●1.学習者の母語属性と調査ID
本調査は日本語学習者および日本語母語話者を対象に調査を行った。海外では、JFL環境の日本語学習者、国内では、JFL環境およびJSL環境の学習者を対象とした。また、比較対象として、日本人母語話者も調査対象とした。
学習者の母語の言語類型および調査IDは以下のとおりである。
表1 海外調査における調査対象者の母語、言語類型、調査ID
母語 | 言語類型 | 調査ID | |
1 | インドネシア語 | オーストロネシア語族 | IID |
2 | スペイン語 | 印欧語族-イタリック語派 | SES |
3 | タイ語 | カム・タイ語族 | TTH |
4 | トルコ語 | アルタイ語族 | TTR |
5 | ドイツ語 | 印欧語族-ゲルマン語派 | GAT
GDE |
6 | ハンガリー語 | ウラル語族 | HHG |
7 | フランス語 | 印欧語族-イタリック語派 | FFR |
8 | ベトナム語 | モン・クメール語族 | VVN |
9 | ロシア語 | 印欧語族-スラブ語派 | RRS |
10 | 英語 | 印欧語族-ゲルマン語派 | EAU
EGB ENZ EUS |
11 | 韓国語 | 不明 | KKD
KKR |
12 | 中国語 | シナ・チベット語族 | CCH
CCM CCS CCT |
表2 国内の学習者の学習環境と調査ID
調査地 | 調査ID | |
1 | 教室環境学習者 | JJC
JJE |
2 | 自然環境学習者 | JJN |
※教室環境学習者の2つのIDは調査時期の違いによるものであり、特に区別はない。
表3 国内の日本語母語話者の調査ID
調査地 | 調査ID | |
1 |
日本語母語話者 | JJJ |
●2.調査内容
本調査で行ったタスクや収集したデータの種類は以下の通り、FSと7種類12タスク、PC調査2種であった。
表4 収集データとタスク記号
タスクの種類 | タスク記号 | データの種類 | ||
事前調査 | FS(フェイスシート) | - | - | |
【任意】 作文調査 |
①メール文(3タスク) | m1、m2、m3 | 作文データ | |
②エッセイ(1タスク) | e | |||
対面調査 | ストーリーテリング(2タスク) | ST1、ST2 | 発話データ | |
対話 | I | |||
ロールプレイ(2タスク) | RP1、RP2 | |||
絵描写 | D | |||
ストーリーライティング(2タスク) | SW1、SW2 | 作文データ | ||
PC調査 | SPOT(TTBJ) | ― | 日本語能力レベル判定 | |
J-CAT | ― |
各調査の内容は以下のとおりである。
・FS:学習者の言語使用に関する背景情報を収集する
・ストーリーテリング:提示された4コマと5コマのイラストのストーリーを話す
・対話:学習者と調査実施者が自然な会話を30分程度行う
・ロールプレイ:設定された場面に応じて,与えられた役を演じて会話するタスク
・絵描写:イラストについて説明する
・ストーリーライティング:ストーリーテリングと同一の2種類のタスクをPCで入力する
・作文-エッセイ:与えられたテーマに沿って600字程度で書く
・作文-メール:送られてきたメールに対して返信をする
・SPOT/J-CAT:日本語能力を判定するテスト