被災資料の保存と活用 研究・活動の成果

平成24年度は、以下のような活動を行いました。

・津波の海水の影響を明らかとする残留塩分及び残留物質の検査項目(食品衛生法18項目、法に基づく検査方法・飲料水)と塩化物イオンについての検査結果を公表しました。この結果においては、一般細菌・大腸菌群・有機物等・水銀・鉛・フッ素・塩化物イオン以外の飲料での有害物質が基準値以下であることが明らかとなりました。

・福岡県の研究教育文化行政に関わる方々に対し、被災地において、救助・復旧の方法・技術プログラムを実施しました。

・文書館保存管理に詳しい久喜市公文書館・神奈川県立公文書館において、被災自治体である釜石市職員と研究協議を行いました。

・国文学研究資料館、国立民族学博物館、国立歴史民俗博物館が連携して、機構連携展示「記憶をつなぐ-津波被害と文化遺産-」展を開催しました。この展示は、文化遺産の復興に目を向け、文化遺産の意義を改めて見直すとともに、文化遺産を通じて、地震・津波災害の記憶と経験をいかに未来に継承し、次代の社会を築き上げていくのかを考えることを目的としています。



平成24年度に実施した研究報告会及び展示


東日本大震災から2年、津波被害と文化遺産

日時 2013年3月8日
場所 国文学研究資料館 2階大会議室

連携研究報告会「東日本大震災から2年、津波被害と文化遺産」

連携展示「記憶をつなぐ-津波災害と文化遺産」

日時 2013年1月30日〜3月15日
場所 国文学研究資料館

2011年3月11日に発生した東日本大震災による甚大な被害は,我々の社会に大きな試練をもたらした。原発の被害はもとより,地震・津波の傷は深く,「大震災」は現在進行中の出来事である。この企画展では,文化遺産の復興の作業に目を向け,私たちにとっての文化遺産の意義を改めて見直すとともに,その文化遺産を通じて,この震災・津波の記憶をいかに未来に継承し,次代の社会を築き上げていくのかを考える契機となればと願っている。

連携展示「記憶をつなぐ-津波災害と文化遺産」