2.4 言葉の絞り込み
①の調査で,膨大な医療用語の中から,今回の提案で取り上げる候補となる言葉を網羅的に収集し抽出できると考えました。また,②の調査によって,医師の体験や見識に基づいた問題のある言葉の収集ができると考えました。この二つの調査によって20,000語余りを収集し,主として統計処理によって2,000語程度を抽出した言葉のリストを作成しました。
このリストをもとに,実務委員15名が,提案に取り上げる候補として詳しい検討を行うべきと考える言葉を選ぶ作業を行いました。その作業結果を集計し,順位付けをしたデータをもとに合議し,詳しく検討すべき言葉を100語選定しました。この100語を,③と④の調査にかけ,医療者の使用実態や用語意識と,非医療者の認知度や理解度などの観点から,定量的な分析ができるデータを取得しました。さらに,100語についての①から④の調査結果のデータを参照しつつ,一語一語を詳しく検討しました。この検討を通して,問題をとらえる類型を設定し,各類型を代表できる57語を選定し,これらの言葉を例に,具体的な言葉遣いの工夫をまとめました。
以上の流れを図式化すると,図のようになります。
図1 言葉の収集と絞り込みの手順