると、家の中の母親たちが畏まって、「⸢オー[⸢ʔoː](はい)」と答えた。親達は、それを神の声として聞き、謹んで応答したものである。ややあって、戸外の闇の中から、⸢アシ⸣トー パ⸢マウリソー⸣ジ ア⸢タリオーッ⸣タ シ⸢キン⸣ドゥ カ⸢マチヌ マーラヌ⸣ カキソージ ピ⸢ナカンヌ マイ⸣ヌ ア⸢ガムノーマ⸣ヌ カ⸢キン⸣グ ⸢シー⸣ タ⸢ボー⸣ローリ」[⸢ʔaʃi̥⸣toː pa⸢maʔurisoː⸣ʤi ʔa⸢tariʔoːt⸣ta ʃi̥⸢kin⸣du ka⸢maʧinu maːranu⸣ kḁkisoːʤi pi⸢nakannu mai⸣nu ʔa⸢gamunoːma⸣nu kḁ⸢kiŋ⸣gu ⸢ʃiː⸣ ta⸢boː⸣roːri](明後日は「浜下り精進」に当っておりますので、竈の回りの掃除、火の神様の前の「赤もの」<火>の用心<格護>をよくしてください)というと、家の中の者は「⸢ウ⸣ー[⸢ʔu⸣ː](畏まりました)」と答えた。これを全戸に触れまわって唱えたものである。唱え方が下手な人は、声の主が誰だと分かるので、「ッサレー」が帰った後、家の中は哄笑の渦となるのことがあった。それでも親立ちは、「シーッ」といって子供達をたしなめ<窘>た。昔は、パ⸢マウリソー⸣ジの日に、日頃の行いの悪い人や⸢グイ⸣フゾーノー[⸢gui⸣ɸuʤoːnoː](貢納布)の検査で不合格となった女性がサンシキに引き出されて、⸢トゥン⸣ガー ⸢ッふァーサリタ[⸢tuŋ⸣gaː f⸢faːsarita](⸢科を食わされた」、罰を与えられた)といわれている
パマカザ [pa⸢ma⸣kaʣa](植)カズラの名。グンバイヒルガオ。
パマカジ [pa⸢ma⸣kaʤi]浜風。海から陸の方へ吹く風。
パマザキ [pa⸢maʣa⸣ki](地)鳩間島の南海岸に形成された砂浜は島人の生産的、宗教的生活の基点として重要な機能を持つ浜で、⸢マイ⸣ヌパマ[⸢mai⸣nupama](前の浜)という。干潮時になると、この浜の東南の方から砂洲が沖へ約100メートルほど延びる。この砂洲の干瀬をパ⸢マザ⸣キ[pa⸢maʣa⸣ki](浜崎)という。現在は防波堤がその上に建造されている。防波堤が建造される以前は、干潮時に{白鷺}{シラ|サギ}やカモメが降り立って餌をついばみ、満潮時にはカツオドリが波間を飛び交っていた。
パマザラシ [pa⸢maʣara⸣ʃi]布を海水で洗って浜に干し、日光に晒すこと。主として貢納布を晒したという。
パマダーチ [pa⸢madaː⸣ʧi]浜沿いに。浜づたいに。浜に沿って。
パマチジュヤー [pa⸢maʧiʤu⸣jaː]浜千鳥節。
パマバタ [pa⸢maba⸣ta]浜辺。浜の上。「浜端」の義。
パマヤー [pa⸢ma⸣jaː]浜に造った小屋。「浜屋」の義。魚網や漁具類を収納するのに利用した小屋。また糸満漁民が鳩間島で季節的に漁をする際は、浜で簡単な小屋を作って短期間の宿泊に利用した。
パマル [pa⸢ma⸣ru]貝の名。ハマグリ(蛤)。若年層の言葉。老年層は、パ⸢モー⸣ル[pa⸢moː⸣ru](蛤)という。
パマルン [pa⸢ma⸣ruŋ]自動一生懸命努力する。一生懸命頑張る。若年層は、ハ⸢マ⸣ルン[ha⸢ma⸣ruŋ](一生懸命頑張る)ともいう。
パマン パタ [pa⸢mam⸣ pḁta]浜の端。浜の側。
パマンパタヤー [pa⸢mam⸣pḁtajaː]海岸の家。「浜の端の家」の義。
パミルン [pa⸢mi⸣ruŋ]他動はめる(嵌)。くぼみに入れて固定する。差し込む。年層は、ハ⸢ミ⸣ルン[ha⸢mi⸣ruŋ](嵌める)ともいう。
パモール [pa⸢moː⸣ru](動)二枚貝の一種。はまぐり(蛤)。「蚌蛤、波万久理(はまぐり)」『和名抄』の転訛。*[pamakurï] → *[pamaɸuri] → *[pamauri] → [pamoːru] と音韻変化したもの。海辺のピ⸢ザ⸣フチ[pi⸢ʣa⸣ɸu̥ʧi](渚。波打ち際)の砂地に棲息する。手や足で砂を掻くと出てくる。貝長1~1,5センチの二枚貝。煮ると旨み成分の{琥珀酸}{コ|ハク|サン}が{滲出}{シン|シュツ}して美味である。
パヤーキ [pa⸢jaː⸣ki]南側。南の方。ニ⸢シェーキ[ni⸢ʃeːki](北側)の対義語。{⸢イーリキ[⸢ʔiːriki](西側)の対義語は⸢アーリキ[⸢ʔaːriki](東側)}。
パヤーパヤ [pa⸢jaːpaja]早々。たいそう早いさま。
パヤーパヤーシ [pa⸢jaːpajaː⸣ʃi]手早く。すばやく。早々と。「Fayabaya.ハヤバヤ(早々)副詞.速やかに.」『邦訳日葡辞書』の転訛したもの。
パヤーラスン [pa⸢jaːra⸣suŋ]他動流行らす。自動詞パ⸢ヤー⸣ルン[pa⸢jaː⸣ruŋ](流行る)の未然形に使役の助動詞⸣スン[⸣suŋ](~せる、~させる)が下接して形成された使役の派生動詞。
パヤーリウタ [pa⸢jaːri⸣ʔuta]流行歌。「はやりうた」の義。戦後の昭和22年から35年頃、鳩間島で若者が多かった時代、石垣島の映画館で上映された映画の主題歌の歌詞をノートに書き写して歌うのが流行っていた。
パヤーリミー [pa⸢jaːri⸣miː]流行性結膜炎。流行性眼病。「はやりめ(流行眼)」の義。
パヤーリヤン [pa⸢jaːri⸣jaŋ] 伝染病。流行病。「はやりやまい<流行病>」の義。
パヤール [pa⸢jaː⸣ru]{1}はやり(流行)。
パヤール [pa⸢jaː⸣ru]{2}伝染病<風邪>。
パヤールン [pa⸢jaː⸣ruŋ]自動流行する。はやる(流行る)。
パヤーン [pa⸢jaː⸣ŋ]早い。速い。
パヤアガリ [pa⸢jaʔaga⸣ri]早上り。早仕舞い。仕事などを定刻より早く終えること。
パヤアシ [pa⸢ja⸣ʔaʃi]早足。足早。ア⸢シパヤー⸣ン[ʔa⸢ʃipajaː⸣ŋ](足早い。歩くのが早い)の名詞化したもの。
パヤイキ [pa⸢ja⸣ʔiki]早い呼吸。激しく呼吸をすること。「早息」の義。イ⸢キ⸣フキ[ʔi⸢ki⸣ɸu̥ki](喘ぎ)、⸢アーフキ[⸢ʔaːɸu̥ki](喘ぎ)ともいう。
パヤウキ [pa⸢ja⸣ʔuki]早起き。
パヤウタ [pa⸢ja⸣ʔuta]調子の早い歌。軽快なリズムの歌。早節。「早歌」の義。
パヤカジ [pa⸢ja⸣kaʤi]台風シーズン以前に吹く台風。新暦の五、六月頃に吹く台風。「早風」の義。
パヤガッティン [pa⸢jagat⸣tiŋ]早合点。
パヤシ [pa⸢ja⸣ʃi]歌謡語の「はやし」(囃子)。日常会話では、⸢ヘー⸣シ[⸢heː⸣ʃi](囃子)という。歌謡の中や終わりに、{地方}{ジ|カタ}<地謡>や囃子方がそれを入れて調子を整え、雰囲気を盛り上げる語句。日常会話では、動詞⸢パー⸣スン[⸢paː⸣suŋ](はやす)の名詞形として、⸢パー⸣シ[⸢paː⸣ʃi](囃子)ともいう。ヘーシは、[hajaʃi] → [heːʃi] と音韻変化したもの。
パヤシガキ [pa⸢jaʃiga⸣ki]仕事に早く取り掛かること。早朝開始。「早仕掛け」の義。
パヤシニ [pa⸢ja⸣ʃini]早死。若死。
パヤスーリ [pa⸢jasuː⸣ri]{1}子供の成長が早いこと。早熟すること。
パヤスーリ [pa⸢jasuː⸣ri]{2}病人や産婦などの回復が早いこと。
パヤスクリムヌ [pa⸢jasu̥kuri⸣munu]わせ(早生)。時期より早めに作る作物。
パヤドゥームティ [pa⸢ja⸣duːmuti]早婚。「早身持ち」の義。「Mimochi.ミモチ(身持) 妊娠.Cano vonna mimochini natta、かの女身持になった、~」『邦訳日葡辞書』の転訛。
パヤナイ [pa⸢ja⸣nai]早苗。早稲の苗。
パヤニビ [pa⸢ja⸣nibi]早寝。
パヤノーリ [pa⸢janoː⸣ri]早く熟すること。「早実り」の義。
パヤパン [pa⸢ja⸣paŋ]早足。
パヤブシ [pa⸢ja⸣buʃi]テンポの早い歌。ハ⸢ヤ⸣ブシ[ha⸢ja⸣buʃi]ともいう。「早節」の義。伊良波尹吉がアレンジして、全国的に人口に膾炙されるようになった「鳩間節」など。
パヤフチ [pa⸢ja⸣ɸu̥ʧi]{1}早口。はやことば。ことばの言い方が早いこと。
パヤフチ [pa⸢ja⸣ɸu̥ʧi]{2}急いで食べること。
パヤフニ [pa⸢ja⸣ɸuni]はやぶね(早船)。急ぎの船。
パヤマーラシ [pa⸢jamaːra⸣ʃi]早逝。早く亡くなること。
パヤマイ [pa⸢ja⸣mai]早稲。早く収穫できる品種の米。
パヤマリ [pa⸢ja⸣mari]早生まれ。一月から三月の間に生まれること。早生まれの子は一歳上の子と一緒に入学する。
パヤマルン [pa⸢ja⸣maruŋ]自動{1}早まる。早くなる。若年層は、ハ⸢ヤ⸣マルン[ha⸢ja⸣maruŋ](早まる)ともいう。
パヤマルン [pa⸢ja⸣maruŋ]自動{2}時期尚早の誤った判断をする。急ぎすぎて判断を誤る。
ハヤミク [ha⸢jami⸣ku]早め句。古謡の⸣アーパーレー[⸣ʔaːpaːreː](新室寿ぎ歌)や、ア⸢マン⸣グイ[ʔa⸢maŋ⸣gui](雨乞い歌)などので、途中からテンポが速くなる曲節
パヤミルン [pa⸢jami⸣ruŋ]他動速める。速くする。急がせる。若年層はハ⸢ヤミ⸣ルン[ha⸢jami⸣ruŋ](速める)ともいう。
パヤムティ [pa⸢ja⸣muti]早婚。「早身持」の義。
パヤムン [pa⸢ja⸣muŋ]他動早める。早くする。急がせる。せきたてる。「早む<下二段活用>」の四段活用化したもの。
パヤリッシン [pa⸢jariʃ⸣ʃiŋ]早い立身出世。「早立身」の義。
パヤワザ [pa⸢ja⸣waʣa]すばやく巧みなわざ。敏捷な腕前。敏捷なやりかた。「早技」の義。
パヤンマ [pa⸢jaʔm⸣ma]早馬。緊急の要件で発進する馬。
ハヨー [ha⸢joː]はやお(早緒)。船を漕ぐ際に、ろ(艪)に掛ける綱。綱は舷側に繋いである。
パラ [⸣para]助数出産を数える単位。⸣パラン[⸣paraŋ](孕み)ともいう。
パラー [⸣paraː]柱。「軀、ミ・ハシラ」『類聚名義抄』の転訛したもの。ナ⸢カ⸣バラー[na⸢ka⸣baraː](中柱)、⸣ムヤーバラー[⸣mujaːbaraː](母屋柱。庇の内側の柱)、ハ⸢ギバラー[ha⸢gibaraː](軒柱。庇の柱。軒を支える柱。「脛柱」の義か。「~夜束波岐<ヤツカハギ>」『常陸風土記』の転訛か)などがある。
バラースン [ba⸢raːsuŋ]他動笑わせる。自動詞バ⸢ラウン[ba⸢rauŋ](笑う)の未然形に、使役の助動詞⸣スン[⸣suŋ](~せる。~させる)が下接して形成された使役の派生動詞。
パラータティミー [pa⸢raːtati⸣miː]サバニの帆柱を立てて固定するほぞあな(臍穴)。ウ⸢シカキ[ʔu⸢ʃikaki](帆柱を立てる梁)の真下の竜骨にある臍穴。帆柱の根っこの尖った部分をこの穴に入れて固定する。
パラーヌアナ [pa⸢raː⸣nu]ほぞ(枘)。「柱の穴」の義。ヌ⸢キヤー[nu⸢kijaː](貫き家)を作る際、柱に穴を掘って柱と梁、桁材に連結させる。その枘穴のこと。
バライ [ba⸢rai]笑い。バ⸢ラウン[ba⸢rauŋ](笑う)の連用形から転成した名詞。
パライ [⸣parai]はらい(祓い)。神に祈願して罪や穢れ、厄、禍などを取り除くこと。「Farai.ハライ(祓い)神(Cami)の前で行われる、ある儀式」『邦訳日葡辞書』の義。
パライ ウタスン [⸣parai ʔu⸢ta⸣suŋ]祓い落とす。つきもの(憑物)を祓いのける。悪霊やもののけを祓い落とす。
バライグイ [ba⸢raigui]笑い声。
バライグトゥ [ba⸢raigutu]笑い事。笑ってすまされること。
バライジラ [ba⸢raiʤira]笑顔。笑みを含んだ顔。
バライツォールン [ba⸢raiʦoːruŋ]自動ほほえむ(微笑む)。微笑する。にっこり笑う。
バライックナー [ba⸢raikkunaː]笑い競争。⸢笑い比べ」の転訛したもの。
バライッツォールン [ba⸢raitʦoːruŋ]自動微笑む。にっこり笑う。
パライヌキルン [pa⸢rainuki⸣ruŋ]他動払いのける。除き去る。
バライパダ [ba⸢raipada]よく笑う年頃。思春期の女の子。
バライパナシ [ba⸢raipanaʃi]笑い話。滑稽な話。ユーモア。
パライミー [pa⸢rai⸣miː]負債。債務。金銭を支払う義務。払う分。
バライムヌ [ba⸢raimunu]笑いもの。笑われ者。笑い{種}{グサ}。
ハラウビ [ha⸢ra⸣ʔubi]腹帯。妊婦が締める腹帯。岩田帯。妊婦が妊娠5ヶ月に入ると、干支のイヌ(戌)の日を選んで締めた帯。胎児を安定させて支えるための帯であるという。新しく導入された妊婦用品。
バラウン [ba⸢rauŋ]他動笑う。
パラウン [⸣parauŋ]他動{1}払う。
パラウン [⸣parauŋ]他動{2}祓う。
パラウン [⸣parauŋ]他動{3}{薙}{ナ}ぎ払う。草や茅を刈りはらう。
ハラガー [ha⸢ra⸣gaː]家畜類の腹部の肉。「腹皮」の義。
ハラクリ [ha⸢ra⸣kuri]鰹節の腹部を{刳}{ク}り削る小刀。「腹刳り」の義。小刀の刃先が円くなり、左側に湾曲している。これで鰹節の腹部の湾入部を刳るように削ることができる。
ハラゴー [ha⸢ra⸣goː]魚の腹部の肉。「腹皮」の転訛。[harakawa] → [harakaua] → [harakoː] → [haragoː] と音韻変化したもの。
バラサ [ba⸢ra⸣sa]悪いこと。形容詞バ⸢ラ⸣サン[ba⸢ra⸣saŋ](悪い)の名詞形。
バラサ スン [ba⸢ra⸣sa ⸢suŋ]謝罪する。詫びる。
バラサビナサ スン [ba⸢ra⸣sabinasa ⸢suŋ]お詫びを申し上げる。
バラサン [ba⸢ra⸣saŋ]悪い。古めかしい言い方。老年層が多く用いる。若年層は、普通⸢ワッ⸣サン[⸢was⸣saŋ](悪い)という。
バラザン [ba⸢ra⸣ʣaŋ]わら算。文字の代わりに藁や縄で数字を表す方法。
パラシキルン [pa⸢raʃi̥kiruŋ]他動手足を押さえつける。手足を引っ張って押さえつける。「張り付ける」の義。「縄を以て、四つの支を機物<はたもの>に張り付けて~」『今昔物語 一六ノ二六』の転訛したものか。
パラスクン [pa⸢rasu̥kuŋ]他動引張って押さえつける。押さえつける。「張り付く」の転訛したものか。パ⸢ラシキルンとも言う。
パラスン [pa⸢ra⸣suŋ]他動{1}走らせる。走行させる。行かせる。
パラスン [pa⸢ra⸣suŋ]他動{2}血や汗を流す。
パラスン [pa⸢ra⸣suŋ]他動{3}注ぐ。流す。
パラスン [pa⸢ra⸣suŋ]他動晴らす。晴れるのを待つ。雨上がりを待つ。
パラチブニ [pa⸢raʧi⸣buni]肋骨。特に魚の肋骨。人間の肋骨はヤ⸢カタ⸣ブニ[ja⸢kata⸣buni](人間の肋骨)、家畜の肋骨は、⸢ソーキ⸣ブニ[⸢soːki⸣buni]という。
パラッカースン [pa⸢rakkaːsuŋ]自動行事等がぶつかる。かち合う。鉢合わせになる。
パラッカウン [pa⸢rakkauŋ]自動複数の行事が鉢合わせになる。ぶつかる。
パラッツァイルン [pa⸢ratʦairuŋ]他動行く手を塞ぐ。通せんぼする。通路を塞ぐ。
パラッツァウン [pa⸢ratʦauŋ]他動行く手を塞ぐ。通せんぼうる。通路を塞ぐ。
バラヌギ [ba⸢ra⸣nugi]カツオの骨抜き作業。「バラ({荊棘}{バ|ラ})抜き」の義。標準語からの借用語の転訛。煮上がったカツオのパ⸢ラチ⸣ブニ[pa⸢raʧi⸣buni](あばら骨)やその他の骨を抜き取る作業。薄いブリキ板を幅約1、5センチ、長さ約20センチに切って折り曲げ、ピンセットに仕上げ、それを手伝いの女性たちが片手に持って、丁寧にバラヌキの作業をおこなった。
バラバラ [ba⸢rabara]ばらばら。一体であるべきものが離れ離れになるさま。散り散りになるさま。
パラパラ [pa⸢rapara]大粒の雨が降ってトタン屋根や軒をたたきつけるさま。または音。
パラバン [pa⸢ra⸣baŋ]行っても。自動詞⸣パルン[⸣paruŋ](行く)の未然形に接続助詞⸣バ[⸣ba](~ば。~たら。仮定の順接条件)が付き、それに係助詞⸣ン[ŋ](も。追加)の下接したもの。普通は活用語の終止形で結ぶ。
バラビ [ba⸢ra⸣bi](植)ワラビ。
バラフタ [ba⸢raɸu̥⸣ta]稲わら。バ⸢ラフ⸣タジナ[ba⸢raɸu̥⸣taʤina](藁縄)、バ⸢ラフ⸣タフチ[ba⸢raɸu̥⸣taɸu̥ʧi](稲わらで作った{SqBr}g{/SqBr}{草鞋}{ワラジ}。藁靴)、バ⸢ラフ⸣タポーキ[ba⸢raɸu̥⸣tapoːki](藁製の箒)がある。
バラフタジナ [ba⸢raɸu̥⸣taʤina]藁縄。稲わらで綯った綱で、農業にも漁業にも用途が広い。「藁綱」の義。昭和38年頃までは稲作が盛んに行われていたので、稲藁も豊富にあった。
バラフタッスン [ba⸢raɸu̥⸣tassuŋ]わらづつみ(藁包み)。わらづと(藁苞)。約20本ほどの藁束の中に鶏卵を数個並べて  包み、鶏卵の横を藁で軽く結わえて藁包みが崩れないように編みあげ、持ち運びできるようにしたもの。
バラフタヌ シン [ba⸢raɸu̥ta⸣nu ⸣ʃiŋ]藁の芯。わらしべ。
バラフタピー [ba⸢raɸu̥⸣tapiː]「稲藁火」の義。お盆の初日の精霊迎えに焚く稲藁の火。祖霊を各家に迎え入れるために藁束の先を丸めて縛り、その中におきび<熾>をいれてくすぶら<燻>せる。それを門の西側に置く。できるだけ煙が多く出るようにした。この煙を伝って先祖が下りてくると伝えられている。
バラフタフクビ [ba⸢raɸu̥⸣taɸu̥kubi]藁縄の帯。百姓や漁師は藁縄で帯をしながら働いた。
バラフタフチ [ba⸢raɸu̥⸣taɸu̥ʧi]藁製の草鞋。「{藁靴}{ワラ|クツ}」の転訛したもの。
バラフタポーキ [ba⸢raɸu̥⸣tapoːki]わらぼうき(藁箒)。藁しべで作った室内用の箒。稲藁の芯を抜いて直径約1センチに束ねたものを扇形に編み上げて作る箒。編み上げる縄はア⸢ダナ⸣シユール[ʔa⸢dana⸣ʃijuːru](アダンの気根の繊維を{縒}{ヨ}って{綯}{ナ}った縄。「アダン{縒}{ヨ}り」の義)を使用する。
パラン [⸣paraŋ]助数家畜などのお産の回数を数える助数詞。「孕み」の転訛したものか。
パランカー ナラヌ [pa⸢ŋ⸣kaː na⸢ra⸣nu]行かなければならない。「行くこと」の必要条件を表す。
パランタンティン [pa⸢ran⸣tantiŋ]行かなくても。
パランパー [pa⸢ram⸣paː]行くのを嫌がること。自動詞⸣パルン[⸣paʔruŋ](行く)の未然形に、感動詞⸢ン⸣パ[ʔmpa](嫌だ)が下接して形成された連語表現。⸢ン⸣パ[⸢ʔm⸣pa](嫌だ)は、いろいろな動作動詞の未然形に付く。
バリ [bari]谷間。谷。
バリ [ba⸢ri]かけら。破片。「割れたもの」。動詞バ⸢ルン[bar⸢uŋ](割る)の連用形から転生した名詞。
バリアティ [ba⸢riʔa⸣ti]割り当て。
バリアティルン [ba⸢riʔati⸣ruŋ]他動割り当てる。配分する。割り振る。
バリアトゥン [ba⸢ri⸣ʔatuŋ]他動割り当てる。「わりあつ<下二段活用>」の四段活用化したもの。
パリアン [pa⸢riʔaŋ]張り網漁法。また、その漁に用いる網。魚の通り道に網を張っておいて漁獲する漁法の網。フ⸢クル⸣アン[ɸu̥⸢kuru⸣ʔaŋ](袋網)、ス⸢クアン[su̥⸢kuʔaŋ](底網)、⸣キタアン[⸣ki̥taʔaŋ](桁網。袖網)、ヤ⸢シ⸣ミアン[ja⸢ʃi⸣miʔaŋ](八十目網)、ム⸢ジ⸣アン[mu⸢ʤi⸣ʔaŋ](目の細い網)などがある。
バリイン [ba⸢riʔiŋ]割り印。標準語の「割り印」から転訛したもの。
パリカビ [pa⸢rikabi]貼り紙。広告。
バリカミ [ba⸢rikami]{1}割れ甕。
バリカミ [ba⸢rikami]{2}底なしの大酒飲み。
パリキスン [pa⸢rikisuŋ]他動張ってしまう。張り尽くす。すべて張り終わる。他動詞パ⸢ルン[pa⸢ruŋ](張る)の連用形に、接尾語化した⸣キスン[⸣ki̥suŋ](~切る。~尽くす。~終える)が付いた形。
バリクー [ba⸢rikuː]「割り粉」の義。一晩米を水に浸けた後、十分水を切ってから⸢シッキ⸣ウシ[⸢ʃikki⸣ʔuʃi](搗き臼)にいれ、杵で搗いて粉にしたもの。ピ⸢キクー[pi̥⸢kikuː](石臼で挽いた麦粉)の対語。ピキクーに比して粒子が粗い。餅作りの際に⸢ソー⸣キ[⸢soː⸣ki](竹で編んだ浅い笊。⸢{笊笥}{ザル|ケ}<ソーケ>」の義)に散布しておいて、餅にまぶす<塗す>のに用いる。バ⸢リクーを作ることを、⸢クー⸣ バルン[⸢kuː⸣ baruŋ](粉を割る)という。
バリザン [ba⸢ri⸣ʣaŋ]割り算。
パリスギルン [pa⸢risugi⸣ruŋ]自動行き過ぎる。通り過ぎる。ある地点を通り過ぎる。
パリスグスン [pa⸢risugu⸣suŋ]他動行き過ごす。通り過ごす。ある地点を通り過ごす。「走り・過ごす」の転訛したもの。若年層は、糸満方言の影響を受けて、⸢ハイクヮー⸣スン[⸢haikwaː⸣suŋ](行き過ぎる)ともいう。
パリタク [pa⸢ritaku]日干し乾燥した蛸。大型の蛸の手を裂いて竹串で張り拡げ、太陽に干して乾燥させたもの。三、四日ほど日干しすると長期保存できる乾物に仕上がる。「張り蛸」の義。これを調理の前に数時間水に浸けてもどし、祝儀用には食紅で着色してア⸢ガタク[ʔa⸢gataku](赤蛸)に調理し、法事用には着色しないで調理した。
パリダケー ナーヌ [pa⸢ri⸣dakeː ⸢naː⸣nu]行けそうにない。行ける状態にない。
バリタムヌ [ba⸢ritamunu]生木を長さ約30センチに切り、斧で割り裂き、日干しにした燃料の薪。「割り薪」の義。
パリッサールン [pa⸢rissaːruŋ]自動胸が張り裂ける。張り詰まる。「張り塞がる」の義。{⸢ンーニ[⸢ʔnːni](胸)や⸣キム[⸣kimu](心)等に続いて、⸢ンーニヌ⸣ パ⸢リッサールン⸣ケン ム⸢ヌ⸣バ ウ⸢ムイ⸣ル ナ⸢キベー [⸢ʔnːninu⸣ pa⸢rissaːruŋ⸣kem mu⸢nu⸣ba ʔu⸢mui⸣ru na⸢kibeː](胸が張り裂けるほど悲しんで<思い悩んで>泣いている)}。
バリッツァースン [ba⸢ritʦaːsuŋ]他動粉々にわる。散々に割る。「割り散らす」の義。普通は、⸢バッツァースン[⸢batʦaːsuŋ](粉々に割る)という。
パリッツァースン [pa⸢ritʦaː⸣suŋ]自動走りまくる。「走り散らす」の転訛したもの。
パリドゥ シラリル [pa⸢ri⸣du ʃi⸢rariru]行かなければならない。「行きぞされる」の転訛したもの。係助詞ドゥ[du](ぞ)は、ぞんざいに発音すると、ル[ru](ぞ)ともいう。係助詞ドゥ[du]は種々の語に下接して強調の意味を添え、下にかかって連体形で結ぶ文節と呼応の関係をつくる。
バリナビ [ba⸢rinabi]割れ鍋。
パリヌブリ [pa⸢rinubu⸣ri]駆け上って。走り上って。歌謡語。パ⸢トゥ⸣マナカムリ[pa⸢tu⸣manakamuri](鳩間中岡<鳩間節>)の第一連の歌詞。/パトゥマナカムリ パリヌブリ クバヌ シタニ パリヌブリ ハイヤヨー ティーバ カイダキ ティトゥユル テンヨー マサティ ミグトゥ/(鳩間中岡に駆け上ってみると、蒲葵の下に駆け上ってみると、南の方は、美しい古見の山々が手に取るように実に見事な眺望である)『鳩間島古典民謡古謡集』
バリパク [ba⸢ripaku]割れた箱。ヤ⸢リ⸣パク[ja⸢ri⸣paku](破れた箱)ともいう。
パリ パルン [⸣pari ⸣paruŋ]走って行く。
パリフキルン [pa⸢riɸuki⸣ruŋ]自動逃走する。逃げ切る。逃走して行方不明になる。「行きふけ<抜け>る」の義。
パリフチ [pa⸢ri⸣ɸuʧi]行き方。帰り方。帰った時刻。
パリマー [pa⸢ri⸣maː]雨の晴れ間。
パリマーキ [pa⸢rimaː⸣ki]行くことが出来ないこと。行き兼ねるさま。接尾辞⸢マー⸣キ[⸢maː⸣ki]は、他の動詞の連用形にに付いて不可能、困難の意味を表す。能力はあるが、条件が悪くて行けないさま。
パリマービ [pa⸢rimaː⸣bi]行くまね。行くふり。⸢マービ[⸢maːbi](真似)は「学、マナブ、ナラフ、マネブ」『類聚名義抄』の転訛したもの。
パリマールン [pa⸢rimaː⸣ruŋ]自動駆け回る。駆けずり回る。駆巡る。「走り回る」の義。
バリミー [ba⸢rimiː]割れ目。⸢ミー⸣バリ[⸢miː⸣bari](ひび割れ)ともいう。
バリムヌ [ba⸢rimunu]割れ物。割れたもの。割れやすいもの。
パリムヌ [pa⸢rimunu]はれもの(腫物)。
パリヤフ [pa⸢ri⸣jaɸu]後厄。49歳や61歳の本厄の晴れた後の厄年。「晴れ厄」の義。若年層はハ⸢リ⸣ヤク[ha⸢ri⸣jaku](後厄)ともいう。
バリルン [ba⸢riruŋ]自動割れる。
パリルン [pa⸢ri⸣ruŋ]自動晴れる。雨が上がる<止む>。
パリルン [pa⸢riruŋ]自動腫れる。炎症で皮膚がふくれあがる。「~瞼腫而<マナブタハレテ>~。万、3856」の転訛したものか。
パリンギサン [pa⸢riŋ⸣gisaŋ]行きそうだ。動詞⸣パルン[⸣paruŋ](行く)の連用形に様態の助動詞⸣ンギサン[⸢ŋ⸣gisaŋ](~ようだ。~そうだ)の終止形が下接した形。
パリンテーナ [pa⸢rinteː⸣na]行きながら。二つのことが同時に進行する際の、動作の並行を表す。動詞の連用形に接続助詞⸢⸢-ンテー⸣ナ[⸢-nteː⸣na](~ながら。~つつ)の下接した形。
パリンマ [pa⸢riʔm⸣ma]疾走する馬。⸢走り馬」の義。
パル [⸣paru]{1}針。縫い針。「~波里曾多麻敝流(ハリゾタマヘル)~。万、4128」の転訛したもの。⸢キンヌイ⸣パル[⸢kinnui⸣paru]ともいう。
パル [⸣paru]{2}茅葺に用いる竹製の矛。竹の先端を鋭利に削り、先端部に直径約一センチの穴を開けてシ⸢ミ⸣ナー[ʃi⸢mi⸣naː](締め縄)が通せるように作った竹矛。茅葺の屋根を葺く際に屋内にいるパ⸢ルシキ⸣プス[pa⸢ruʃi̥ki⸣pu̥su](竹矛を刺す人)が竹矛を屋根の上へ突き出し、屋根の上の⸢ヤーフキ⸣プス[⸢jaːɸu̥ki⸣pu̥su](屋根葺き人)からシ⸢ミ⸣ナー[ʃi⸢mi⸣naː](締め縄)をパ⸢ル⸣ヌミー[pa⸢ru⸣numiː](針穴)に通してもらい、それを室内へ引き抜いてタ⸢ル⸣キ[ta⸢ru⸣ki](垂木)に掛けて再度パルを屋上へ突き出して屋根葺き人へ届けるのに用いる道具。
パル [⸣paru]羅針盤。コンパス(kompas)。明治生まれの老年層は、カ⸢ラバル[ka⸢rabaru](羅針盤。「唐針」の義か)という(加治工伊佐氏談)。カツオ漁船のブ⸢リッ⸣ジ[bu⸢rid⸣ʤi](船長室。海軍航海用語のbridge<艦橋>から転訛したもの)に設置されていた。西表島が地平線の彼方に没する遠方の⸢タイワン⸣ズニ[⸢taiwan⸣ʣuni](台湾曽根)、ナ⸢カヌ⸣スニ[na⸢kanu⸣suni](中の曽根)辺りへ出漁する際は羅針盤が必要であった。戦後鳩間島の烏賊釣りサバニ船団が夜中に風向きが変わったことに気付かず、翌朝漁から帰港する際に島とは正反対の(尖閣列島)方面へ順風に帆を孕ませて帆走し去った海難事故がある。小型のカ⸢ラバル[ka⸢rabaru](コンパス)を所持していた加治工伊佐氏がそれに気付いて、櫂を振り揚げて逆走するサバニを制止したが意思が通じず、先頭のサバニに誘導されて二十数隻のサバニが尖閣列島方向へ帆走し去ったという。その前日、北風の中をサバニを牽引して出漁していたカツオ漁船も逆走するサバニを制止できず、結局はサバニを追走する印象を船団に与えてしまったという海難事故である。加治工伊佐氏は近くにいたサバニ1隻を説得し、ジグザグ帆走でその日の午後に石垣島の川平村に辿り付く事ができ、石垣市の警察署へ捜索願いを出すことができたという。全員救助されるのに4,5日を要したといわれている。
パルシキプス [pa⸢ruʃi̥ki⸣pu̥su]茅葺用の竹製の矛を突き刺す人。「針突き人」の義。竹矛を突き刺す人は屋上の屋根葺きと声を掛け合いながら作業を進めた。勘の鈍い人とペヤーを組むと非常に危険で、屋根葺き作業もはかどらないと言われていた。
パルシグトゥ [pa⸢ruʃigu⸣tu]針仕事。
パルシケー [pa⸢ru⸣ʃi̥keː]入れ墨。刺青。首里方言のhazici(入れ墨。「針突き」)が転訛したもの。明治生まれの女性までは、結婚後に左右の手の甲および指の背に入れ墨をする習慣があったという。
パルスーブ [pa⸢rusuː⸣bu]かけっこ(駆けっこ)。「走り勝負」の義。
パルスーブ [pa⸢rusuː⸣bu]{1}「畑勝負」のこと。「墾・勝負」の義か。琉球国時代に農作物の出来具合を審査した村行事。鳩間島では、終戦直後までは西村と東村対抗で畑作物の増産競争が行われていて、村役人<篤農青年団>が各家の畑を実地検証してまわり、作柄を評価して発表し、順位を競ったという。
パルスーブ [pa⸢rusuː⸣bu]{2}結願祭に上演される奉納芸の一つ。沖縄本島方言で独演される狂言芸能の⸣ピラ[⸣pira](箆)に続いて上演される演劇(畑勝負<農産振興競争>)のこと。
パルッシ [pa⸢ru⸣ʃʃi]針刺し。標準語からの借用語の転訛したもの。
パルトゥ アーシ [pa⸢ru⸣tu ⸢ʔaːʃi]行くと同時に。⸢行くのと合わせて」の義。
パルヌ シチ [pa⸢ru⸣nu ⸣ʃi̥ʧi]春の季節。「春の節」の転訛したもの。老年層は、ウ⸢ルズン⸣ヌ ⸣シチ[ʔu⸢ruʣun⸣nu ⸣ʃi̥ʧi](初夏の季節)という
パルヌミー [pa⸢ru⸣numiː]{1}縫い針の穴。「針の目」の義。
パルヌミー [pa⸢ru⸣numiː]{2}屋根葺き用竹矛の穴のこと。この穴にシ⸢ミ⸣ナー[ʃi⸢mi⸣naː](締め縄)を通して垂木に掛け、引き締めて茅葺屋根を葺く。
パルパク [pa⸢ru⸣paku]針箱。
パルマスン [pa⸢ruma⸣suŋ]他動孕ませる。妊娠させる。自動詞パ⸢ル⸣ムン[pa⸢ru⸣muŋ](孕む)の未然形に、使役の助動詞⸣スン[⸣suŋ](~せる。~させる)が下接して形成された使役の派生動詞(使役動詞)。
パルミバタ [pa⸢rumi⸣bata]妊娠している腹。妊娠中の大きなお腹。
パルミプス [pa⸢rumi⸣pu̥su]妊婦。「孕み人」の義。
パルミ ミドゥム [pa⸢rumi⸣ mi⸢du⸣mu]妊娠した女。「孕み女」の義。
パルムン [pa⸢ru⸣muŋ]自動はらむ<孕>。妊娠する。「胎、博羅無<はらむ>」『日本霊異記下』の転訛。
バルン [ba⸢ruŋ]自動{PoS_1}割れる。
バルン [ba⸢ruŋ]他動{PoS_2}割る。「石戸破<わる> 手力もがも~。万、419」。割る。
バルン [ba⸢ruŋ]他動{3}切開する。
パルン [paruŋ]自動晴れる。⸢雨が止む」については、普通は、ヤ⸢ムン[ja⸢muŋ](止む)という。
パルン [⸣paruŋ]魚の卵。特にカツオの卵。すじこ(筋子)。「孕み」の転訛か。⸢キンパルン[⸢kimparuŋ](黄み卵)とッ⸢ス⸣パルン[s⸢su⸣paruŋ](白み卵)がある。⸢キンパルン(黄み卵)が美味である。
パルン [pa⸢ruŋ]他動張る。貼る。
パルン [pa⸢ruŋ]自動膨れる。乳房が腫れる。乳液で乳房がはちきれそうになる。
パルン [⸣paruŋ]自動{1}行く。「走る」が転訛し、意味派生したもの。「~苦しくあれば 出波之利<イデハシリ>~。万、899」の義。
パルン [⸣paruŋ]自動{2}流れる。去る。
パルン [⸣paruŋ]自動{3}他の動詞の連用形に下接して「~していく(事態の進行)」を表す。
バレン [⸣bareŋ]たわし(束子)。しゅろ(棕櫚)の毛などを束ねて造ったもので、器物をこすり洗うのに用いる。「{馬連}{バ|レン}」と「[g]{束子}{タワシ}」が「擦る」という意味特徴を共有することから、意味派生して再転訛したものであろう。石垣方言からの借用語か。
パロービ [pa⸢roː⸣bi]牛の腹帯。鞍をかける際に腹帯を締める。ハ⸢ロー⸣ビ[ha⸢roː⸣bi]ともいう。
パローマ [pa⸢roː⸣ma](動)カニ(蟹)の一種。ツノメガニ。2~3センチの楕円形の甲殻を持ち、長さ約3センチの歩脚5対を有する。その第1対は強大なはさみ<鉗脚>となる。横向きに早く走る。疾走する姿は馬を連想させる。砂浜に穴を掘って棲息している。食べられない。これを捕獲してシャコ貝の殻に入れ、石で搗いて潰し、砂と混ぜて魚釣り用の撒き餌にした。
バン [baŋ]私。
バン [⸣baŋ]{PoS_1}番。順番。
バン [⸣baŋ]助数{PoS_2}順序、等級を表す。
バン [⸣baŋ]接助~ても<~ばも>。用言の未然形に接続して仮定の逆接条件を表し、後に述べることがそれに拘束されない意を表す。
バン [⸣baŋ]終助~わい。{1}否定の助動詞⸣ヌ[⸣-nu](~ない)の連体形に下接して軽い詠嘆の意を表す。さらに、聞き手に確認や同意を求める終助詞、⸢ナー[⸢naː](ねえ)を下接させることができる。
バン [⸣baŋ]終助{2}ドゥ<ぞ>が係って結ぶ動詞の連体形に下接して軽い驚きや詠嘆を表す。
パン [⸣paŋ]足。脚。「はぎ<脛>」の義。「国巣、~夜都賀波岐<やつかはき=八束脛ノ意>という。『常陸風土記』」の転訛したもの。
パン [⸢paŋ]接頭{PoS_1}半。半分。
パン [⸢paŋ]接尾{PoS_2}イ⸢チニンパン[ʔi⸢ʧinimpaŋ](一年半)。
パン [⸢paŋ]{1}いん(印)。印鑑。「判」の義。
パン [⸢paŋ]{2}しるし(印し)。
パンウクジ [⸢paŋʔukuʤi]「半御神籤」の義。ウ⸢ク⸣ジ バ⸢ルン[ʔu⸢ku⸣ʤi ba⸢ruŋ](米粒で占う<御神籤を割る>)際には米粒を二粒ずつ取り、対を作って並べるが、最後に一粒だけ残ったものをいう。
パン ウスン [⸢pan⸣ ʔu⸢suŋ]印をを押す。「判をつく<突く>」の義。
パンカウワン [⸢paŋkau⸣waŋ]藪などにハブが居そうで、足を踏み入れるのが薄気味悪いさま。「足・痒い」の義。
パンカキ [⸢paŋ⸣kaki]足相撲。二人で向かい合って座り、互いに膝を立てて脛を交叉させ、相手の足を倒す競技。ウ⸢ディ⸣カキ[ʔu⸢di⸣kaki](腕相撲。腕かけ)の対義語。
パンガマ [⸢paŋgama]はがま(羽釜)。周囲に羽のようなつば(鍔)のついた炊飯用の釜。⸢イッス⸣タキ[⸢ʔissu⸣taki](一升炊き)、ニ⸢ス⸣タキ[ni⸢su⸣taki](二升炊き)、⸢サンス⸣タキ[⸢sansu⸣taki](三升炊き)等があった。ウ⸢ブパン⸣ガマ[ʔu⸢bupaŋ⸣gama](大きな羽釜)、⸢パンガマー⸣マ[⸢paŋgamaː⸣ma](小さな羽釜)などもあった。
パンガマイシ [⸢paŋgamaʔisi]「羽釜石」の義。パ⸢トゥ⸣マレー[pḁ⸢tu⸣mareː](鳩離島)の離れ岩で、形が羽釜に似ていることから命名されたもの。海中にあって、海水の浸食により、二重にノッチが形成されており、外見上は蓋をした羽釜に似ている。岩の頂上部には、⸣ユナキー[⸣junakiː](オオハマボウ)が生えていて、いたるところにウミネコの巣があった。繁殖期になると、岩陰のあちらこちらに産卵されていた。
バンギ [⸢baŋgi]「板木」の義か。重い物を動かす際、⸢コロ[⸢koro](ころ。転・丸太)を滑らかに転がすために、ころ(転)の下に敷く板や材木。カツオ船は漁期が終わると翌年の漁期まで陸揚げして補修点検をした。漁船を砂浜に陸揚げする際、⸢バンギ[⸢baŋgi]を敷いて、その上にコ⸢ロ[ko⸢ro](ころ<転。丸太>)を置き、漁船をコロに載せてタ⸢グラ⸣ザン[ta⸢gura⸣ʣaŋ](⸣ビービー{SqBr}⸣biːbiː{/SqBr})(巻き上げ機)を十数名で回しながら引き揚げた。
パンキシ [⸢paŋkiʃi]⸢半切れ」の義か。畑一枚の半分。畑の一枚をプ⸢ス⸣キシ[pu̥⸢su⸣ki̥ʃi](一切れ)という。
ハンキチ [⸢haŋ⸣ki̥ʧi]ハンカチ。標準語の⸢ハンカチ(handkerchiefの転訛)」が再転訛したもの。
パンキュー [⸢paŋ⸣kjuː]半休。土曜日。オランダ語のドンタク(zondag<日曜日。休日>)と接頭語「半」の合成語、「ハンドン」が「半休」となることから転訛したもの。鳩間島に学校が設置された明治29年以降に定着した語であろう。
パンギリ [⸢paŋgiri]ブリキ製の茶筒。ブリキ缶の半切。ブリキ缶の半筒。「はんぎりおけ(盤切)」の転訛したものか。
バンク [⸢baŋ⸣ku]縁台。涼み台。ポルトガル語からの借用語バンコ(banco<縁台>)が転訛したもの。
バングバリ [⸢baŋgu⸣bari]番組。プログラム。「番組割り」の義。結願祭や豊年祭に出演する⸢バン⸣グ[⸢baŋ⸣gu](演目。番組の配置<割付>。プログラム)。結願祭は西村、東村共同の⸢バング⸣バリ(演目割り付け)を作成して友利御嶽で芸能を演舞奉納した。豊年祭では西村、東村対抗で、それぞれの⸢ゾーラキ[⸢ʣoːraki](入れ子型芸能。「常楽会」の義か)の⸢バング⸣バリ(プログラム)を作成して競演した。
パンクラスン [⸢paŋkura⸣suŋ]他動めくる(捲る)。めくらせる。皮などをめくる。裏返す。
パンクリマラ [⸢paŋkuri⸣mara]包皮の{捲}{メク}れ{剥}{ム}けた陰茎。
パンクリルン [⸢paŋkuri⸣ruŋ]自動{1}皮などがめくれる(捲れる)。⸢パン⸣クルン[⸢paŋ⸣kuruŋ](捲れる。ひっくり返る)ともいう。
パンクリルン [⸢paŋkuri⸣ruŋ]自動{2}反転する。ひっくり返る。断る。
パンクルン [⸢paŋ⸣kuruŋ]自動{1}皮などがめくれる(捲れる)。反転する。ひっくり返る。
パンクルン [⸢paŋ⸣kuruŋ]自動{2}婚約を破談にしてしまう。ひっくり返える。嫌がる。
パンクン [⸢paŋ⸣kuŋ]他動{1}皮などをめくる(捲る)。裏返す。反転させる。
パンクン [⸢paŋ⸣kuŋ]他動{2}はじく。強烈な臭気が鼻をはじく(弾く)。
バンゴー [⸢baŋ⸣goː]番号。
バンゴーフダ [⸢baŋgoː⸣ɸuda]番号札。フ⸢ダ[ɸu⸢da](札)ともいう。
バンコーマ [baŋ⸢koː⸣ma]ちいさな縁台。ちいさな涼み台。家ごとに庭の木陰に小さな涼み台を設置していた。、老人や子供たちは、その上で雑談をしたり、昼寝をしたりした。
パン コールン [⸣paŋ ⸢koː⸣ruŋ]足が強くなる。幼児の足が強くなって歩けるようになる。⸢足が堅くなる」の義。
バンジ [⸢banʤi]まっさかり(真っ盛り)。最盛期。青年期。⸢バンジン[⸢banʤiŋ](最盛期)ともいう。
パンシ [⸢paŋʃi]一時しのぎ。当面の危機をしのぐこと。しのぎ(凌ぎ)。「はずし(外し)」の義。
パンシカンシ [⸢paŋʃikaŋ⸣ʃi]とぎれとぎれに。意識が一貫しないさま。おぼろげに。はっきりしないさま。意識が不明確で途切れ途切れに。⸢パンチカン⸣チ[⸢panʧikan⸣ʧi]ともいう。
パンシキ [⸢paŋʃi̥ki]半月。
パン シキラリン [⸢paŋ⸣ ʃi̥⸢kira⸣riŋ]印しを付けられる。
パン シキラリン [⸢paŋ⸣ ʃi̥⸢kira⸣riŋ]{2}印をつかれる。決められる。
パン シキルン [⸢paŋ⸣ ʃi̥⸢ki⸣ruŋ]印をつける。印を突く(捺印する)。
パン シマリン [⸣paŋ ʃi⸢ma⸣riŋ]足がきかなくなる。歩けなくなる。
バンジュ [⸢ban⸣ʤu]琉球国時代の村の役所。「番所」の義。
パンジョー [⸢pan⸣ʤoː]繁昌。若年層は、⸢ハン⸣ジョー[⸢han⸣ʤoː]ともいう。
バンジン [⸢banʤiŋ]{1}真っ盛り。最盛期。⸢バンジ[⸢banʤi](真っ盛り)ともいう。
バンジン [⸢banʤiŋ]{2}青年。男女共に若さの最盛期。
パン スクン [⸢pan⸣ su̥kuŋ]しるし(印)を付ける。
パンスディ [⸢pan⸣sudi]半そで。ナ⸢ガ⸣スディ[na⸢ga⸣sudi](長袖)の対義語。老年層は⸣スディッキラー[⸣sudikkiraː](袖なし。「袖切れ」の義)ともいう。
バンスル [⸢ban⸣suru](植)バンジロウ。蕃石榴。グアバ。フトモモ科の常緑の小高木。果実は直径3~6センチになり、完熟すると芳香を放つ。甘くて美味である。畑の畦や原野の中に自生しており、畑仕事の帰りに{捥}{モ}いで子供の土産にした。半熟の果実は多少渋い味があり、食べ過ぎると、シ⸢ビコー⸣ルン[ʃi⸢bikoː⸣ruŋ](便秘する。「尻強る」の義か)といわれている。葉は利尿効果があるとして、お茶代用に飲まれた。お盆には、仏壇に供えるム⸢ルムル[mu⸢rumuru](⸢諸々」の義か)の砂糖黍の束に挿す果実として必要であった。
バン スン [⸣ban ⸢suŋ]番をする。見張りをする。警護する。
パンソー [⸢pansoː]両端に飾りの付いている笛。「横笛。{歌口}{ウタ|グチ}のほかに穴が七つあるのが普通。中国の管楽器の{簫}{ショウ}は管が十六あり、横笛はその半分の八つあるので半簫の意か」『沖縄語辞典』とある。「半簫の意か。竹の筒で穴が十二あり、長さ約二尺三寸。直径七、八分ほど」『石垣方言辞典』とある。昔、⸣ウブシケー[⸣ʔubuʃi̥keː](大城家)に唐より伝来したという笛があった。竹筒は細かく割ってあって、穴と穴の間は糸で強く締めてあった。それを西村の笛として用いたという。飾りはついてなかったが、その笛を⸢パンソーといった(加治工伊佐氏談)という
バンゾンガニ [⸢banʣoŋ⸣gani]{1}さしがね。まがりがね(曲尺)。かねじゃく。直角に折れ曲がった形の物差し。「ばんしょうがね(番匠矩)」の義。⸢ヤーザイ⸣ク[⸢jaːʣai⸣ku](建築大工。「家大工」の義)が使用した差し金。
バンゾンガニ [⸢banʣoŋ⸣gani]{2}番匠矩のような角材。歌謡語。⸢バンゾンガニ⸣バ ヌ⸢キバ シー~[⸢banʣoŋgani⸣ba nu⸢kiba ʃiː~。](番匠矩の鋼材を貫材にして~)「アーパーレー歌」
パンタ [⸢pan⸣ta]繁忙。多忙。「繁多」の義。
パンタ [⸢pan⸣ta]先端。端っこ。ふち。断崖。パン⸢ター⸣マ[pan⸢taː⸣ma](先端)ともいう。
パンタ [⸣panta]南方。南の方。西表島の北岸一帯の水田地帯。昭和40年ごろまでは鳩間島の人が⸣イダフニ[⸣ʔidaɸuni](サバニ)で渡り、四、五日の泊りがけで水田耕作をしたところ。
バンター [⸢ban⸣taː]僕達。僕ら。私達。一人称、複数(聞き手を含まない)。⸢ベー[⸢beː](我々。私達。聞き手を含む)と対立する。ク⸢ヌ⸣  プ⸢ソー バン⸣ター ⸢シン⸣シー ヤ⸢ロー⸣ル。ワ⸢ター シン⸣シェー ⸢ター⸣ ヤ⸢ローッ⸣ター[ku⸢nu⸣ pu̥⸢soː ban⸣taː ⸢ʃiŋ⸣ʃiː ja⸢roː⸣ru。wa⸢taː ʃiŋ⸣ʃeː ⸢taː⸣ ja⸢raːt⸣taː](この人は僕達の先生でいらっしゃる。君等の先生はどなたでした<誰であられた>か)。
パンターマ [pan⸢taː⸣ma]端っこ。突端。⸣-マ[⸣-ma]は美称の接尾辞。
ハンダイ [⸢han⸣dai]飯台。ちゃぶだい(卓袱台)。四脚の脚の低い食事用の台。食卓。「飯台」の義。標準語からの借用語。飯台の中央には大皿におかずを盛り、炊いた芋なども竹笊に盛って置いて、各自欲しいものを取って食べた。ご飯とお汁だけは各自の前に配膳された。カ⸢ティ⸣ムヌ[kḁ⸢ti⸣munu](おかず。かてもの<揉て物>)は共通の大皿から取ってたべた。
ハンタグヮーテー [⸢hantagwaː⸣teː]屋号。通事実氏宅。指小辞(diminutive)の⸣グヮー[⸣gwaː](小。小さいもの)は沖縄方言であるから、⸢ハンタ⸣グヮー[⸢hanta⸣gwaː](「最先端。村の端っこ」の義か。転じて「分家」の意か)も糸満方言由来の言葉であろう
パン ダクン [⸣pan da⸢kuŋ]⸢足を抱く」の義。足を怪我して働くことが出来なくなること。
パンタサン [⸢panta⸣saŋ]忙しい。多忙である。繁多である。「繁多さあり」の義。
パンダマ [⸢pan⸣dama](植)野菜の名。スイゼンジナ(水前寺菜)。キク科の多年草。葉の色は、表が緑色で裏は紫色。葉は食用となる。カツオの頭やイ⸢ノー⸣イズ[ʔi⸢noː⸣ʔiʣu](環礁内の魚)と一緒に煮ると美味である。
パンダヤ [⸢pan⸣daja]足の力。脚力。「足の体力」の義。ア⸢シ⸣ダイ[ʔa⸢ʃi⸣dai](足の力。脚力)ともいう。
パンタラスン [⸢pantara⸣suŋ]他動太らせる。肥えさせる。自動詞⸢パン⸣タルン[⸢pan⸣taruŋ](太る。肥える)の未然形に、使役の助動詞⸣スン[⸣suŋ](~す。~さす。~させる)が下接して形成された使役の派生動詞。
パンタリッサールン [⸢pantarissaː⸣ruŋ]自動肉付きが良くなる。ほどよく健康的に肥える。
パンタリプス [⸢pantari⸣pu̥su]肥えた人。太った人。
パンタルン [⸢pan⸣taruŋ]自動太る。肥える。
パンタレー [⸣pantareː]太った子供。太っちょ。デブちゃん。大人にはいわない。
バンチ [⸢ban⸣ʧi]番地。標準語からの借用語。
パンチカンチ [⸢panʧikan⸣ʧi]生半可に。中途半端に。途切れ途切れにしか記憶してないさま。不完全でところどころしか記憶していないさま。おぼろげなさま。はっきりしないさま。一知半解なさま。
バンチフダ [⸢banʧi⸣ɸuda]門札。「番地札」の義。
パンチルン [⸢panʧiruŋ]自動{1}ほどける(解ける)。はずれる。
パンチルン [⸢panʧiruŋ]自動{2}はずれる(外れる)。それる(逸れる)。
パンツァスン [⸢panʦasuŋ]他動{PoS_1}{1}ほどく(解く)。
パンツァスン [⸢panʦasuŋ]補動{PoS_2}(補助動詞)。動詞の連用形に付いて⸢~しそびれる。~しはずす」の意を表す。
パンッサーラシビリ [⸢panssaːraʃi⸣biri]足下げ座り。縁側や三番座などで足を垂らして座ること。農家の主婦たちは用事を済ませてすぐ立てるように座敷に上がることはしなかった。老人たちが座敷に上がって茶を飲んだ。
パンッスル [⸢panssu⸣ru]あしふき(足拭き)。雑巾。明治生まれの老年層の使用語彙。若年層は⸢ゾー⸣キン[⸢ʣoː⸣kiŋ](雑巾)という。
パン ッスン [⸣pan ⸣ssuŋ]足摺りをする。⸢キン⸣ダン ⸢スン[⸢kin⸣dan ⸢suŋ](地団太踏む)というのが普通。
パンツン [⸢panʦuŋ]自動{1}ほどける(解ける)。外れる。
パンツン [⸢panʦuŋ]自動{2}はずれる(外)⸣タミティ ア⸢タン⸣カー ⸢パンツン[⸣tamiti ʔa⸢taŋ⸣kaː ⸢panʦuŋ](真直ぐ狙って当てないと外れる)「はづる(下二段活用)」の四段段活用化したもの。⸢Fazzure,uru,eta.ハヅレ,ルル,レタ(外れ,るる,れた)~Fitonami fazzururu(人並みに外るる)~」『邦訳日葡辞書』の転訛したものか
バンテー [⸢ban⸣teː]わが家。私の家(他人に対して言うときに用いる)。banta(私たち<聞き手を含まない>の)・[jaː](家)→ [banteː](我が家)と転訛したもの。家族の者同士が「わが家」というときは、⸢ベー⸣ヤー[⸢beː⸣jaː](我ら<聞き手を含む>の家、建物、家庭)という。⸣バーヤー[⸣baːjaː](私個人の家)は建物を指す。
バンドーガミ [⸢bandoːgami]水がめ。炊事用、飲料用の水を入れておく水瓶で、口が胴体ほど広い。普通の水甕を半分の高さで切った形をしている。「半胴甕」の義。⸢パンドー[⸢pandoː](半胴瓶)ともいう。
ハンドゥー [⸢han⸣duː]⸢プーシン[⸢puːʃiŋ](帆船)の帆柱を立てたり、倒したりする際のヌ⸢チ⸣ジナ[nu⸢ʧi⸣ʤina](命綱)を張る棒。舳先に突き出してある
パントゥキ [⸢pantuki]はんとき(半時)。ごく短い時間。⸢イットゥ⸣キ[⸢ʔittu⸣ki](いっとき<一時>。ごく短い時間)と共に対語的に用いられる。
パントゥシ [⸢pantuʃi]半年。
パンニチ [⸢panniʧi]半日。
バンニン [⸢ban⸣niŋ]番人。見張りをする人。
パンニン [⸢panniŋ]半年。⸢チューガッ⸣コー ⸣ンジティ ⸢パンニンマー⸣ カ⸢ツシン⸣ナ ⸢ヌールタ(中学校を出て半年はカツオ漁船に乗った)
パンニンマイ [⸢pannimmai]半人前。一人前の半分の能力。
パンヌ アトゥ [⸢pan⸣nu ⸣ʔatu]足跡。動物の足跡。人の足跡には、⸢パン⸣ヌペー[⸢pan⸣nupeː](人の足跡)という。
パンヌ アドゥ [⸢pan⸣nu ⸣ʔadu]かかと(踵)。
パンヌ ウトゥ [⸢pan⸣nu ʔu⸢tu]足音。
パンヌ ウヤビ [⸢pan⸣nu ʔu⸢ja⸣bi]足の指。
パンヌ クシ [⸢pan⸣nu ku̥⸢ʃi]足の甲。「足の背<腰>」の義。
パンヌ グジ [⸢pan⸣nu gu⸢ʤi]足のまめ(肉刺)。
パンヌ サラーマ [⸢pan⸣nu sa⸢raː⸣ma]くるぶし(踝)。「はぎ(脛)の小皿」の義。
パンヌ シミ [⸢pan⸣nu ⸣ʃimi]足の爪。
パンヌ バタ [⸢pan⸣nu ⸣bata]足裏。「足の腹」の義。
パンヌ プニ [⸢pan⸣nu ⸣puni]足の骨(むこうずねのほね<脛骨>、腓骨)。⸣シニ[⸣ʃini]({脛}{スネ})ともいう。
パンヌ フビ [⸢pan⸣nu ɸu⸢bi]足首。
パンヌ ペー [⸢pan⸣nu ⸣peː]{1}人の足跡。あしあと。
パンヌ ペー [⸢pan⸣nu ⸣peː]{2}足の爪先。
パンヌ ユール [⸢pan⸣nu ⸢juː⸣ru]足指の裏のひだ(襞)。
パンヌ ワザ [⸢pan⸣nu ⸣waʣa]足を使う仕事。「足の業」の義。⸢ティー⸣ヌ ⸣ワザ[⸢tiː⸣nu ⸣waʣa](手の技術。手業)の対義語。
バンヌン [⸢ban⸣nuŋ]私も。撥音で終わる語に副助詞ン[ŋ](も)が下接すると連声現象が起きて、ヌン[nuŋ](~も)となる。
バンパジ [⸣bampaʤi]祈願解き。「番外し」の義。⸢バンプトゥ⸣キ[⸢bampu̥tu⸣ki](願解き)と同じ。御嶽で神々に対する一回の祈願を、プ⸢ス⸣バン[pu̥⸢su⸣baŋ](一番)という。
バンバラー [⸢bam⸣baraː]家の中ががらんどうであること。家の中に家具類がなく、がらんとしているさま。
バンバン [⸢bambaŋ]擬態語。ぼうぼう。火の燃えさかるさま。
パンパン [⸢pampaŋ]擬態語。{1}発熱したり、火照ったりするさま。
パンパン [⸢pampaŋ]{2}真夏の太陽が照りつけて暑くなるさま。
パンピサ [⸣pampisa]足首から足の先。足の甲から足の裏を含む。「足・平」の義。
パンビン [⸢pam⸣biŋ]祝儀用に大きく揚げた芯のない平たいてんぷら。「はんぺん(半片)」の転訛したものか。祝祭日などには、⸢パン⸣ビンを油で揚げて子供達に与えた。
パンブン [⸢pam⸣buŋ]半分。若年層は⸢ハン⸣ブン[⸢ham⸣buŋ](半分)という。標準語からの借用語が転訛したもの。普通は、ナ⸢カ⸣ラ[na⸢ka⸣ra](半ら)という。
パンブンシー [⸢pambuŋ⸣ʃiː]中途半端な仕事をすること。仕事を完全にやり遂げないこと。「半分し」の義。若年層は、⸢ハンブン⸣シー[⸢hambuŋ⸣ʃiː](中途半端にすること)という。
パンブンッサーク [⸢pambunssaː⸣ku]半分仕事。
パンブンナー [⸢pambun⸣naː]半分ずつ。
パンブンバタ [⸢pambum⸣bata]「半分腹」の義。食事についていう。五分通り(腹半分に食すること)腹に入れること。老年層は、ナ⸢カラ⸣バタ[na⸢kara⸣bata](腹五分)という。
パンブンミチ [⸢pambum⸣miʧi]道半ば。半分道。中途。
パンマイ [⸢pammai]飯米。食糧米。丁寧な表現。普通は、パ⸢マイ[pa⸢mai](飯米)という。
パン ムイルン [⸣pam ⸢mui⸣ruŋ]幼児が立ち始める。幼児が歩き始める。「足が生える」の義。
パンヤドゥ [⸢paŋ⸣jadu]半間戸。半窓に設置された上げ下ろし式の半戸。半分の戸。「半屋戸」の義。一般の住宅には作らなかったが、鰹節工場の事務所には⸢パン⸣ヤドゥ[⸢paŋ⸣jadu](半)が設置されていた。
パン ヨールン [⸣paŋ ⸢joː⸣ruŋ]足(脚)が弱くなる。「足弱る」の義。