Research on the Literacy of Immigrants in Japan

定住外国人のよみかき研究

定住外国人のよみかき研究 エピソード集(試験公開版)
公開日:2026年3月27日

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  • 3月27日:エピソード集(試験公開)を公開しました。

定住外国人のよみかき研究 エピソード集(試験公開版)について

国立国語研究所共同研究プロジェクト「定住外国人のよみかき研究(略称:生活者識字)」(2022–2027年度)では、よみかき学習・教育に関する課題を明らかにし、外国人支援のさらなる充実に寄与することを目的として、生活者として日本に暮らす定住外国人の日常生活における読み書きの実態を調査しています。本研究の特徴は、読み書きを単なる技能ではなく、文字を読み書きする「社会的実践」として捉えなおし、調査を通してその実態の一端を明らかにしようとする点にあります。

『定住外国人のよみかき研究 エピソード集(試験公開版)』は、本研究で収集したインタビューデータの一部を公開用に整備し、「エピソード」として紹介するものです。試験公開版では、今後もエピソードを順次追加し、将来的には学術情報リポジトリでの公開を予定しています。

研究概要

背景・目的


日本には、留学生とは違い、学校などで本格的に日本語を学ぶ機会が少ないまま生活している外国人の方が多く暮らしています。それにもかかわらず、行政手続きや仕事、子どもの学校関係、地域の情報など、日常生活のさまざまな場面で日本語の読み書きが求められています。

しかし、こうした「生活者としての外国人」が日常の中でどのように読み書きを行っているのかについては、これまで十分に研究が進んでおらず、支援の取り組みも海外に比べて遅れていると指摘されています。

国立国語研究所の共同研究プロジェクト「定住外国人のよみかき研究(略称:生活者識字)」(2022〜2027年度)では、長く日本で暮らす定住外国人の方々を対象に、日常生活の中でどのように日本語の読み書きをしているのか、その実態を調査し明らかにすることに取り組んでいます。

本研究では、新識字研究 (New Literacy Studies)* を理論的な基盤とし、読み書きを「生活の中で行われる社会的実践」として捉えています。そして、調査で得られた知見をもとに、読み書きの学習・教育をめぐる課題を明らかにし、よりよい外国人支援につなげていくことを目指しています。

* 新識字研究(New Literacy Studies):従来の学校での文字習得を中心とする識字観を超えて、日常生活のさまざまな場面での読み書き実践に着目して識字を解明しようとする研究。主として、インタビューや参与観察といった質的な調査方法を用いる。数量的、教育学的な識字研究に代わって、1980年代以降、アメリカやイギリスなど英語圏を中心に展開されてきた。(角知行)

エピソード集を作成・公開する理由


本サイトで公開する「エピソード集」は、調査で得られた「生活者としての外国人」の日常生活におけるよみかき実践の実態の一端を紹介し、「生活者としての外国人」にかかわる支援や取り組みの課題に対する研究資源、あるいは基礎資料として活用されることを目的としています。

外国人支援・日本語教育の充実を図るために、各自治体や支援団体、生活者としての外国人支援に直接関わるボランティアや日本語教師の方々など、研究者をはじめ、様々な実践現場で広く日本語教育に関わる方々に、様々な形で活用されることも期待しています。たとえば、生活者向け日本語教材の開発や、ボランティアによる支援に関する研究資料としての活用が可能です。

本エピソード集が学術的にも社会的にも多様な場面で、幅広い方々に活用されることを願います。

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