27.敗血症(はいけつしょう)
まずこれだけは
血液に細菌が入って全身に回り,重い症状になった病気
少し詳しく
「血液に細菌が入って全身に回り,からだの抵抗力が負けて重い症状に陥った病気です。高熱や頭痛などを起こし,そのままにしておくと命にかかわります」
時間をかけてじっくりと
「からだの一部に細菌がはびこり,そこから血液中に絶え間なく菌による毒が流れ込みます。その毒が全身に回って,からだの抵抗力が負けて,肺や腎臓(じんぞう)などの大事な臓器がおかされる病気です。治療が遅れると命にかかわるので,抗菌剤などを使い,早めに治療します」
こんな誤解がある
- 赤血球や白血球が壊れて少なくなる病気だと誤解している人もいる(14.1%)。「敗血症」という字面から,勝手な解釈をした誤解の例だと考えられる。
- この言葉を聞き慣れない人は,耳で聞いただけでは,「肺結晶」「肺血症」「肺穴症」などと勝手に漢字を引き当ててしまうおそれがあるので,漢字を書いて説明したい。
言葉遣いのポイント
「敗血症(はいけつしょう)」という言葉は,認知率70.1%,理解率38.0%で,見聞きしたことのある人は少なくないが,意味を理解している人はかなり少なく,認知と理解に落差がある。説明を付けずにそのままで使うことは避け,患者の理解度を確かめながら,からだに起こっている状態を丁寧に説明することが大切である。
不安を和らげる
- この病気について古い知識を持っている人など,重い症状になると助かる見込みがないと誤解している人も多い(27.4%)。緊急性,危険性を強調するのは必要だが,過度な不安を引き起こさないようにも配慮したい。
- 血液中に細菌が入るだけでは「敗血症(はいけつしょう)」とは言えない。細菌による毒が全身に回ってからだに悪影響があることによって「敗血症」と診断される。病気を正しく理解してもらえる説明を加えることが,不安を抱かせないことにつながる。