ヘ〜 | [ɕːẽ] | ▶ | 感 | {1}ええ?なんだって?相手の話に対して婉曲に疑問ないし反感の意を表す。 |
ヘ〜 | [ɕːẽ] | ▶ | 感 | {2}更に、あからさまに反感の意を表す際は、ハ~[hãː](何ですって?)と鼻音化する。 |
ヘー | [çe⸢ː] | ▶ | 感 | へえ。ほう。相手が言ったことに対して感嘆した時に、肯定的に認めて発することば。 |
ヘー | [⸣çeː] | ▶ | 格助 | ~へ。鳩間方言の方向を表す格助詞は、上接語の末尾母音の種類によって、以下のように変化する。 |
ヘー | [⸣çeː] | ▶ | 格助 | {Exp_1}-i+へ → Ce\ipa{ː}(C=子音)。 |
ヘー | [⸣çeː] | ▶ | 格助 | {Exp_2}-a+へ → Caː(C=子音)。 |
ヘー | [⸣çeː] | ▶ | 格助 | {Exp_3}-u+へ→Coː(C=子音)。 |
ベー | [⸢beː] | ▶ | 代 | 自称。複数。<聞き手を含む>私たち、われら。⸢ベーター[⸢beːtaː](私たち)ともいう。 |
ペー | [⸣peː] | ▶ | 名 | {1}つまさき(爪先)。 |
ペー | [⸣peː] | ▶ | 名 | {2}足跡。あしあと。 |
ペー | [⸣peː] | ▶ | 名 | へ(綜)。そうこう(綜絖)。布を織る際に、よこいと(緯糸)を通すひ(杼)道を作るために、たていと(経糸)を上下させる道具 |
ベーカー | [⸢beː⸣kaː] | ▶ | 名 | 下痢と{嘔吐}{オウ|ト}を繰り返す病気。{霍乱}{カク|ラン}。赤痢の一種か?⸢ヌー⸣バ ッ⸢ふァイティ⸣ ア⸢タルタ⸣ユー ユ⸢ナカー⸣ラ ⸢ベー⸣カー ⸢シー ベー[⸢nuː⸣ba f⸢faiti⸣ ʔa⸢taruta⸣juː ju⸢nakaː⸣ra ⸢beː⸣kaː ⸢ʃiː beː](何を食べて当ったのか、夜中から下痢と嘔吐をいている) |
ヘーガサ | [⸢çeːga⸣sa] | ▶ | 名 | 頭の皮膚病。頭にお出来ができて、じめじめと湿り、悪臭を放つ皮膚病。「はえかさ(這え瘡)。瘡、加佐<かさ>『和名抄』」の義か。⸢ペーガ⸣サ[⸢peːga⸣sa](頭の皮膚病)ともいう。 |
ベーカベー | [⸢beː⸣kabeː] | ▶ | 名 | (動)山鳩の一種。アオバト(青鳩)。子供が拗ねて泣きだすと親たちは、⸢ウリウリ ベー⸣カベーヌ ナ⸢クン⸣ドー[⸢ʔuriʔuri beː⸣kabeːnu na⸢kun⸣doː](ほらほらベーカベー<青鳩>が鳴くよ)といって、婉曲に子供をたしなめ<窘め>たり、一時的に子供の注意を引くようにしたものである |
ペー キルン | [⸣peː ⸣kiruŋ] | ▶ | 連 | つまづく(躓く)。けつまずく(蹴躓く)。⸢爪先を蹴る」の義。 |
ペーキン | [⸢peː⸣kiŋ] | ▶ | 名 | 琉球国時代、頭<カシラ>職に与えられた位階名と同じ『石垣方言辞典』。 |
ヘーシ | [⸢çeː⸣ʃi] | ▶ | 名 | 囃子。民謡や民俗芸能などの各種芸能で、あいのて(間の手)を入れたり、手拍子を打ったり、{情緒}{ジョウ|チョ}を出すために添える歌詞や文句。笛、太鼓、三線などの楽器が用いられる。⸢ヘー⸣シは沖縄方言からの借用語。伝統的鳩間方言では、⸢パー⸣シ[⸢paː⸣ʃi](囃子。傍らで鼓を打ったり、手拍子を打ったり、声を出したりして歌舞を活気付けること)という。「~七重花咲く 八重花咲くと白賞尼<マヲシハヤサネ>。万、3885」、「Fayaxi,u,aita.ハヤシ、ス、イタ(囃し、す、いた)楽器を鳴らし、声を上げて歌う」、「Fayaximono.ハヤシモノ(囃し物・拍子物)一緒に動き回る大勢の人々の、合唱を伴った踊.」『邦訳日葡辞書』の転訛したもの。 |
ベーシティ | [beːʃi̥⸢ti] | ▶ | 副 | ぎくっと。ぎょっと。不意に驚くさま。 |
ベースン | [⸢beː⸣suŋ] | ▶ | 他動 | {1}酔わせる。 |
ベースン | [⸢beː⸣suŋ] | ▶ | 他動 | {2}中毒させる。麻痺させる。痺れさせる。 |
ベーター | [⸢beːtaː] | ▶ | 代 | 自称。複数。<聞き手を含む>私たち。われら。 |
ベーッサベーッサ | [⸢beːssabeːssa] | ▶ | 副 | 擬態語。牛馬、山羊などが力強くかいば<飼葉>を食べるさま。ぱくぱく。転じて人が美味しそうに食事をするさま。 |
ベーッサラベーッサラ | [⸢beːssarabeːssara] | ▶ | 副 | ぺちゃくちゃ。賑やかに喋るさま。 |
ベーッタベーッタ | [⸢beːttabeːtta] | ▶ | 副 | 擬態語。ゆたゆた。ゆさゆさ。重い物が揺れ{撓}{タワ}むさま。⸢ビーッタビーッタ[⸢biːttabiːtta]ともいう。 |
ベーフ | [⸢beː⸣ɸu] | ▶ | 名 | びょうぶ(屏風)。「Biŏbu.ビャゥブ(屏風)Cajeuo fuxegu.(風を屏ぐ)それ自体で立つ一種の大きな飾り板のようなもので、日本人が家の飾りとして、または、風を防ぐためなどに用いるもの.」『邦訳日葡辞書』の転訛したもの。 |
ペーブク | [⸢peːbuku] | ▶ | 名 | (地)平久保。石垣島最北端の集落。 |
ペーブクウシ | [⸢peːbukuʔuʃi] | ▶ | 名 | {1}平久保牛。平久保の牛は人をじろじろ見て、ものを言わない。 |
ペーブクウシ | [⸢peːbukuʔuʃi] | ▶ | 名 | {2}ものを言わずに押し黙っている人を卑しめていう。 |
ベーベー | [⸢beː⸣beː] | ▶ | 名 | 小山羊。幼児語。沖縄方言からの借用語。 |
ペーラ | [⸢peː⸣ra] | ▶ | 名 | 完熟したひょうたん(瓢箪)を縦に真っ二つに切り割って作った{柄杓}{ヒ|シャク}。穀類を{掬}{スク}ったり、飲み水を{汲}{ク}むのに用いた。 |
ペーラフチ | [⸢peːra⸣ɸu̥ʧi] | ▶ | 名 | 門。家の入り口。「はいりぐり({這入}{ハ|イリ}口)」の義。「Fairu,u,itta.ハイリ、ル、ッタ(這入り、る、った)」『邦訳日葡辞書』に「Cuchi.クチ(口)」『邦訳日葡辞書』が下接して形成された語。門の両側の石積みは、大きな石を削って整形したものを使用した。また、葬列が門前を通過する際は、ペーラフチに竹竿をX字に交差させて立て、死者の霊の侵入を防ぐ習慣が昭和30年ごろまであった。 |
ペーリフチ | [⸢peːri⸣ɸu̥ʧi] | ▶ | 名 | 這入り方。入り方。這入る方法。 |
ペーリマイ | [⸢peːri⸣mai] | ▶ | 名 | 収入。這入る分(金額)。「這入り前」の義。 |
ベールヒャー | [⸢beː⸣ruçaː] | ▶ | 感 | いやだ(卑語)。強く拒絶する意思を表す。同等以下の者に対して嫌悪の意味を籠めていう。 |
ペールン | [⸢peː⸣ruŋ] | ▶ | 自動 | 這入る。入る。「Fairi,u,itta.ハイリ、ル、ッタ(這入り、る、った)入る」『邦訳日葡辞書』の転訛したもの。 |
ペーレー | [⸢peːreː] | ▶ | 名 | かんばつ(旱魃)。ひでり(日照り)。「Fideri,canbat.ヒデリ.またはカンバツ(日照り.または、旱魃)」『邦訳日葡辞書』の転訛したもの。夏の日照りが続くと島の人々は、三つある村井戸で順番に並んで水汲みをした。⸢インヌカー[⸢ʔinnukaː](西村の井戸)、⸢アンヌカー[⸢ʔannukaː](東村井戸)には、村の娘たちが集まって、井戸水が{湧出}{ユウ|シュツ}するまでの時間を語り合いながら、夜を徹して水汲みをした。 |
ペーレー スン | [⸢peːreː suŋ] | ▶ | 連 | 旱魃がする。旱魃になる。 |
ヘイキ | [⸢heiki] | ▶ | 名 | ひいき(贔屓)。老年層は⸢ピーキ[⸢piːki](贔屓)という |
ヘイヤー | [⸣heijaː] | ▶ | 感 | 田圃を耕す時の男の掛け声。⸢エイヤー[⸢jeijaː](掛け声)という人もいる。 |
ペンガー | [⸣peŋgaː] | ▶ | 名 | 女子の名。固有名詞。 |
ペンガンガザミ | [⸣peŋgaŋgasami] | ▶ | 名 | (動)蟹の一種。西表島の船浦港対岸の⸢マーレーガーラ[⸢maːreːgaːra](マーレー川)、ニ⸢シダガーラ[ni⸢ʃidagaːra](ニシダ川)、ナ⸢ダラガーラ[na⸢daragaːra](ナダラ川)、ピ⸢ナイガーラ[pi⸢naigaːra](ピナイ<鬚川>川)の川口のア⸢カ⸣ズミキー[ʔa⸢ka⸣ʣumikiː](マングローブ)林で捕獲されていた。 |
ペンシキビリ | [⸢peŋʃi̥kibiri] | ▶ | 名 | ひざまずき(跪き)。正座。{両膝}{リョウ|ヒザ}と爪先を地につけて身を支え、{踵}{カカト}の上に{臀部}{デン|ブ}を乗せて座り、深い敬意を表す座り方。「Fagui.(脛)『邦訳日葡辞書』付け座り」の義か。 |
ペンスクムン | [⸢pensu̥kumuŋ] | ▶ | 自動 | しびれる(痺)。体の一部が感覚をうしなう。 |
ペンツァイ | [⸢penʦai] | ▶ | 名 | 爪先で立って歩くこと。爪先立ち歩き。 |
ペンツァウン | [⸢penʦauŋ] | ▶ | 自動 | 爪先で立って歩く。爪立てて歩く。 |