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第6回研究発表会(5月18日)

開催日時

平成25年5月18日 (土) 14:00~16:00

開催場所

会津大学産学イノベーションセンター (福島県会津若松市一箕町鶴賀)

発表テーマ・発表者氏名と概要

「連濁プロジェクトの中間報告」
ティモシー・J・バンス (Timothy J. VANCE) (国立国語研究所 NINJAL)


連濁とは日本語で最も知られている形態音素的現象で,1つの例証として‘鳥’という意味の語が挙げられる。「鳥」 (tori) や「鳥籠」 (tori+kago) では清音の子音「t」で始まる「トリ」が,「蜂鳥」 (hachi-dori) では濁音の子音「d」で始まり,「ドリ」という形で現れる。長年の連濁研究の結果,制限は色々見出されているが,全て傾向に過ぎず,包括的な規則がないということが明らかになっている。連濁プロジェクトの最終目的は連濁に関連する,あらゆる課題を可能な限り取り上げる“事典”を編纂することである。本発表では今までの研究成果,およびこれからの計画について報告した。

「How Rendaku Was Made "Harder"in Ha-gyoo 」
北川 善久 KITAGAWA Yoshihisa (インディアナ大学)


A well-known mystery in the phonology of Japanese is that Rendaku unexpectedly derives [b] when it applies to [h] and its morphophonemic variants [ç] and [ɸ. A widely accepted solution to this puzzle is that these ha-gyoo sounds are all derived from underlying /p/, and Rendaku applies to /p/ and de¬rives /b/ (McCawley 1968). In this work, I explored an alternative approach to maintain the integ¬rity of Rendaku as a straightforward voicing rule, examining various diachronic changes in phonology as well as the orthography of the Japanese language.