「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

設立趣意書

悪性腫瘍

→表の見方・データ利用に関する注意

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
卵巣腫瘍について説明する際、悪性腫瘍の可能性が高い、あるいはおそらく良性と思われるが、悪性の可能性も少しあるなどと説明していると、悪性の可能性が高いと話しているのに「では癌ではないのですね」とか悪性の可能性は少ない場合でも「やっぱり癌ですか」などと言われうまく伝わらないことがあった。 癌という言い方はいきなり言うとショックも大きく、その後の話を聞いていても理解されていないこともあるので、悪性腫瘍と言ったあと、様子をうかがいながらいわゆる卵巣がんの可能性が高いなどと言う言い方、あるいは逆に良性腫瘍、すなわち癌の可能性は低いなどという言い方をしている。
悪性腫瘍が判明しました と伝えたところ、わかりました、でも癌ではないのですね と聞かれた。 われわれにとっては(上皮性)悪性腫瘍=癌であるが、患者はこのことがわかっていない。伝える際には「癌が判明しました」と伝えるようにしている。
  "癌"に対して、"悪性腫瘍"と告げたところ、"癌ではないんですね"と言われたので、癌の場合は、癌ということにしている。
  他の医師から「悪性腫瘍がみつかりました」と説明されたにもかかわらず、あとで、「癌ではなく、悪性腫瘍だった」などといっている患者がしばしば経験される。私自身は「悪性腫瘍」という言葉を使わずに「癌」というようにしている。
「検査結果は悪性腫瘍でした。」と言ったら、何もかもおしまいのように理解されたようだった。 病状を正確に理解してもらうためにも充分な説明を付け加えるようにしている。

*本ページの「病院の言葉」にかかわる調査データを引用する場合は,必ず出典を明示してください。

©2008 The National Institute for Japanese Language