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Morphology and Lexicon Forum (MLF) 2011/国立国語研究所レキシコン共同研究プロジェクト共催研究発表会(9月24~25日)

開催概要

  • 開催日時:2011年9月24~25日
    9月24日:Morphology and Lexicon Forum (MLF) 2011
    9月25日:国立国語研究所 日本語レキシコン共同研究プロジェクト研究発表会
  • 開催場所:大阪大学言語文化研究科 研究科棟2階 大会議室(豊中キャンパス)
    http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access
  • 受付: 12時30分~
  • MLF2011 URL
    http://www.intcul.tohoku.ac.jp/lingcommunic/mlf/
2011.9.25発表会.jpgのサムネール画像

プログラム

9月24日(土) MLF2011 研究発表

13 : 00 ~ 13 : 45

Event Argument in Adjectival Perception Complements in German -Comparison with English- (使用言語:英語)
Wenchao Li(東北大学)

13 : 50 ~ 14 : 35

日本語の与格交替
工藤和也 (関西学院大学研究員)

14 : 35 ~14 : 50

休憩

14 : 50 ~ 15 : 35

名詞類の屈折パラダイムの類型論:最適性理論によるアプローチ
中村渉 (東北大学)

15 : 40 ~16 : 25

依田悠介(大阪大学大学院)

16 : 25 ~ 16 : 40

休憩

16 : 40~18 : 10

【チュートリアル】分散形態論への誘い
西山國雄 (茨城大学)

9月25日(日)

  • PARTⅠ 国語研プロジェクト連携研究発表
  • 10 : 00 ~ 10 : 45

    動詞から派生される連用形名詞の存在について:分散形態論を用いた分析
    田川拓海 (千葉大学/他 非常勤講師)

    概要

    分散形態論(Distributed Morphology)を用いて、連用形名詞は動詞からの派生ではなく範疇未指定の要素√(root)が直接名詞化したものであると分析するVolpe(2005)の議論には1) 自体交替に関わる形態、2) 形容詞派生動詞、3) 受動/使役形態素、の三点で問題が生じることを指摘し、連用形名詞には√が一度動詞化されそれがさらに名詞化されたものが存在するという分析を、同じく分散形態論の枠組みを用いて示す。

    10 : 50 ~ 11 : 35

    ナル型言語と他動性 ー実験調査による日本語・韓国語・マラーティー語の相違を通してー
    鄭聖汝 (大阪大学)

    概要

    本発表では、影山(1996)が提案した二つの視点――結果重視の視点(スル型)と動き重視の視点(ナル型)――を援用し、ナル型言語と他動性の関係についてパイロット的な実験調査を行った結果を報告する。目的は、(1)言語データから理論的に得られた類型論的仮説が、3言語における実際の言語使用の場面ではどのように現れるかを実証的に検証することと、(2)他動性のプロトタイプ理論と上記の類型論的仮説の間には一種の矛盾関係が含まれていることを、実験結果を通して実質的に示すことである。

    11 : 40 ~ 12 : 25

    僕らが銀座をぶらぶらとしない理由 ーオノマトペ述語の意味特性と「と」の分布再考ー
    秋田喜美(東京大学/日本学術振興会)・臼杵岳(福岡大学)

    概要

    本論は、「と」との共起に着目し、日本語オノマトペ述語の形式的・機能的特性を捉え直す。「ぶらぶら歩く」は、アスペクト特性等に関して複雑述語「ぶらぶらする」と同様の振る舞いをする(銀座を30分{間/*?で}ぶらぶら{歩い/し}た)。一方、「と」付きのオノマトペは、「ぶーぶーと言う」が「ぶーぶー言う」の持つ拡張義<文句を言う>を持たないように、類像性を保つ。

    12 : 25 ~13 : 40

    昼休み(75分)

  • PARTⅡ 国語研日本語レキシコン共同研究プロジェクト発表
  • 13 : 40 ~ 14 : 00

    レキシコン研究とコーパスの活用
    影山太郎(国立国語研究所)

    概要

    国立国語研究所では大規模な日本語コーパスを開発したほか,様々なデータベースも公開している。それらを紹介し,レキシコン研究の活性化につなげたい。

    14 : 00~14 : 40

    漢語サ変動詞の主要部について
    小林英樹(群馬大学)

    概要

    動詞的要素と動詞的要素で構成される漢語サ変動詞に関して、四字のものは、二字のもの と異なり、左側主要部タイプはないとされてきた(小林英樹(2004)『現代日本語の漢語 動名詞の研究』ひつじ書房)。本発表では、四字のものにも、左側主要部と考えざるをえ ないもの(「委託製造(する)」)があることを指摘する。

    14 : 40 ~ 15 : 20

    「見える」類動詞の非時制補文節におけるテ形述語と述語分類
    竹沢幸一(筑波大学)

    概要

    本発表では、[太郎には [花子が 細く/ガリガリに/やせて] 見えた] のような 非時制補文節をとる構文を取り上げ、この構文の統語的特徴を概観した上で、 特にどういった特徴を持った述語がこの構文の補文に許容されるのかを観察しながら、 述語の意味分類と形態との関係について検討する。

    15 : 20 ~15 : 30

    休憩

    15 : 30~16 : 10

    クル型複合動詞の史的展開
    青木博史(九州大学)

    概要

    統語的複合動詞「~まくる」について歴史的観点から記述し,「語彙的」「統語的」の区別について再考する。また,「~まくる」と近似した意味変化の方向性を示す「~たくる」「~こくる」といった事例を紹介し,「クル型」という形態的観点から一般化を試みる。