「病院の言葉」を分かりやすくする提案
国立国語研究所「病院の言葉」委員会 平成21年3月
医療の分野では,患者中心の医療の考え方が広まり,医療者は十分に説明をし,患者は説明を理解し納得した上で,自らの医療を選ぶことが求められています。ところが,医療者の説明に出てくる言葉が分かりにくいことが,患者の理解と判断の障害になっています。
この問題を改善するために,国立国語研究所は「病院の言葉」委員会を設置し,「病院の言葉」の分かりにくさの原因を探り,分かりやすく伝えるための工夫を,医療者に対して提案しました。
病院の言葉の分かりにくさには,いくつかの類型があります。各類型を代表できる言葉57語を取り上げ,分かりやすく伝える例を,詳しく示しました。
まえがき
Ⅰ.「病院の言葉」を分かりやすくする提案を行う目的
Ⅱ.「病院の言葉」を分かりやすくする工夫の類型
Ⅲ.類型別の工夫例
類型A 日常語で言い換える
1.イレウス 2.エビデンス 3.寛解 4.誤嚥 5.重篤 6.浸潤 7.生検 8.せん妄 9.耐性 10.予後 11.ADL 12.COPD 13.MRSA
類型B 明確に説明する
B-(1) 正しい意味を
14.インスリン
15.ウイルス
16.炎症
17.介護老人保健施設
18.潰瘍
19.グループホーム
20.膠原病
21.腫瘍
22.腫瘍マーカー
23.腎不全
24.ステロイド
25.対症療法
26.頓服
27.敗血症
28.メタボリックシンドローム
B-(2) もう一歩踏み込んで
29.悪性腫瘍
30.うっ血
31.うつ病
32.黄だん
33.化学療法
34.肝硬変
35.既往歴
36.抗体
37.ぜん息
38.尊厳死
39.治験
40.糖尿病
41.動脈硬化
42.熱中症
43.脳死
44.副作用
45.ポリープ
B-(3) 混同を避けて
46.合併症
47.ショック
48.貧血
類型C 重要で新しい概念の普及を図る
<信頼と安心の医療>
49.インフォームドコンセント
50.セカンドオピニオン
51.ガイドライン
52.クリニカルパス
<ふだんの生活を大事にする医療>
53.QOL
54.緩和ケア
55.プライマリーケア
<新しい医療機械>
56.MRI
57.PET
Ⅳ.検討の経過
Ⅴ.中間報告に寄せられた意見
Ⅵ.資料
提案の背景となった調査のページはこちら
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