「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

設立趣意書

→表の見方・データ利用に関する注意

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
癌の疑いがあるだけで悲観的な見方をする。 癌は出来る臓器によって、予後も異なり、必ずしも悲観的になる必要は無いものの、腫瘍と言い換えて直接癌という言葉は、はっきり告知するまで使わない。
癌だから手術が必要であることを説明しようとしたが、癌=死というイメージを持つ患者さんやその家族は少なくないので、いきなり「癌です」といってしまうと、手術自体を拒否されてしまうことがある。 腫瘍であることをまずお話しし、(病理)検査の結果、悪性であれば手術を前提とした治療が必要であるとお話しする。その日は一旦、お帰りいただいて、次回は家族を含めて病状説明をすることが多い。
癌といっただけでショックを受けたらしく、その後の説明に時間がかかった。 「悪性腫瘍だけれども、切除できます。」と、いうように治療可能であることを伝える。
紹介元の病院から告知を受けておらず、説明したところ、本人、家族が動揺したり、場合によってはなぜ、本人へ告知したのかなど責められることがある。 癌とひとことで言うとイメージが悪いですが、癌イコール死ではありません。
  検査の結果悪性の細胞がでていて治療が必要ですと最初は癌という言葉を使わない。さらに話をすすめていくうちに患者側から、それは癌ですかと聞かれたら、そうですと答え、ただし癌の中にも、さらにたちのいい物と悪いものがあるのですというように癌イコール死という考えをもたせないようにしている。
  癌は「悪性の腫瘍」など、言葉をなるべく砕いてお話しすることにしています。
癌が発見され、高齢者の家族に「がん」であることを告知すると、高齢者の癌は進行が遅いのでしょう、治療はしなくてもいいのでしょうと、多くの家族から聞かれる。 高齢者の場合、発見されても、PSや並存疾患のためにがんそのものの治療が困難となる場合もある。若年者の癌の進行が早い印象はあるが、高齢者でも癌は進行し、死亡原因となること、急速に進行する例も珍しくないことをよく説明し、治療の適応については慎重に検討すべきと説明している。
  がんは、いろいろ言われていますが、ある人がガンになるかどうかはほとんど分かっていません。なるひとはなります。がんを手術した場合としなかった場合でのその後の人生がどうなるかは、ケースバイケースです。
  患者さんの家族によっては「癌」 と「悪性」の使い分けを希望されることがあり、難しい。

*本ページの「病院の言葉」にかかわる調査データを引用する場合は,必ず出典を明示してください。

©2008 The National Institute for Japanese Language