以下の通り、研究会を開催します。御参加希望の方は、下記のグーグルフォームにてお申し込みください。
4/25(日)
14:30〜15:20 陳奕廷(東京農工大学)「動詞の関連事象に基づく言語分析―「飲む」とdrinkから見る日本語と英語の結果構文―」
15:25〜16:15 有薗智美(名古屋学院大学)「フレーム意味論に基づく身体部位詞の分析-動詞慣用句を中心に―」
16:20〜17:10 中嶌浩貴(島根大学) 「-er名詞のフレーム意味論的アプローチ」
要旨は以下の通りです。
陳奕廷(東京農工大学)「動詞の関連事象に基づく言語分析―「飲む」とdrinkから見る日本語と英語の結果構文―」
認知意味論において、語の意味を理解するには背景の事物に関する一般的な知識である「百科事典的知識」が必要だと考えられている。しかし、具体的にどのような情報が含まれているのかは不明で、ブラックボックスのように用いられている。本研究では、動詞の意味にはその原因や結果、手段、目的、様態などの「関連事象」の情報が含まれていると主張し、高解像度の関連事象に基づくアプローチを開発する。その実践的な研究例として、「飲む」とdrinkを中心に、日本語と英語の結果構文を取り上げて比較する。「国語研日本語ウェブコーパス」とiWebという超大規模なウェブコーパスを用いることで、飲むという事象が具体的にどのような結果の情報を含んでいるのかを明らかにし、「飲む」とdrinkの結果構文がそれぞれ対応する結果の範囲を示す。さらに、その違いを構文的な制約から捉え、その動機づけを説明する。
有薗智美(名古屋学院大学)
「フレーム意味論に基づく身体部位詞の分析-動詞慣用句を中心に―」
要旨:有薗(2013, 2018)は、Kövecses and Radden (1998)によるAction ICMに基づくメトニミーを参考に、身体部位詞の意味拡張には「行為のフレーム」に基づくメトニミーが関与することを主張している。本研究では、「身体部位詞+助詞+動詞」で構成される慣用的連結句を主な対象として、身体部位詞とともに用いられる動詞を中心に、副詞等の付加詞要素を含めた身体部位詞の生起環境を詳細に観察することによって、「行為のフレーム」について改めて検討する。そのうえで、身体部位詞の使用と理解には「行為の道具としての身体部位フレーム」を設定する必要があることを主張する。
中嶌浩貴(島根大学)
「-er名詞のフレーム意味論的アプローチ」
本発表では、英語のer名詞(e.g. player)について、フレーム意味論の観点から考察する。er名詞は典型的に動作主を表すとされており、統語や意味的なアプローチから様々な研究がなされてきた。このer名詞について近年注目されている点のひとつに、動作主以外を表す用法があり(e.g. broiler<(焼き肉用などの)若鳥>、sleeper<寝台車>)、特に認知言語学で活発な議論がなされてきた。本発表では、Ryder (1991, 1999)やPanther and Thornburg (2002)などの先駆けとなる研究を踏まえつつ、フレーム意味論の観点からこの動作主以外を表すer名詞についてフレーム意味論からの分析を提示する。
参加希望者は、以下のフォームにご記入ください。Zoomアドレスをお送りします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdfaVMp0rnY8KbINYEqax9AaUkqQe7roEZ50tN6Nb4RQPBNNQ/viewform
松本