ミュージアムの活用
文化遺産の復興に向けたミュージアムの活用のための基礎的研究-大学共同利用機関の視点から
研究代表者
日髙真吾(国立民族学博物館)
研究の概要
本研究は、大規模災害において壊滅的な被害を受けた文化遺産をどのように復興させ、活用していくのかを調査・研究するものです。そして、そのような活動に研究機関である大学共同利用機関がどのような役割を果たせるのかを明らかにしていくことを目的としています。
2011年の東日本大震災では、特に三陸沿岸部の文化遺産が壊滅的な被害を受けました。この震災に対して、人間文化研究機構は、いち早く「東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会」への協力を表明し、積極的に被災文化財の救援事業に参加しました。これらの緊急時の活動は現在、一応の落ち着きを見せ、2012年度からは、救出対象となった文化遺産を本当の意味で復興させるための活動を本格化させる準備が進められています。そこで本研究では、今、まさに具体的な活動を進めつつある宮城県、岩手県の活動をモニタリング、あるいは共同調査を通した連携活動を実践しつつ、文化遺産の復興をテーマとした文化活動に対して、われわれ大学共同利用機関がどのように連携できるのかを意識しながら研究活動を進めていきます。