「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

設立趣意書

DIC-膠原病

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DIC

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
患者を救急で手術したが、状態が悪くDICとなったため家人に説明した。 噛み砕いて説明を行ったが、最初から難しい病態であるため常々説明に苦労する。
  DICについては血小板とは何かから始まり、具体的な例やイメージがわくように詳しく医学用語をなるべく使わないで時間をかけて説明している。
  DICとなっている場合には状態が悪い場合が多いが、見かけでわかるものではないので説明に苦慮する。くわしい病態を説明してもわからない場合が多いので、重症で出血しやすく命にかかわる状態と説明している。

*本ページの「病院の言葉」にかかわる調査データを引用する場合は,必ず出典を明示してください。

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インフルエンザ

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
インフルエンザがウイルス感染であり、インフルエンザ菌が細菌感染であることが患者にはわからない様子であった。 インフルエンザ予防接種時にこの注射はインフルエンザウイルスを予防する注射ですと指導するようにしている。
インフルエンザ=重症のかぜ、と思っている。 インフルエンザは季節的に発生し、急激な発熱、関節痛などを主症状とするウイルス感染症と説明。
昨日37℃で受診した患者がインフルエンザ検査を希望、必要なしといったが聞き入れられず検査した。当然、陰性だった。 お客様には従う。
保育園から患児にインフルエンザ検査をするよういわれたと来院。検査をするかは医師がきめることで保育園が決めることではない。 お客様には逆らわない。

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クループ

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
今日の診療で「クループですね。のどの炎症です」と言ったが、外来語ということもあってか、クループだけ頭の中に残り、のどの炎症である事が聞きとられていなかった。 先にのどの炎症であることを述べている。もしくはクループと言う際に、のどの炎症であることをきちんと説明する。
11月に入って何度か他の医師に受診している患者が外来に来た時のことです。前医にクループと診断されたとのことだったが、聴診上は喘息様であった為、「夜の咳はクループみたいな咳でしたか?」と聞いたところ、「クループの咳がどんな咳か分らない。知らないことを聞いて馬鹿にされた。」と激怒された。 クループと過去に診断されたことのある他の患者さんにも同様に説明しているが、今までトラブルになったことはない。他の病院でも色々揉め事を起こしている家族らしいので、このことに限らず、対応にはより気をつけるべきだったかもしれない。
10歳以上で、クループで2回入院したので、クループだと言って救急受診。基本的には大きな子のクループは考えにくいし、診察上異なる。 大きな子の喉頭炎は、耳鼻科での受診を勧める。
  ゼーゼーする病気はすべて喘息と思っている人がいて、症状と病態の説明をして喘息様気管支炎とか、クループと正式にはいう病名になりますと説明している。

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モルヒネ

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
手の施しようがない状態の末期がん患者に対し、疼痛管理目的でモルヒネ処方の説明をした際、拒否された。見放すのですか?と質問された。 モルヒネこそ積極的に投与すべき薬剤であることを説明。
モルヒネについて否定的な先入観がつよい。例えば精神がおかしくなる、など。 医療用に開発された薬で正しく服用すれば怖いものではありませんと説明する。
モルヒネを使いますと言ったら、最後の時がきたかといった印象でとらえられやすい。 モルヒネで病勢を早めることはないと処方するときに付け加える。
「患者が頼むから楽にしてくれ」というと、医師が迷ったあげくに「わかった、1回だけ、モルヒネを使おう」と決める、というようなシーンが最近のテレビドラマや小説に登場することがある。 モルヒネは、「最後の薬」ではなく、痛みをとる薬で、痛みがなくなればやめられること、いわゆる「中毒」にはならないこと、副作用はあるが対処できることを時間をかけて説明し、患者の誤ったイメージを払拭してもらうようその都度努力している。

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陰性

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
夜中、時間外外来で高熱で受診した患者にインフルエンザの検査キットで検査したところ、陰性の結果が出た。「高い熱が出ていますが、インフルエンザは陰性でしたよ」と伝えると、患者とつきそいの家族から一斉に「やはりインフルエンザでしたか!」と言われて驚いた。 それ以降は「インフルエンザではありません」と言う様にしている。
妊娠反応は陰性と伝えたが、妊娠していないのか?と聞き返された。今日の検査では妊娠反応は出ていないと説明した。 特にない
検査結果を伝える場面で聞き返された事がある。 具体的に表現する ○○ではありませんでした・・とか。
尿蛋白は陰性です、と説明したら、出ていないということですかと聞き返されました。 「陰性」でなく「出ていません」ということにしています。

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緩和医療

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
末期癌患者の説明で痛みを取り除く治療のことであるが、どうしても痛みが取れないときにモルヒネなどを使用するわけだが、モルヒネで意識レベルが下がってしまい患者の家族がそれを受け入れることができない状況がある。患者さんの苦痛を和らげることが結果的に意識を下げてしまうことにつながるのが受け入れられにくかった。 緩和ケアの内容にもさまざまな方法があることをそれぞれに説明するようにしている。

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偶発症

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
検査の説明のときに、偶発症の説明を行うと、医療過誤と取り違えて過敏に反応され、検査を拒否されることがある。 過敏に反応した人に関しては、偶発症は、どれだけ気をつけてもある一定の確率で起こってしまう有害事象で、医療過誤とは異なることを具体的に説明している。
  偶発症と説明しても言葉になじみがないようだ。今は「どんなに注意して検査や治療を行っても、一定の確率で起きることが証明されている不測の事態」と話している。
  医療行為は100%ではないので。

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経過観察

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
経過観察してくださいというと、病名もわからないし、治療もしないのか?と言うような内容のことをきかれた。 経過観察の重要性を説明する。
発熱が続いて来院した患者で原因がはっきりしないため、薬を使わずに経過を見ましょうと話したところ、病院に来たのに何もしないのかと言われた。 できるだけ、経過を診ることも必要であることを説明するようにしている。
  決して何もしていないわけでないことを伝えるようにしている。
定期検査の結果の説明後に結局どうすればいいのか伝わっていないことが分かった。 具体的な計画を説明する。

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硬膜外麻酔

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
麻酔の説明をする際、説明内容として。理解が難しそうだった。 絵にかいて説明している。
硬膜外麻酔といっても知っているかたは少ない。 「手術前に、背骨と背骨の間から細いチューブを入れて、術後の痛み止めに使う」と説明。
硬膜外麻酔とは何ですか?と、聞き返された。 脊髄麻酔とは違う、腰からの麻酔で、術後1週間程度、持続して痛み止めを注入しますと、説明するようにしている。

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告知

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
家族が患者への告知をしないでくれと希望する。 患者本人に告知したほうがためであることを話した。

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死亡(死亡の危険性がある)

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  侵襲的検査では、重大な合併症の結果として、「死亡の危険性がある」と説明した時、必要な検査を拒否された。その後「命に関わることがある」と表現している。

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髄膜炎

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
脳を保護しているふくろが髄膜であり、髄膜と脳の間に髄液がある。その部分に炎症があると髄液の細胞数が増加する。また細菌が検出された場合には細菌性の髄膜炎と診断される。 家族はその病気が重症の疾患であることは、知っているが具体的な病態を理解していないことがほとんどであることを認識して最初から、わかりやすく説明が必要である。
無菌性髄膜炎であったが、患者さんは髄膜炎は後遺症を残す怖い病気との認識があったようで、髄膜炎イコール細菌性髄膜炎と思っているようであった。 髄膜炎にもいくつかの原因があり、それによって重症度がちがうことを説明している。
嘔吐があるが、髄膜刺激症状などなく、髄膜炎は否定的だと説明したが、その翌日に無菌性髄膜炎で入院して、クレームがあった。 無菌性髄膜炎の可能性と、その治療性は存在しないことを説明するようになった。
  髄膜炎はその都度絵を書いて髄膜とはと説明する。

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生検

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
膣内を拡大鏡で見て病変があれば、生検をしますといったところ、生検?と聞き返された。 この場合の生検は、小さいはさみのようなもので、組織を齧り取ることを言います、と説明した。

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蘇生

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
心肺停止状態で搬送され、「蘇生希望」とのことで処置を行い、蘇生成功。その後人工呼吸器管理の本人をみて家人が「延命処置なら希望しなかった」と。 「心臓マッサージ」「器械で呼吸する」と具体的に説明している。
「生まれたときに仮死状態だったので蘇生しました」と話した際に、理解されていなかった。 蘇生は「蘇生法」として流通している言葉だと思われる。一般にもう少し浸透してほしい単語である。
  「心臓マッサージ」「口からチューブを入れてそこに機械を接続し、機械的に呼吸をする」「心臓がとまると5分で脳は死んでしまう」「残念ながら生き返ることはない」など、曖昧な表現を避け、はっきりと伝える。家人の気持ちを考慮し言葉をやわらげると、どのようにも取れる言葉では家人はいいほうに受け取り、致命的という状態が理解できずにいる。

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早期癌

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
手術すれば100%治ると信じていた。 治る可能性が高いがん。
  がんというとすべて開腹と思っておられる患者がいるので、内視鏡的に摘出できることをはなす。

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適応

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  適応(主に手術に対して)といっても伝わらないことがあり、手術をしたほうがいい、手術の対象にならないと表現する。
  医師が手術の「適応」という場合は、その手術の適切な対象疾患、病態であるが、一般に使用される「適応」の意味ではなく誤解を生じる場合があるので注意している。
  末期や適応などを使う時は非常に慎重にしている。自分で分かりやすく話していても相手によっては理解していない場合があるため。

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動脈硬化

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
  動脈とは上水道。この配管も古くなると目詰まりします。そして、漏水をしたりします。
高脂肪血症の患者に頚動脈エコーをすすめたとき。 血管を下水管、コレステロールをヘドロにたとえて、下水道についたヘドロ、といっている。
  動脈硬化の純粋な説明が難しい。絶対的指標もない。

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入院

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
観察入院であったが、入院するほどひどいのかと家族が多く来訪し、説明に時間を要した。 本院では、外来主治医と入院主治医が異なるため、様々な問題が生じている。入院の適応についてできるだけ説明しているようにしている
検査から土曜日、入院したほうがいいと言われたのに、帰宅し、月曜日来院予定にも関わらず、家で何もせず、入院を希望して日曜日に時間外受診。 日曜日は必ずしも診られるとは限らないにも関わらず、自分の都合で入院を希望される。希望入院は本当に正しいかどうかいつも悩む。

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腹腔鏡

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
「胆嚢は内視鏡で取ってもらいました」といわれるかたがたまにいる。「大腸ポリープは腹腔鏡でとってもらいました」と言う方の腹部に創が無く、よく聞いてみると大腸内視鏡であったことも。 腹腔鏡と内視鏡が混同されていることがあり、詳しい問診が必要。最近は内視鏡もセデーションされていることもあり、「カメラのみましたか?」とか「おしりからカメラいれましたか?」ときいてもわからないことがある。セデーションと全身麻酔も混同されがち。
腹腔鏡手術の説明の際、消化管内視鏡(胃カメラ)と勘違いをしているのがわかった。以前から、患者さんに簡単にわかってもらうために、多くの医師が、カメラの手術と話していることが多いが、カメラ=胃カメラと思いこんでいた。 以前から、そのようなことが起こるため、カメラという言葉を使う前に補足説明を必ずしている。それにもかかわらず、カメラ=胃カメラとなった場合は繰り返し説明するしかないと考える。
大腸早期がんに対する鏡視下手術の説明の際、腹腔鏡を内視鏡(大腸ファイバー)と誤解された。 実際の写真や絵を見せることによって理解していただくよう工夫している。

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分かる(分かりましたか/分かりますよね)

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
念押しのつもりが強制に捉えられた。 御了解頂けましたでしょうかと謙って言うようにしている。
相手に同意を強要する言い回しとなって不快感を与えたから。 相手には巾を持たせた回答が出来るように話す。追い詰めないようにする為。
  ただ分かりましたと返事した患者、家族に、何が本当に分かったのか、問い直ししています。

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膠原病

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
不明熱の患者さんに膠原病の可能性もあることを説明するとき、必ず膠原病とは何ですかと質問される。 膠原病は感染などを契機に、自分自身をやっつける抗体ができてしまい、それによっておこる自己免疫疾患であると説明しているが、これでも理解できないと思われるくらい難しい言葉である。
膠原病と言ったら、高原の病気かと思われたことがある。 リウマチの仲間と話すことが多い。
  膠原病と言うと理解できないようであるが、リウマチの仲間で、本来は細菌やウイルスと戦うための細胞が勘違いして自分を攻撃してしまう疾患と説明。

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©2008 The National Institute for Japanese Language