大規模災害と人間文化研究
総括班 概要
東日本大震災以来、機構の各機関では、それぞれの立場で復興支援活動を行ってきました。これらは大きな成果を上げましたが、一方で課題も見えてきました。最も大きな課題は、地域文化を総体として捉える視点、つまり、歴史学・文学・民俗学・言語学・アーカイブズ学・博物館学・情報学・環境学などの諸分野が結集した「人間文化」という視点から、地域復興を支援する必要があるということです。そこで機構では、平成24年度に連携研究「大規模災害と人間文化研究」をスタートさせました。
この研究は3つの班で構成されています
A 地域文化・環境と復興・再生の研究
災害により失われた人と人のつながりをどう再構築するかをテーマに、方言や祭りによる地域コミュニティの復興・再生に関する活動を行います。この班には2つのプロジェクトがあります。
- 三陸沿岸地域における環境・文化遺産に配慮した地域復興支援に関する研究 (研究代表者:窪田順平)
- 方言をとおした災害時の地域社会支援と方言の保護・活用に関する研究 (研究代表者:木部暢子)
B 大規模災害とミュージアムの連携、活用の研究
有形の文化遺産を災害からどう守るかをテーマに、被災した民俗資料の効果的な保存修復方法の開発やミュージアムの連携体制の構築をめざす活動を行います。この班には2つのプロジェクトがあります。
- 文化遺産の復興に向けたミュージアムの活用のための基礎的研究-大学共同利用機関の視点から (研究代表者:日高真吾)
- 大規模災害と広域博物館連携に関する研究 (研究代表者:小池淳一)
C 大規模災害と資料保存・活用の研究
文書資料・紙資料の保全・保存・活用をテーマに、被災した紙資料の復旧活動や文書資料を災害から守るシステムの具現化をめざす研究を行います。この班には2つのプロジェクトがあります。
- 大震災後における文書資料の保全と活用に関する研究 (研究代表者:西村慎太郎)
- 東日本大震災における被災紙資料の保存と活用に関するソリューション研究 (研究代表者:青木 睦)