接触方言学による「言語変容類型論」の構築

国立国語研究所共同研究プロジェクト 基幹型
研究分野:言語学, 社会言語学
キーワード:(レキシコン)(形態論)(意味論)(統語論)(語彙論))
言語変容・接触方言・変異理論

プロジェクトリーダー

朝日 祥之 (国立国語研究所 時空間変異研究系 准教授)

プロジェクトの概要

b_sessyoku_s.jpg 日本には,方言が数多く存在すると言われます。これまで,旧来の地域社会に根付いてきた方言が研究されてきました。それに対し,大阪や東京に代表される都市社会やニュータウン,北海道などの地域には,様々な地域からの人たちが居住しています。その多様化する社会では,旧来の地域社会とは異なる現象が観察されます。この地域での言語使用状況を明らかにするアプローチとして「接触方言学」を掲げます。

接触によって生じる現象は,さまざまに分類することが可能です。その分類を行うにあたって,社会構造(例:都市社会,農村社会等)に着目します。その構造との関係を探るものが,「言語変容類型論」が目指すところです。一般に,言葉の接触が多い地域であるほど,言葉の仕組みが単純になるのに対し,言葉の接触が少ない地域であるほど,言葉の仕組みが複雑になると言われています。日本各地における言語状況から,これらの問題に迫っていきます。