2.エビデンス evidence
[関連] EBM(イービーエム)(類型A)
まずこれだけは
証拠
この治療法がよいといえる証拠
少し詳しく
「この治療法がよいといえる証拠です。薬や治療方法,検査方法など,医療の内容全般について,それがよいと判断できる証拠のことです」
時間をかけてじっくりと
「この治療法がよいといえる証拠です。医療の分野では,たくさんの患者に実際に使って試す調査研究をして,薬や治療方法がどれぐらい効き目があるかを確かめています。その調査研究によって,薬や治療方法,検査方法などがよいと判断できる証拠のことです」
言葉遣いのポイント
- 「エビデンス」の認知率は23.6%,理解率は8.5%であり,一般にはほとんど理解されない言葉であるので,患者に対しては使わないで説明する方がよい。
- 「エビデンスがある薬」と言いたい場合は「よく効くことが研究によって確かめられている薬」,「エビデンスに基づく治療」は「研究の結果,これがよいと証明されている治療」など,文脈に応じて日常的な表現で言い換えるのがよい。
ここに注意
「エビデンス」という言葉は使わない方がよいが,医学の進歩により,薬や治療法の選び方が以前とは変わってきていることは,患者には理解してもらった方がよい。例えば,次のような説明をして,最近の医療の考え方を分かってもらう努力をすることは,大事なことである。専門用語を使わなくても,大事な考え方を伝えることはできるはずである。
「最近では,治療法が高度になり,薬の種類も増えました。そこで,どういった場合にどのような治療法や薬が最も効果があるのか,実際にたくさんの患者さんを対象に調査研究を行っています。医師は個人的な経験や勘に頼らず,そうした幅広い調査研究に基づいて,診療をしているのです」
関連語
EBM(類型A) Evidence Based Medicine
- [説 明]
- 「病気にかかった人に実際に使って効果が確かめられている医療です」
- [注意点]
- 「EBM」という言葉は「エビデンス」以上に知られていないので(認知率8.7%,理解率2.7%),患者に対しては使わないようにしたい。しかしその考え方は重要なので,必要に応じて,上記の[ここに注意]に記したような表現で分かりやすく説明したい。