●開催案内
I-JAS(International Corpus of Japanese as a Second Language:多言語母語の日本語学習者横断コーパス)は、国立国語研究所の共同研究プロジェクト「日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明」と科学研究費(基盤A)「海外連携による日本語学習者コーパスの構築および言語習得と教育への応用研究」の2つの調査研究によって構築、提供されています。現在、450名分のデータを公開しており、残り600名分のデータの公開に向けて準備を進めています。
I-JASプロジェクトでは、日本語の研究や教育の充実、発展に向けて、2016年に続き、二部構成による第3回学習者コーパス・ワークショップを開催いたします。第一部では、学習者コーパスに関連した2つの講演とポスター発表を行います。第二部では、I-JASの概要を紹介するとともに、その適切な活用方法に関するワークショップを開きます。I-JASを研究や教育に生かしていくには、そのデータをどのように扱ったらいいのか、その際に注意すべき点はどのようなことなのか、皆さんとともに考えたいと思います。
第三回学習者コーパス・ワークショップ
-学習者コーパスから第二言語習得を考える―
日時:2017年12月3日(日)10:00~17:00(第一部は14:30まで)
会場:国立国語研究所
<プログラム>
【第一部】 講演・ポスター発表
10:00~10:10 第一部 開会
10:10~11:10 講演1
「学習者コーパスによる第二言語習得理論~Processability Theory~の検証」山口有実子氏(東海大学)
11:10~12:00 ポスター発表(7件)
・学習者言語に見られる動詞の並列表現「たり」「とか」-I-JASの第一次公開データを使って- 小山宣子(弘前大学)
・日本語学習者のレベルごとにみた感動詞の使用の変化 小西円(東京学芸大学)
・日本語学習者のエッセイに見られる評価群別の言語特徴-I-JASにおけるヨーロッパ学習者のデータを対象に- 佐々木藍子(国立国語研究所)・阿部新(東京外国語大学)
・日本語学習者の否定的応答表現-真偽疑問文に対する否定的応答に注目して- 野口芙美(お茶の水女子大学大学院生)
・日本語習得における言語環境とレベルの違いの影響-「依頼」のロールプレイの言語使用に基づいて- 細井陽子・迫田久美子(国立国語研究所)
・ストーリーテリングにおける談話展開 三谷絵里(筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター)・杉本美穂(早稲田大学日本語教育研究センター)・林亜友美(早稲田大学大学院生)
・日本語学習者コーパスI-JASにおけるアスペクト仮説の検証-学習環境の影響を中心に- 姚一佳(上智大学大学院生)
12:00~13:00 お昼休憩
13:00~14:20 講演2
「語用論的転移に関する諸問題」 清水崇文氏(上智大学)
14:20~14:30 第一部 閉会
【第二部】 ワークショップ(申し込み制:定員に達したため締め切りました)
15:00~17:00 ワークショップ ※各自持参したPCを使って作業
・初心者コース(定員30名) 担当:細井陽子・須賀和香子
・既習者コース(定員15名) 担当:佐々木藍子
【対象者】
初心者コース 初心者コース申込み
・I-JASというコーパスについてよく知らない方
・I-JAS中納言(検索システム)の基本的な使い方を学びたい方
既習者コース 既習者コース申込み
・I-JASのデータ概要についてある程度ご存知の方
・すでに中納言(BCCWJなど)を使用したことがあり、I-JAS中納言の使い方についてより深く学びたい