「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

設立趣意書

合併症

→表の見方・データ利用に関する注意

できごと
(カレンダー調査の問4)
注意していること,工夫していること。その理由
(リクルート調査の問2,カレンダー調査の問5)
術前説明にて、合併症を色々と説明するが、家族からはそれは医療ミスなのではととらえられてしまった。 合併症と医療ミスとは違うことを、たとえば血液型の異なる輸血をしてしまったとか、手術部位を誤ったなどがミスであるが、合併症は手術に伴う起こりえる結果であると説明した。しかし、若い家族の場合は最後まで理解しづらい部分があったようである。
  手術の合併症の説明ではよくミスと受け取られることがあり、ミスと合併症の違いについて説明する必要があるが、なかなか理解してもらえない。しかし、発生頻度など説明し、納得してもらっている。
  医療過誤と合併症との区別が理解してもらえない。
  合併症:手術時に起こりうる傷害で、やむをえなく起こる障害について説明するが、多くは医療ミスととらえられる。患者さんには合併症という概念がないように思われる。
  手術で起こる合併症という言葉は、時として医療ミスで起こると捉えられるのではないかと心配。注意を払い予防対策をこうじても起こると説明している。
  合併症と医療ミスの区別は難しく、いろいろな言葉をつかっても十分理解していただくことが困難な場合がある。
  合併症、これは人為的ミスとは違うということをしっかり説明する。何か、患者さんに対する処置で予想できないことが起こったときにミスと起こりえる可能性のある合併症が、よく説明しないと患者さんは混ざってしまうので、しっかり「手順にのっとり、他の人と同じに行っても起こりえる可能性のあること」と説明する。
  合併症を手術ミスと思っている患者や家族にあったことがあり、説明を要したことがある。ある一定の割合で起こっていたり、起こりやすい人がいることを説明している。
  起こりうる可能性が少なからずあるが、それが医療ミスとは全く別次元の問題ということ。
  合併症の説明をする際には、医師の手技的な問題ととらえられがちだが、避けようと努力してもどうしても起こってしまうことがあると伝えるようにしている。
手術での術前説明時に合併症についてもご説明させていただいているのですが、合併症というのが医療者のミスのようにとられがちです。手術がうまくいけば合併症なんか起こらないのでしょと質問されることも、たびたび経験します。 合併症について説明する前に「最大限努力し、注意しても、どうしても起こってしまう可能性のあることを合併症といいます。」と付け加えている。
  合併症の発生確率をデータに基づいて説明しても、自分には関係ないと感じている人もいて、必要に応じてさらに強調するようにしている。
  手術をすると何らかの「合併症」が起こり、そのために命を落とすことがあるといっても、手術をすれば良くなると思っていることが多い。また確率的なことをいっても自分の家族に「合併症」が起こるとは思っていない。
  合併症を生じる頻度が0.1%とお話しして手技を行ったが、頻度が少なくて自分には関係ないと理解され、その合併症が生じた時に受け入れてもらえなかった。
合併症が起こる場合があると説明しても、必ず起こるような印象を持たれる。または、逆にほとんど起こらないように理解する方もいる。 頻度をできる限り言う。
  合併症は、強い印象がある。余病という言葉に置き換えている。
肝切除には出血や胆汁が漏れるなどの合併症が起こることがあります。と説明し家族よりそれは手術失敗ですか?と問われた。 合併症=手術後に起こりうる可能性のある病態と話しています。
  合併症は起こす前に説明しても、起こしてから、そんなことは聞いていないと言われ、問題となるケースがある。
  合併症は「おこりえる副作用の一部」など、言葉をなるべく砕いてお話しすることにしています。
  合併症とは病気のリスクとして説明。
  合併症:同じ医者がおなじように十分注意して手術を行っても、患者さんの状態は人によって少しずつ違います。ですからときによくないことが起きることもあります。
  合併症:治療手段に伴って起こりうる好ましくない現象で、最善の手技、手段をとってもある程度の確率で起こりうる事と説明する必要あり。
  手術についてどうしても避けられない危険性、不都合な事象があることとして合併症を説明している。
  合併症は「手術や治療に伴って起こりうる悪い事象」とことわりを入れてから用いる。
  リスクや合併症に関しては、医師の過失がなくても起こることがあることを注意して話している。
  主に癌診療に関わっているが、癌のフォローアップに伴う用語や、手術や抗癌剤の前の説明における「合併症」の理解について、かなりの個人差がある。治療の重要なポイントでは、家族などを同席させた上で、相手の理解度を確かめながら、相手にあわせて使う言葉を選んでいる。理解度が低い場合、かなり乱暴で大雑把な言い換えをすることもある。

*本ページの「病院の言葉」にかかわる調査データを引用する場合は,必ず出典を明示してください。

©2008 The National Institute for Japanese Language