日本語学習者の自然な辞書使用実態を明らかにするために、私たちは世界の日本語学習者がICT端末を用いた語彙検索行動を収集しました。
調査に協力いただいたのは、海外9大学(中国、韓国、イギリス、台湾、ベトナム、ドイツ)国内1大学の計10大学で日本語を学ぶ学習者110名です。調査は、2022年1月から12ヶ月にかけて実施しました。
具体的な調査手順は以下の通りです。
- 【フェイスシートの記入】調査協力者の背景情報、とくに日本語学習歴、辞書の使用状況、日本語の使用状況にかんする情報を調査。
- 【日本語テストの受験】石黒研究室で作成した「かんたん日本語テスト」と筑波大学開発のSPOT90の2つの簡便な日本語テストにより、調査協力者の日本語レベルを測定。
- 【語彙検索行動の記録】授業のある平日と授業のない週末の行動を記録するため、調査期間中の連続する7日間で、ICT端末を用いて言葉を検索した場合、検索行動の画面を動画として録画するように依頼。また、ICT端末を使用したか否かに関わらず、語彙検索行動をおこなったさい、エクセルの「語彙検索行動情報シート」に検索行動を記録するように調査協力者に依頼し、記録。
このように調査を実施し、およそ3,500件に及ぶ語彙検索行動のデータを収集することができました