「方言談話の地域差と世代差に関する研究」研究発表会

プロジェクト名
方言談話の地域差と世代差に関する研究 (略称 : 方言談話)
リーダー名
井上 文子 (国立国語研究所 時空間変異研究系 准教授)
開催期日
平成25年9月15日 (日) 13:00~16:30
開催場所
関西大学 千里山キャンパス 第1学舎1号館4階 実験実習・語学系教室2 (〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号)
交通アクセス

発表概要

ロールプレイ会話による方言談話の収録と分析概要井上 文子 (国立国語研究所) ,松田 美香 (別府大学) ,日高 水穂 (関西大学)

本プロジェクトでは,方言談話の地域差・世代差・性差・場面差などを考察するためのパイロット調査として,発話の意図が明確で,話の流れがとらえやすいロールプレイ会話を収集し,談話構造や談話展開の地域差について枠組みや仮説を立てることをめざしている。
本発表では,ロールプレイ会話調査の概要について報告し,首都圏のロールプレイ会話から依頼場面と慰め場面における典型例を紹介する。

ロールプレイ会話における丁寧語使用と談話展開酒井 雅史 (大阪大学大学院 博士後期課程)

日本語による会話では,丁寧語の使用不使用は,1つの会話では一貫していることが規範的とされている。しかし,同じ聞き手・場面であっても丁寧語の使用不使用は必ずしも統一されているわけではなく混在することが多い。
本発表では,談話展開とそこに見られる話し手・聞き手の関係性の観点から,ロールプレイ談話における丁寧語の使用について考察を行う。そして,談話展開の中で動的に敬語形式が用いられることについて考える。

ロールプレイ談話に見られる主導権の交替とその地域差森 勇太 (関西大学 助教)

電話による会話は,何らかの目的を持った会話であるから,基本的には電話の掛け手が主導権を取り,会話を展開させる。しかし,一旦その目的が達成された後,どのように会話を展開させ,終結に向かっていくか,という過程には収録した談話による異なりがある。
本発表で扱う申し出のロールプレイ談話でも,申し出に際しての談話の展開には複数のパターンが存在する。本発表では主に関西と熊本の談話を取り上げ,会話の主導権の交替という観点から,ロールプレイ談話に見られる地域差について考察する。