Kobe-NINJAL-Oxford 言語学コロキウム 「日本語研究の最前線」

Kobe-NINJAL-Oxford 言語学コロキウム 「日本語研究の最前線」
[ PDF | 2,664KB ]
プロジェクト名・リーダー名
対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法
窪薗 晴夫 (国立国語研究所 理論・対照研究領域 教授)
共催
神戸大学大学院 人文学研究科
オックスフォード大学 東洋学部
開催期日
2019年7月21日 (日) 13:30~17:00
開催場所
神戸大学 六甲台第2キャンパス 瀧川記念学術交流会館 大会議室 (神戸市灘区六甲台町1-1)
アクセス
キャンパスマップ

参加費無料,事前申し込み不要

プログラム

13:30~13:35 開催の挨拶

13:35~14:35 「日本語の断片化感嘆表現」 岸本 秀樹 (神戸大学)

感嘆表現は,感情の表出をともなうため,完全な文として発話される必要はない。本発表では,不完全な感嘆表現に課される文法的な制限について考察する。特に,本発表では,述語の連体形を用いる名詞化が現代日本語において基本的に存在しないことを断片化した感嘆表現をもとに論じる。

14:45~15:45 「日本語におけるアクセントと母音長の中和について」 窪薗 晴夫 (国立国語研究所)

日本語 (東京方言) はアクセントの対立 (起伏/平板) と母音長の対立 (長母音/短母音) の両方を有する言語である。これらの2種類の対立はいずれも一般的な環境では失われることがないが,呼びかけという特定の構文ではしばしば失われる。この発表では (i) 自然会話における呼びかけと,(ii) 野球の声援 (かっとばせえ) における呼びかけの2種類の呼びかけ文において,上記の2つの音韻対立がどのように失われ,またどのように相互干渉するかを考察する。

15:55~16:55 "From pre-verbal to post-verbal in the early history of the Japanese language: Constituent order changes in Pre-Old and Old Japanese" Bjarke FRELLESVIG (University of Oxford)

In this talk I will consider a seemingly anomalous and not well described word order phenomenon in Old Japanese, the earliest attested stage of Japanese (largely 8th century AD; abbreviated ‘OJ’), and propose a diachronic interpretation of it, which in turn can be generalized and extended to an understanding of other morpho-syntactic developments which may be reconstructed for pre-OJ, including the emergence of a number of grammatical morphemes in OJ.

16:55~17:00 閉会の挨拶