令和元年度 コーパス合同シンポジウム 「コーパスに見る日本語のバリエーション ―くだけた表現―」
- 主催
- 国立国語研究所 : 言語変異研究領域
言語変化研究領域
音声言語研究領域
日本語教育研究領域 - プロジェクト名,リーダー名
- 日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成木部 暢子 (国立国語研究所 言語変異研究領域 教授)
- 通時コーパスの構築と日本語史研究の新展開小木曽 智信 (国立国語研究所 言語変化研究領域 教授)
- 大規模日常会話コーパスに基づく話し言葉の多角的研究小磯 花絵 (国立国語研究所 音声言語研究領域 教授)
- 日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明
(学習者コーパスに基づく第二言語としての日本語の習得研究)迫田 久美子 (国立国語研究所 日本語教育研究領域 客員教員) - 共催
- 科研費 基盤研究 (A) 「日本語諸方言コーパスの構築とコーパスを使った方言研究の開拓」
科研費 基盤研究 (A) 「昭和・平成書き言葉コーパスによる近現代日本語の実証的研究」
科研費 基盤研究 (A) 「海外連携による日本語学習者コーパスの構築および言語習得と教育への応用研究」
科研費 基盤研究 (B) 「コーパス言語学的手法に基づく会話音声の韻律特徴の体系化」 - 開催期日
- 2019年9月5日 (木) 13:00~16:30
- 開催場所
- 国立国語研究所 講堂 (東京都立川市緑町10-2)
交通案内
プログラム
13:00~13:05 挨拶
木部 暢子 (国立国語研究所)
13:05~13:45 発表1「日常会話における縮約の特徴」 小磯 花絵 (国立国語研究所)
日常会話には,「見ちゃう (てしまう) 」,「必要じゃない (ではない) 」などの縮約形が数多く見られる。本発表では,『日本語日常会話コーパス』を中心とする種々のコーパスを対象とする分析を通して,講演などのスタイルの高い話し言葉や書き言葉などと比較しながら,日常会話に見られる縮約の特徴や出現要因について考える。
13:45~14:25 発表2「助詞の縮約形の地域差と歴史 ―COJADSから―」 中澤 光平 (国立国語研究所)
日本語諸方言では助詞が前の語 (ホスト) と縮約を生じることがある。どのような助詞で縮約が生じやすいか,どのような語で縮約が生じやすいか,縮約の生じやすさに地域差はないかなどの網羅的な研究は少ない。そのため本発表は,『日本語諸方言コーパス (Corpus of Japanese Dialects: COJADS) 』モニター版を用いて,縮約形の地域差について整理した後に助詞との縮約形の通時的な考察を行う。
14:40~15:20 発表3「日本語の歴史と縮約形」 小木曽 智信 (国立国語研究所),村山 実和子 (福岡女子短期大学)
日本語の歴史をふりかえると,多くの縮約形や融合形が生まれてきた。その一部は新しい語となって定着し,また一部は一時的な語形のまま定着せず消えていった。本発表では,歴史上存在したいくつかの縮約形を取り上げ,その通時的な変遷をたどりつつ,新語として定着した語形と消えていった語形の違いやその背景について考察する。
15:20~16:00 発表4「日本語学習者の引用表現の「と」と「って」の使用」 迫田 久美子 (国立国語研究所),蘇 鷹 (湖南大学),川崎 千枝見 (広島国際学院大学)
「明日,テストがあるって,知ってた?」「『アキバ』って,何?」にみられる「って」は,日本語学習者にとって学習困難な項目の1つである。本発表は,学習者コーパスの I-JAS に基づいて海外の日本語学習者,国内の学習者,日本語母語話者の引用の「と」と「って」の使用状況を調べ,それぞれの特徴を明らかにする。
16:10~16:30まとめ
司会 木部 暢子 (国立国語研究所)