環境・文化遺産研究・活動の内容
本研究では、大槌町を対象として、以下の4つの観点から研究活動を行います。
1.防災とまちづくり
被災時の住民の対応について、個別に調査を行います。そして、その情報を避難計画の策定などに役立ててもらうことを考えています。また、小・中学校の防災教育への援助を行います。現地での対話等を重視した研究集会にも力を入れます。
2.自然環境保全とその活用
大槌町特有の豊富な地下水や湧水、森、里、川、海の生物多様性の実態と震災後の変化、海底湧水の状況、水生生態系などの調査を行います。そして、それらを生かした産業振興の提案を模索します。
3.まちの記憶・歴史
被災で失われたまちの記憶をさまざまな形で保存し、記録します。たとえば、大型の立体模型にプロジェクターで写真等から作成したイメージを投影する展示システムを作成する予定です。それらを復興計画の中で生かす方法を提案するとともに、大槌町が計画中の、小・中学校における「ふるさと科」での教材提供を目指します。
4.有形・無形の文化遺産の保護
被災した寺社、文化遺産の状況調査、祭りの記録などの調査を行い、それを元にして、「ふるさと科」での活用や地域コミュニティの再生に協力します。また、地域の生態保護と地元住民によるガイドを中心に据えたエコツアーで地域振興を図る台湾の事例や、津波災害からの復興を行ったスマトラ等の視察を行い、その成果を復興に役立てます。