国立国語研究所年

国立国語研究所オープンハウス2021

トップページ > 基幹プロジェクトの紹介

発表

基幹プロジェクトの紹介

「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」
タイトル「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」
研究者窪薗晴夫
概要【プロジェクト名:対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法】
日本語はどのような言語なのか。この問いに答えるためには7000とも言われる世界の言語の中に日本語を位置づけ,諸言語との比較の中で日本語を考察する必要がある。そして,その研究の成果を世界の言語研究者にわかる言語で発信することが必要である。そうすることによって日本語の特質が理解できるし,さらに日本語の研究が世界の言語研究に貢献することができる。本プロジェクトはこのソトから視点でもって,日本語の音声と文法を分析している。
「NPCMJを用いた文構造の出現頻度に関する調査:主語省略文と受身文を例に」
タイトル「NPCMJを用いた文構造の出現頻度に関する調査:主語省略文と受身文を例に」
研究者プラシャント・パルデシ,長崎郁
概要【プロジェクト名:統語・意味解析コーパスの開発と言語研究】
本発表は,これまでの研究において世界の諸言語,特に英語と対照した場合の日本語のコミュニケーション上の特徴とされてきた文法現象の中から主語省略文と受身文をとりあげ,NINJAL Parsed Corpus of Modern Japanese(NPCMJ)を利用して量的な観点から分析し,その使用実態を明らかにすることを目的とする。NPCMJに基づく調査によって見えてきた使用頻度,書き言葉と話し言葉における使用の非対称性や翻訳の影響などを報告する。
「危機言語・危機方言の記録と記述と復興」
タイトル「危機言語・危機方言の記録と記述と復興」
研究者木部暢子
概要【プロジェクト名:日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成】
「消滅危機言語」とは,使用する人が少なくなり,近いうちに消滅するおそれのある言語のことです。ユネスコによると,日本では8つの言語(アイヌ語,八丈語,奄美語,国頭語,沖縄語,宮古語,八重山語,与那国語)が消滅危機言語に指定されています。しかし,消滅の危機にあるのはこれだけではありません。現在,日本で話されている多くの方言も近いうちに消滅するおそれがあります。消滅しそうな言語や方言を守る意義はどこにあるのでしょうか。また,言語や方言を守るために,何が必要でしょうか。それについて考えます。
「『日本語歴史コーパス』のかんたんな使い方─犬派?猫派?編─」
タイトル「『日本語歴史コーパス』のかんたんな使い方─犬派?猫派?編─」
研究者小木曽智信
概要【プロジェクト名:通時コーパスの構築と日本語史研究の新展開】
『日本語歴史コーパス』を使った調査の例として,上代の万葉集から近現代の資料までさまざまな文献に見られる「犬」と「猫」の用例を検索し,文献ごとにどちらの用例数が多いかを集計して,時代ごと,作品ごとの傾向を観察する方法を示す。紫式部は猫派? 清少納言は犬派? 兼好は? 芭蕉は? 漱石は? 明治・大正・昭和・平成の国語の教科書は?
「大規模日常会話コーパスに基づく話し言葉の多角的研究─『昭和話し言葉コーパス』─」
タイトル「大規模日常会話コーパスに基づく話し言葉の多角的研究─『昭和話し言葉コーパス』─」
研究者小磯花絵,丸山岳彦
概要【プロジェクト名:大規模日常会話コーパスに基づく話し言葉の多角的研究】
「大規模日常会話コーパスに基づく話し言葉の多角的研究」プロジェクトでは,様々な種類の話し言葉コーパスの構築し,コーパスに基づく分析を通して,日常会話を含む話し言葉の特性を「レジスター」「経年変化」「相互行為」の観点から多角的に解明することを目指している。オープンハウス2021ではこのうち,話し言葉の経年変化を探るために,1950〜1970年代に録音された音声資料を集めた『昭和話し言葉コーパス』を取り上げる。コーパスについて紹介した上で,現代の話し言葉と比較しながら,この時代の話し言葉の特徴を見ていく。
「日本語学習者のコミュニケーション研究の成果紹介」
タイトル「日本語学習者のコミュニケーション研究の成果紹介」
研究者石黒圭
概要【プロジェクト名:日本語学習者のコミュニケーションの多角的解明】
国立国語研究所の日本語教育研究領域では,世界各地の日本語学習者が日本語をどのように用いてコミュニケーションを行うのか,日本語の使用と理解の実態を把握し,それを日本語教育に生かす方法を検討してきました。その使用と理解の実態はコーパス・データベースの形で蓄積し,それに基づいて共同研究を行い,第3期プロジェクトの成果として多数の研究書の形で刊行してきました。本発表では,刊行した研究書の概要を紹介することで,私たちが第3期プロジェクトで築きあげた成果をわかりやすくお伝えすることを目指します。
to top - トップに戻る