「日本語疑問文の通時的・対照言語学的研究」研究発表会
- プロジェクト名
- 日本語疑問文の通時的・対照言語学的研究
- リーダー名
- 金水 敏 (国立国語研究所 時空間変異研究系 客員教授)
- 開催期日
- 平成25年9月2日 (月) 13:00~17:00
平成25年9月3日 (火) 10:00~12:30 - 開催場所
- 国立国語研究所 多目的室
発表概要
9月2日 (月) 13:00~17:00
13:00「日本語疑問文の問題点」金水 敏 (国立国語研究所 時空間変異研究系 客員教授)
日本語疑問文の歴史的研究が照らし出す問題点について概略を示し,今後の研究の方向性について議論する。特に,係り結びの成立と消失,ノダ文との相関,間接疑問文の形成等を取り扱う。併せて,多言語や諸方言との対照研究の意義についても論じる。
14:00「疑問文調査票の検討」同上
文献調査や方言調査,また外国語のフィールドワーク等で用いる疑問文調査票のひな形を示し,項目の適否について議論する。
14:30休憩
15:00「演算子―変項構造とWH疑問文」外池 滋生 (青山学院大学 教授)
WH要素を含む数量詞は演算子-変項構造を形成せねばならず,そのためにWH移動により,元位置とは異なる演算子の位置をしめなければならないというのが標準的な立場であるが,本発表では,演算子-変項構造は元位置で成立しており,WH移動はWH疑問文の辺端(edge)によってWH疑問文の範囲(scope)を示すための移動であることを論ずる。
16:00「疑問表現の諸問題」井上 優 (麗澤大学 教授)
日本語 (共通語,富山方言) ,中国語の疑問文について発表者がこれまでに行ってきた研究を概観し,その課題について議論する。
9月3日 (火) 10:00~12:30
10:00「間接疑問節をとる述語の類型と項構造」江口 正 (福岡大学 教授)
間接疑問節をとる述語については既に研究の蓄積があるが,本発表では,間接疑問節が担う意味役割の観点から述語の整理を行い,合わせてそれらの述語が持つ項構造についての一般化を試みる。