「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」研究発表会 (2019年8月3日)

「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」研究発表会
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プロジェクト名・リーダー名
日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成
木部 暢子 (国立国語研究所 言語変異研究領域 教授)
開催期日
2019年8月3日 (土) 10:00~12:00
開催場所
国立国語研究所 2F 多目的室 (東京都立川市緑町10-2)
交通案内

事前申込み不要,どなたでも参加可能です。

プログラム

10:00~12:00 「手話の談話における指示と空間使用」 講師 : シャーマン・ウィルコックス (ニューメキシコ大学 教授)

使用言語 : 英語 (日本手話通訳あり)

本講義では,手話言語にどのように言語理論を適用するかについて概観する。主に,手話の文法構造における意味的な空間使用を扱う。指さしは,単純な形態素,あるいは非言語要素 (ジェスチャー) として分析されることが多かった。これに対し,本講義では指さしを記号論的に複雑な「構文」と見なすことを提案し,複数の手話言語で例示する。また,手話に特徴的な空間使用であるplacing構文 (※空間を利用した一致現象) について提示し,その2種の構文について説明する。これらをまとめ,談話の中で指さしとplacing構文がどのように現れるのか,とくに,空間上の位置を利用して指示対象を同定することや,空間内での動詞の一致という手話特有の現象について,理論をどのように適用できるか,検討する。