19.グループホーム ―認知症患者の場合を例に― group home
[関連] ケアホーム(類型B) ケアハウス(類型B)
認知症対応型共同生活介護(にんちしょうたいおうがたきょうどうせいかつかいご)(類型B)
まずこれだけは
認知症患者が専門スタッフの援助を受けて共同生活をする家
少し詳しく
「認知症の高齢者が少人数のグループ単位で共同生活を送る住居です。専門のスタッフが一緒にいて洗濯や食事などの援助をしてくれます」
時間をかけてじっくりと
「認知症のお年寄りが少人数のグループ単位で共同生活を送る住居です。部屋は個室,居間や台所は共同で,洗濯や食事の準備などはスタッフとともに行い,認知症が進むのを抑えることができます。施設ではなく一般住居に近い家庭的な雰囲気があります。家にいる感じで生活できるので,不安を軽くすることができます」
こんな誤解がある
- 高齢者同士が助け合って暮らす施設だという誤解が多い(35.2%)。専門のスタッフが援助してくれることを伝えたい。
- 認知症の治療施設だという誤解がある。治療の場ではなく生活の場であることを伝えたい。
- 「ケアホーム」「ケアハウス」との違いが分からない人が多い。「ケアホーム」は,障害者用の施設,「ケアハウス」は,認知症でない人の老人ホームの一つで,それぞれ全く別のものである。
言葉遣いのポイント
「グループホーム」は現状では,認知率(71.8%)に比較して理解率は低い(46.7%)。「グループ」も「ホーム」も理解しやすく,語形は分かりやすいので,意味や内容を説明する言葉を必ず添えるようにしたい。
患者はここが知りたい
- 入るためにはどのような条件が必要なのかを知りたいと思っている人が多い。認知症の人ならだれでも入れるというわけではなく,要介護1以上であることが必要な一方で,著しい精神症状や行動異常のある人は入れないことを伝えたい。
- どのぐらい費用がかかるか,補助金があるのかを知りたいと思う人も多い。費用のあらましや,保険の扱いなどについて説明したい。
ここに注意
- 「グループホーム」は認知症患者が共同生活をする「家」のことを指すのが一般的であるが,そうした家での「サービス」を指す場合もある。このサービスを指す介護保険法での正式名称は,「認知症対応型共同生活介護」である。
- 以上に記したような認知症患者のためのグループホームが多いが,精神障害者,知的障害者のためのグループホームもある。その場合は,上記の説明を参考に説明の仕方を工夫する必要がある。
- グループホームは,障害のある人が特別な施設ではなく,地域社会にある一般家庭に近い住居で生活できるようにしようという考え方に基づいて,ヨーロッパで生まれた。日本でも,知的障害者・精神障害者のものから始まり,近年は介護保険制度によって認知症の高齢者のものが一般的になってきた。