I-JAS を利用される皆さまへ
I-JAS中納言の利用には、 ①『中納言』のユーザー登録と② I-JASの利用申請の2点が必要です。
中納言のアカウントをお持ちでない方
「中納言」の新規ユーザー登録申請画面からユーザー登録を行い、I-JAS の利用申請を行ってください。
中納言のアカウントをお持ちの方
「中納言」のログイン画面からログインしてください。I-JASの利用申請がお済みでない方は、コーパス選択画面よりI-JAS の利用申請を行ってください。
I-JAS とは?
I-JAS は、「多言語母語の日本語学習者横断コーパス(International Corpus of Japanese as a Second Language)の略で、12 言語の異なる母語を持つ海外の日本語学習者、および国内の教室環境・自然環境の日本語学習者の発話データと作文データを横断的に収集し、収録したコーパスです。
I-JAS には、主に以下のような 10 の特徴があります。
- 多言語の大規模な学習者コーパスである
- 学習環境が異なる学習者のデータを保有する
- 調査課題のバリエーションが豊富である(7 種類 12 タスク)
- 国内外の学習者の発話データと作文データを保持している
- 文字化のテキストデータだけなく、音声データも公開している
- 形態論情報が付与されている
- 学習者の詳細な背景情報を収集している
- 日本語能力の客観的なテストを行っている(2 種類:J-CAT・SPOT)
- 日本語母語話者の比較データがある
- データはすべてオンラインによって無償で一般公開している
I-JASは、2016年5月から毎年約200名ずつのデータを5年かけて段階的に公開し、2020年3月に、日本語学習者 1,000 名分と日本語母語話者 50 名分、計1050名分すべてのデータが公開となり完成した。
●データの概要 (詳細は『I-JAS入門』参照)
(1)インフォーマントの概要
〈海外〉
- 教室環境学習者
- JFL 環境において日本語を初級から体系的に学んでいる学習者
- 母語
- 中国語・英語・韓国語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・タイ語・ハンガリー語・スペイン語・ベトナム語・トルコ語・インドネシア語
〈国内〉
- 教室環境学習者
- 初級の段階で来日し、日本で1年以上を過ごし、日本の教育機関において日本語を体系的に学んでいる学習者
- 自然環境学習者
- 日本で生活をしながら、日本語を習得している学習者
- 日本語母語話者
- 日本語教育に携わったことがない日本語母語話者
※学習者の内訳は、海外の教室環境学習者 850 名 (中国語200名、英語100名、韓国語100名、その他の言語各50名)、国内の教室環境学習者 100 名、自然環境学習者 50 名、日本語母語話者 50 名である。
(2)課題のバリエーション
〈発話データ〉
- ストーリーテリング(2 タスク)
- 対話(30 分程度)
- ロールプレイ(2 タスク)
- 絵描写
※「絵描写」は、途中から新たに加えたタスクのため、中国語話者(CCM、CCS)、ロシア語話者、ドイツ語話者、トルコ語話者、タイ語話者、ドイツ語話者、英語話者(EAU、ENZ)の一部のデータには含まれていない。
〈作文データ〉
- ストーリーライティング(2 タスク)
- メール作文(3 タスク)…任意
- エッセイ作文…任意
(3)公開データの種類
- 発話データ
- 音声データ、プレインテキスト、検索システムでの使用可
- 作文データ(ストーリーライティング)
- 作文データ(PDF 版)、作文プレインテキスト、検索システムでの使用可
- 作文データ(メール作文・エッセイ作文)
- 作文データ(PDF 版)、作文プレインテキスト、検索システムでの使用不可
※メール作文・エッセイ作文はタグ付けがなされていないため、I-JAS 中納言での検索はできません。
(4)I-JAS 中納言(検索システム)
I-JAS には、検索システムが付属されています。
検索システムでは、短単位検索(形態論情報を使用した検索)と文字列検索が可能です。
データや課題・調査資料などを利用・公表する場合
I-JAS のデータおよび課題などの調査資料(「絵描写」のタスクを除く※)を利用して調査・研究を行い、研究成果を公表する場合は、著作中に「『多言語母語の日本語学習者横断コーパス:I-JAS』を利用した旨を記述し、以下の文献を明記してください。
【日本語 引用文言】
- 迫田久美子(2020)「I-JAS誕生の経緯」迫田久美子・石川慎一郎・李在鎬(編著)『日本語学習者コーパスI-JAS入門:研究・教育にどう使うか』(pp.2-13) くろしお出版
【英語 引用文言】
- K. Sakoda (2020). I-JAS tanjo no keii. [The background of compilation of I-JAS]. In K. Sakoda, S. Ishikawa, & J. Lee (Eds.), Nihongo gakushusha kopasu I-JAS nyumon: Kenkyu kyoiku ni do tsukauka [Introduction to the I-JAS: Application for research and teaching](pp. 2-13).Kurosio Publishers
※尚、「絵描写」のタスクは、許夏珮(1997)「中・上級台湾人日本語学習者による『テイル』の習得に関する横断研究」『日本語教育』95:37-48.の課題を本人の承諾を得て使用しています。
プロジェクト名
国立国語研究所(共同研究プロジェクト)
平成 22~27 年度
多文化共生社会における日本語教育研究
平成 28~令和 3 年度
日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明
科学研究費
平成 24~27 年度 科学研究費助成事業(基盤研究 A)
海外連携による日本語学習者コーパスの構築-研究と構築の有機的な繋がりに基づいて-
代表者:迫田久美子 課題番号:24251010
平成 28~令和 1 年度 科学研究費助成事業(基盤研究 A)
海外連携による日本語学習者コーパスの構築および言語習得と教育への応用研究
代表者:迫田久美子 課題番号:16H01934
令和 1~4 年度 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化B)
日本語学習者コーパスによる教育と研究のグローバルネットワークの構築
代表者:迫田久美子 課題番号:19KK0055
lsaj
[at]
ninjal.ac.jp
([at]
を @
に変えてください。)