通時コーパス活用班合同研究集会
- プロジェクト名・リーダー名
- 通時コーパスの構築と日本語史研究の新展開
小木曽 智信 (国立国語研究所 言語変化研究領域 准教授) - 共催
- 科研費 基盤研究 (A) :「日本語歴史コーパスの多層的拡張による精密化とその活用」 (15H01883)
- 開催期日
- 平成29年8月19日 (土) 10:30~17:30
- 開催場所
- 国立国語研究所 講堂ほか (東京都立川市緑町10-2)
交通案内
プログラム
10:30~12:10 テーマセッション「『日本語歴史コーパス』の構築と活用 ―万葉集とキリシタン資料」
- 「キリシタン資料と『日本語歴史コーパス』 ―キリシタン資料の概要と課題」
川口 敦子 (三重大学)
『日本語歴史コーパス 室町時代編Ⅱキリシタン資料』の構築と活用に関連して,キリシタン資料とその研究について,概要を述べる。 - 「『日本語歴史コーパス 室町時代編Ⅱキリシタン資料』の構築上の課題」
片山 久留美 (国立国語研究所),村山 実和子 (国立国語研究所),渡辺 由貴 (名古屋女子大学)
『日本語歴史コーパス 室町時代編Ⅱキリシタン資料』のために独自に作成した漢字仮名交じり本文について,その特徴とコーパス使用の際に留意が必要となる点などを述べる。 - 「万葉集コーパスの特徴とその活用事例」
鴻野 知暁 (東京大学)
今年度公開予定の万葉集コーパスの特徴を説明し,その活用法について具体例とともに述べる。 - 「完了の接尾辞,ツ・ヌ,タリ・リの変遷」
野村 剛史 (東京大学 名誉教授)
西暦700年頃には「ツ・ヌ,リ・タリ」であった完了の接尾辞は,1500年頃にはほぼタのみになった。コーパスを用いてその変化の様相を示し,原因を探る。
13:10~14:10 ポスター発表
- 「『日本語歴史コーパス 室町時代編Ⅱキリシタン資料』の進捗と展望」
片山 久留美 (国立国語研究所) - 「『明治初期口語啓蒙書コーパス』の構築」
近藤 明日子 (国立国語研究所 / 明治大学) - 「『Web 茶まめ』の改良 ―Chaki形式出力の実装―」
堤 智昭 (東京電機大学) - 「『東洋学芸雑誌』コーパスの構築」
南雲 千香子 (国立国語研究所),近藤 明日子 (国立国語研究所 / 明治大学) - 「言文一致体および標準語の規範としての国定教科書 ―教科書コーパスを用いたその検討と課題―」
服部 紀子 (国立国語研究所) - 「人情本コーパスの現状 ―翻字本文テキストの公開<8作品>―」
藤本 灯 (国立国語研究所),銭谷 真人 (国立国語研究所) - 「八代集コーパス構築の計画と進捗」
松崎 安子 (国立国語研究所),冨士池 優美 (玉川大学) - 「『日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅰ洒落本』の本公開に向けて」
村山 実和子 (国立国語研究所)
14:20~16:20 口頭発表
- 「近代における和語の仮名表記」
高橋 雄太 (明治大学大学院生)
近代雑誌コーパスを用いて,和語の自立語の高頻度語を対象に仮名表記率を算出し,仮名表記率の高低・増減傾向の実態と変化を分析した。その結果,仮名書きされやすくなる語には,①形式化・定型句化,②文法的機能を持つ,③書き分けの基準が不明確,④表音表記・熟字訓が対応,⑤口語的,といった特徴があることがわかった。 - 「『哲学字彙』掲出語に対する語彙素ID付けの試み」
高田 智和 (国立国語研究所)
辞書類の見出し語間の関連付け処理の一方策として,UniDicの語彙素IDを利用する方法を試行した。「短単位連接」を取り入れることで,相当数の見出し語に対して,語彙素ID付与ができる見通しを得た。 - 「近代雑誌に見る外来語の変容」
田中 牧郎 (明治大学)
『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅰ雑誌』によって,一定頻度以上使用される外来語の意味分野を調査し,位相による変異や時代による変化をとらえ,その変異や変化の背景について考察する。
16:30~17:30 『日本語歴史コーパス』の使い方相談に対する回答
小木曽 智信 (国立国語研究所)