被災資料の保存と活用

東日本大震災における被災紙資料の保存と活用に関するソリューション研究

研究代表者

青木睦(国文学研究資料館)

研究の概要

東日本大震災は、被災地の広範さ、被害の甚大さ、地震・大津波、原子力発電所事故など、まさに激甚災害です。それは、かつて日本人が経験したことのない被災・事故であり、東日本に連綿と継承されてきた歴史文化をも大きく破壊しました。

本研究においては、人間文化研究機構内国文研チーム「文書資料・典籍等」班(代表青木睦)として、大津波被害の歴史文化情報資源のレスキュー活動において顕在化した課題・問題点の解決や被災資料活用を実現するためのシステムについて提案します。これまでの被災資料の保存科学的実態調査と分析を基に、今後の活用において必要となるあらゆる要素(ハードウェア、ソフトウェア、サポートなど)を組み合わせて提供するためのソリューションの研究を行います。研究課題を次の5点に絞り込んで取り組んでいきたいと思います。

  • 1.津波被災紙資料の劣化症例研究
  • 2.水被災紙資料の救助・復旧の方法・技術プログラムの開発研究
  • 3.被災自治体文書の長期保存に向けた保存措置・洗浄・修復のシステム研究
  • 4.記録保存の観点での震災の記憶の継承に関する研究
  • 5.大災害時の機構内各機関における緊急対応連携と相互救援システムに関する研究