「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

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5年生存率-臨床試験

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5年生存率

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
手術が終わって家族を呼び、術中所見からの病期を話して5年生存率の話をしたとき、5年生存率70%は5年後に生きている可能性が70%という意味にとらえられがちである。 同じ進行度合いの人が100人いたとして、5年後に生きているのが70人という意味ですよ、と話すがきっとそんなことはすぐ忘れて、親戚などに話すときには5年後に生きている可能性は70%だという内容に変わると思われる。なので田舎の病院ということもあり、聞かれない限りは言わないようにしている。

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MRI

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
{CTとMRIは}よく混同される。またCTよりMRIの方が詳しい検査という認識の人が多い。 それぞれに特性があって、病状に適した検査を行うと説明するようにしている。
健康診断で腹部に異常があったので、MRIをとって欲しい、PETで調べて欲しいと来院される人がきたことがある。 テレビなどの影響か、MRIやPETが全ての病気を判断できると思っているひとは多い。腹部の異常の場合、はじめに内視鏡やCTが有用である場合が多く、必ずしもMRIやPETが必要とは限らない。値段の高い検査や新しい検査法は注目されがちだが、適応があるので、マスコミなどで報道する場合には十分に気をつけて報道してもらいたい。
MRIという頭文字を使った言葉なので意味を理解せず納得した。 CTをイメージさせ説明する。

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PET

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
健康診断で腹部に異常があったので、MRIをとって欲しい、PETで調べて欲しいと来院される人がきたことがある。 テレビなどの影響か、MRIやPETが全ての病気を判断できると思っているひとは多い。腹部の異常の場合、はじめに内視鏡やCTが有用である場合が多く、必ずしもMRIやPETが必要とは限らない。値段の高い検査や新しい検査法は注目されがちだが、適応があるので、マスコミなどで報道する場合には十分に気をつけて報道してもらいたい。
PETの必要性、有用性などをひととおり説明したあと、がんのあるなしが100%わかるものと理解されてしまったように感じた。 感度、特異度がそこまですぐれたのもではないことを説明しているが、なかなか都合の悪いところは理解されにくい。

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アレルギー

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
気管支喘息の患者のアレルゲンの検査をしたときに、検査結果では調べた抗原の中に陽性項目がなかったので、家族はアレルギーはないんですねといった。 小児の気管支喘息はほとんどがアレルギーが関与している。血液検査で判明する抗原は限りがあり、調べた検査がすべて陰性であったとしてもアレルギーがないとはいえないことを検査の前に説明しておく必要がある。
ミルクアレルギーの可能性を説明した際に、ミルク嫌いと理解されてしまった。 アレルギーは嫌いという意味合いの日常的な言葉としても使用されているため、注意が必要であることを認識した。
  一般常識と異なるので詳しく説明しないと理解が難しいようだ。

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インフルエンザ菌

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
原因はインフルエンザ菌です。「インフルエンザですか?」 菌の命名の由来をはなす。
上咽頭培養の結果、インフルエンザ菌が検出されたとき、その旨を伝えると、今は流行していないと言われた。 菌とウイルスの違いが、一般の方には困難なようだ。必ず、インフルエンザ菌は、かぜのウイルスではなく、細菌であることを説明する必要がある。
  インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌の違いについてその都度説明する。

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ガイドライン

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
子宮頸癌の治療について説明した際、ガイドラインに従って治療を行うことを説明した際、ガイドラインの意味が理解出来ていない様子であった。 ガイドラインの意味を説明したうえで、本題の説明に入る。
ガイドラインにしたがっているということが、一般的であるとわかってもらえなかった。 全国的に統一された治療法と説明している。
  エビデンス、ガイドラインは、治療法を選択する上で重要な判断基準になっているが、その重要性が理解できていない。薬を新規に出す口実であったり、偉い人が決めた程度に認識している場合多く、科学的な背景などは感覚的に理解できないようである。

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てんかん

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
遺伝すると認識。 遺伝がすべてではないこと、外傷によるものもあることを伝えた。
「てんかんは一生治らないのですか?」と質問され、「まずは継続内服が必要で、内服が終了できることも多い」と答えた。 「てんかん」=不治の病ではないこと。=知的障害ではないこと。を誤解のないよう説明している。

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ノロウイルス

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
ノロウィルス感染で、嘔吐や下痢を止めて欲しいという患者が多いこと。 嘔吐や下痢は生体が有害物を体外に排除しようとする重要な防御反応なので、近視眼的に対症療法を強力に行なうことは禁忌であることを説明した。
嘔吐・下痢で、ノロウイルスを調べてくださいと言われる。 検査は現在、保険でできないことを説明している。

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ヘルニア

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
鼠径ヘルニアの手術説明でヘルニアのイメージがつかめず説明に苦慮した。 脱腸というとわかりやすいようですが、絵を描きながら説明しています。
こちらは腹膜瘢こんヘルニアのつもりで使っていたが、患者は椎間板ヘルニアをイメージしていた。 単にヘルニアといわず、腹膜瘢こんヘルニア、そけいヘルニア、椎間板ヘルニア、内ヘルニアと正確に伝え、その都度説明するようにしている。
ソケイ部ヘルニアの説明の際、椎間板ヘルニアと誤解され、話が食い違ったことがあった。 椎間板ヘルニアをあえて持ち出してヘルニア=脱するの意を事前に説明するようにしている。

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ポリープ

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
すべて良性と勘違いしている。 悪性のポリープもあることを重ねて説明。
ポリープはいいものなのですか?と聞かれた。 いいものも悪いものも含めてポリープとよびます、取ったポリープを詳しくしらべ、いいものなのか悪いものなのかを確認いたします。
ポリープがあると言うと癌かと短絡的に結び付けてしまう。 良性のもの、放置しておいていいものがある等説明する。

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悪くなる

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
ウイルス感染症について説明している際に、症状が悪くなることがあります、といったところ、悪性の病気なのですかと聞き返された。 症状が悪くなるという表現ではなく、症状が強くなる、あるいはひどくなる、と説明する。
後輩が診察中に「悪くなったら又来てください」といったら、親御さんが「悪くなるって分ってるんやったら今のうちに治せ」と怒鳴りだした。 後輩には「悪くなるという言葉は使わず、~のような症状になったら来て下さい」など具体的な症状を提示するように指導した。
  いつ具合が悪くなってもおかしくない。そのあと、「5分後には・・・とか、1時間後はどうなっているか分からない」といった時間を付け加えるようにしている。

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医療ミス

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
現代、医療ミスについてマスコミが取り上げ、医療不信をあおっており非常にやりにくい。患者がはじめから懐疑的である。 はじめから敵対心をもっていると、打ち解けるのに時間がかかる。世の中の風潮を変えることが必要。
  家族から上記の言葉を言われたときにはドキッとする。
  合併症と医療ミスの区別は難しく、いろいろな言葉をつかっても十分理解していただくことが困難な場合がある。こちらにも十分わかっていない部分もある。

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炎症反応

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  「肺炎」「腎盂腎炎」など、感染症の重症度を示す指標として「炎症反応」と言うものがありますが、それが----。

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解熱剤

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
解熱剤はいりますか?ときくと座薬ですかと聞き返される。さらに、ダイアップ座薬も処方が必要な患者であり、どちらも座薬になることを説明したら、患者さんが混乱してなかなか理解してもらえなかった。 ねつざましのざやく、とせつめいしている。
「げねつざい」ってなんですか?と聞かれる。 「熱冷ましのことです」と教える。

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郭清

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
手術前の説明の際に"郭清"という言葉を用いたところ、理解されていないと思ったため、図に示し、周囲の転移をしているかも知れないリンパ節を一緒にとってきますと言い換えた。 それ以来、文章には郭清と書き、説明の際には上記にある説明をするように心がけている。
  転移しているかもしれないリンパ節のおそうじと説明している。
  郭清も伝わりづらいため、周りの癌細胞が波及するリンパ節を一緒にとってきますと伝えている。

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細菌

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
感染性腸炎の患者に説明する際に細菌なども原因として考えられると説明したところ理解できずばい菌と説明して理解してもらった。 医学用語でわかりにくい言葉は、日常生活で使われるわかりやすい言葉で説明する。
  感染症の説明でウイルスか細菌かの説明は困難なことが多い。具体的に扁桃腺に膿がついているのでばい菌がついているとか、かぜはウイルスが原因でおこるがあなたはかぜなのでウイルスが原因というように説明し、ウイルスには抗生剤は効かないので要らないというように説明している。
  抗生剤を投与する場合、ウイルスと細菌の違いを説明しないと駄目だが、混合している患者が多く、説明が難しい。

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治癒

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  患者・家族は病気が治るいうことは100%心配がない状態になることと期待しがちだが、そうではないということを伝えるのに苦労することがある。「今はひとまず落ち着いたようです」「引き続き慎重に様子を見ていきましょう」「また悪くなることもあるので注意しましょう」と丁寧に伝えるようにしている。
  本当の意味での治癒は難しい。

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治療

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  どこまで治療しますか、と率直に尋ねると、突き放されたといったような表情をすることがある。特に、状態が悪くなってから病院に来るようになった家族に多い。治療を受けることもきついのだということ、今の時間が大事であることなどを数回にわたって説明してから、延命をするか、高額医療を続けるか(こちらのほうが難しい)を聞くようにしている。

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疾患

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
病気を説明するのに疾患と使い聞き返された。 病気と言い換えている。
  なるべく「病気」、「心臓の音の異常」、「血球が減る」など別の表現を使うようにしている。

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腫瘍マーカー

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  具体的例をあげて説明する。ただし紹介病院では患者の希望(専門医でない場合が結構多い)との差がある。
  数字が癌の進行度を表すものでないということを説明するようにしているが、伝わり難い。

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術後合併症

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  「術後合併症」は手術の失敗でなく、手術を行うことで起こりうる病気であり、予想しうることである。大切なことは合併症が起こったら、直ちに対策を立てて治療することであり、その病態をきちんと説明することであると話している。
  術後合併症に関しては、ある一定の確率で起こる必然性について、当院における過去のデータを数値化することで、あるいは予測式を用いることによって極力術前に理解していただくよう努力している。また術後においても採血などのデータをコピーして渡すのは言うに及ばず、記載したカルテまでもコピーしてその日その日ごとに毎日、患者に渡すことはかなり信頼関係を確立する上で強力な武器になるためおすすめである。

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心肺蘇生

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
心肺蘇生の効果について説明が難しく、過度の期待感を持たせた。 効果の不十分性、個人差、限界を説明している。
詳しい説明を求められた。家族間での理解が異なった。 一般的な例えを使って説明したり、絵を描いたり、写真を用いて説明した。理由は少しでも理解を深めてもらうため。
  テレビで見たことがあるかもしれませんが電気ショックや心臓マッサージ、と説明。

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新生児仮死

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  家族の受け止め方に大きな差が出る問題で、反応を見ながら、楽観させずかつ希望を失わないように説明している。
  「新生児仮死」は呼吸や心臓が出たばかりでは未熟な為、「仮死状態」になることがありますよ、と話している。

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腎不全

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  腎不全と言っても患者さんや親御さんにはわからないので、「腎臓が悪くなって透析(人工腎臓)が必要な状態」と言うようにしている。
  腎不全という言葉は、患者によってはきつく伝わることがあります。ショックを与えない程度に、かつ、病気の重症度を適切に伝えるべく、「20歳の頃を100%の腎機能とすると、現在は、その頃と比較して50%程度に低下しています」と伝えています。

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生存率

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
OP前の説明時に使ったが、その後の患者家族の様子で、理解してもらえてないことがわかった。 具体例も交えながら説明をするようにしている。
  できるだけ使わないようにしている。もっと平易な言葉を使用するよう努力している。

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耐性

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
悪性腫瘍に対する抗がん剤を投与しても病状が進行しているケース。多剤耐性となっているが、有効な治療法がまだあるはずと考える家族には受け入れられない言葉だったのかもしれない。 第三者も含めてゆっくりと話をする。
この菌は抗生剤に耐性があるものなので、普通の抗生剤が効きにくいのです、と言ったら、「抗生剤が効かないのならうちの子は死んでしまうのですか?」と聞き返された。確かにMRSA問題で入院中のお年寄りが亡くなっていた時期ではあったが。 耐性という言葉は使わないようにし、「抗生剤を十分に適切に使わないと消えにくい菌です」というように話すようにした。「効きにくい」というのは患者にとってみれば嫌な言葉ですね。

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胎児仮死

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  産婦人科医の中で"胎児仮死"というのは、モニター上、胎児心拍が一時的に低下することを含めており必ずしも重篤な心配はないことが多いが、患者さんや家族には"赤ちゃんがもう死にそう"と捕らえられるため、"赤ちゃんが苦しいかもしれない。"などというようにしている。

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腸閉塞

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
大腸癌の術前のムンテラで、考えられる合併症を列挙して説明しているとき、腸閉塞と話したら意味が解らなかった。 腸がつまってしまうことです、という表現にしてみたが、なんとなくグロテスクなので「堰き止まってしまう」とか「行き止まりになる」という表現にしたが、なんとなくわかりました、という表情のときが多いので、はたして今後どうしたらいいか、わからない。
腸閉塞で入院しましょうと説明した。あとで、開業医に親が怒鳴り込み(少し前に受診していた)開業医から、営業妨害するなといわれた。親は、腸重積で入院したと思ったらしい。 腸閉塞、腸重積はまちがえやすいのか、腸の動きが悪くなっていると説明しました。

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膿瘍

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
膿瘍というのは、菌がつくことです。 分かり易く、具体的に説明する。
これも慣用的についつい使ってしまうが、理解されていない。 膿のたまりという表現をすると分かってもらえる。
  カルテや病状説明用紙には「膿瘍」、「縫合不全」と書くが、必ず説明するときには「膿のたまり」や「縫った部分がほころんでしまうこと」などと簡単な言葉で言い換えるようにしています。

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白血病

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
夏目雅子の印象があるのか、不治の病と理解している患者が意外に多いとのこと。 化学療法が奏功することも多いと説明している(らしい)。
白血病の初発の患者家族にお話しする際に、この病名を聞くと多くの方が、すぐに死ぬと考えている。 約1時間かけてパンフレットも用意してお話ししている。
  「リンパ腺、血液のがん」とも伝えて、「がん、悪性腫瘍とは」の説明を加える。

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発疹

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
発疹を「はっしん」と患者家族は思っていたらしい。 「皮膚のブツブツ」と表現している。
  発疹といってもわからず、皮膚のできものといったらわかってくれた。

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貧血

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
立ちくらみを主訴に来院した患者が、起立性低血圧を説明した後に、貧血のことと理解していた。 貧血、低血圧を同様の病態と解釈している場合が多く、両者を同時に説明するようにしている。
今まで貧血といわれたことはありますか?と聞くと、立ち眩みや幻暈の症状を貧血(いわゆる脳貧血)と混同することがある。 血が薄くなる貧血と一時的に脳への血流がへる脳貧血とは違うことを説明し、場合によっては血液検査結果を示して説明している。
  貧血を起立性低血圧と勘違いする人が多い。血液検査でみる貧血はあくまで血球の数の異常を指すことを強調する。

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喘息

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
喘息の用語への抵抗感を示される。 喘息を気道過敏性と広く捉え、次の発作を起こさないようにを目標にする。
  一般常識と異なるので詳しく説明しないと理解が難しいようだ。

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瘻孔

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
痔瘻の再発の患者が来院し手術の話をしたら、瘻孔という言葉がよく理解できないようであり、また伝わりづらかった。 膿のトンネルです、という表現をしているが、瘻孔という言葉は日常生活では使わないし、痔瘻は立体的にイメージが難しい病気なのでなかなかすっきりわかってもらえない。
腸瘻が形成されてしまった患者への説明の際、瘻孔という言葉の伝え方に苦慮した。 絵を描いて説明した。

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鼠径ヘルニア

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
そけいヘルニアの手術をすると説明したところ、腰の手術ですかと聞かれた。 ヘルニアとは脱出するという意味であり、腰椎ヘルニアも当てはまるが、外科では脱腸のことをヘルニアというと解説し、図示して説明するようにしている。解剖が分かりにくい。
鼠径ヘルニアの術前説明で「鼠径ヘルニア、俗にだっちょうです。」と説明させていただいたところ、家族から「どこの腸が悪いのですか?それは転移したりするものですか?」と質問された。 どんな簡単な病気でも、できるだけ絵を描いて説明し、身振り手振りなど交えながら説明させていただいている。正しい病態の理解が得られないと、治療に対する協力も得られないと考えているから。

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臨床試験

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  モルモットと同義に思われている。倫理的に問題ないか審査を受けていることを重視して説明している。無作為に割り付けられることに抵抗を感じる人が多いので科学的な評価の必要性を説明している。

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©2008 The National Institute for Japanese Language