「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

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42.熱中症(ねっちゅうしょう)

(類型B-(2))もう一歩踏み込んで明確に説明する

[関連] 熱射病(ねっしゃびょう)(類型B) 日射病(にっしゃびょう)(類型B)

まずこれだけは

高温・高熱にさらされるために起こる,命にかかわることもある病気

少し詳しく

 「高温や高熱に長時間さらされたために,体温調整がうまくいかなくなって,急に高熱が出たり,意識不明におちいったりする病気です」

時間をかけてじっくりと

 「高温や高熱に長時間さらされたために,体温調整がうまくいかなくなって,急に高熱が出たり,意識不明におちいったりする病気です。『熱中』の『中』は,『的中』の『中』と同じで,『あたる』という意味。『熱中』とは,『熱に中(あた)る』ことです」

こんな誤解がある
  1. 暑い夏だけに起きる病気だという誤解が多い(34.7%)。また,室内にいるとかからないという誤解もある(11.2%)。夏に多いがほかの季節でも起きることや室内でも起きることを伝えたい。
  2. 体力がある人や若い人はかかりにくい病気だという誤解もある(12.7%)。体力や年齢にはかかわりなく起きる危険があることを伝えたい。
  3. この病気のうち,程度の厳しいものを指す「熱射病」が,「日射病」の言い換えであるという誤解もある。「熱中症」「熱射病」「日射病」のよく似た言葉の使い方にも気を付けたい。
ここに注意

 「日射病」「熱射病」との関係を理解していないことも,「熱中症」に対する誤解が多い原因になっている。「日射病」は,直射日光に当たって起きるもので,「熱中症」の原因による分類であり,「熱射病」は,「熱中症」の症状の重いもので,程度の違いによる分類であることを,必要に応じて説明したい。

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