鳩間方言音声語彙データベース

見出し語IPA品詞意味記述
ネーガー [⸢neː⸣gaː]びっこ(跛)。足の怪我で歩行の釣合いがとれないこと。また、その人。「跛、那閇久(なへぐ)」『和名抄』の連用形に接尾語ヤー[jaː](~する)が下接して形成された語。ナンゲー[naŋgeː](びっこ。<那閉久>の転訛)、⸣グーナー[⸣guːnaː](びっこ)ともいう。
ネーザラコーザラ [⸢neː⸣ʣarakoːʣara]根掘り葉堀り。しつこく。「根浚え孔浚え」の転訛か。⸢ミー⸣ミカーミ[⸢miː⸣mikaːmi]ともいう。
ネーシウン [⸢neːʃiuŋ]煮芋。煮た芋。ふかしいも(蒸かし芋)。ナ⸢マ⸣ウン[na⸢ma⸣ʔuŋ](生芋)の対義語。
ネーシジル [⸢neːʃiʤiru]煮汁。煮出し汁。
ネーシムヌ [⸢neːʃimunu]にせもの({偽物}{ニセ|モノ}、{贋物}{ガン|ブツ})。似せて作ったもの。贋作。偽造物。
ネースン [⸢neːsuŋ]他動似せる。似させる。まねる。
ネースン [⸢neːsuŋ]他動煮る。魚や蛸、芋等を鍋に入れて水から沸騰させて煮る。「熟、ニユル・カシク」『類聚名義抄』の転訛。「にえ・す<煮え・す>」の変化を経たものか。「~あをな煮持ち来~。万、3825」と関係ある語か。
ネーラ [⸢neːra]右。右側。「みぎり」の転訛か。「左みぎりに着座して~」『謡曲・草子洗い』。
ネーラ [neː⸢ra]終助尊敬の終助詞。疑問、尋ねを表す。明治生まれの古老が用いる。~ですか。~ますか。~でございますか。{1}尊敬動詞の終止形に付く。
ネーラ [neː⸢ra]終助{2}係り結びの場合は連体形に付く。
ネーラ [neː⸢ra]終助{3}疑問代名詞や指示代名詞などに付く。
ネーラール ウヤキ [⸢neːraː⸣ru ʔu⸢ja⸣ki]粘り強いことこそが金持ち。<諺>「何事も粘り強く続けることが成功の秘訣である」の意味。
ネーラーン [⸢neː⸣raːŋ]熱心なさま。勤勉なさま。入念に行うさま。細心に行うさま。綿密に行うさま。細部に気を配って仕事をするさま。しつこいさま。
ネーランケーリ [⸢neːraŋkeː⸣ri]熱心に。入念に。細やかに。まめまめしく。一生懸命。精根をこめて。