「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

設立趣意書
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(4)提案をこう使いたい,こんな工夫がしたい

  • 言い換えることで元の言葉が指示している対象がより明確になることは大変すばらしいことです。この取り組みの成果を一つのモデルとして,医療関係者が現場で臨機応変に説明の工夫を行えるよう,意識と技術の向上の一助になることを期待しています。(非医療者・40代)
  • 「病院の言葉」を分かりやすくするための工夫の類型の図はとてもよく理解でき,本書を読む目安になると思います。(看護師・60代)
  • 医療用語がABCに類型分類されていることで,今回の提案内容が分かりやすくなっています。類型Cの新しい概念,カタカナ表記の言葉については,私自身も患者さんに説明しにくいなと常々感じていました。類型Bの言葉については,もう既に一般的だと考えており,このままで表現することが多かったが,医療従事者外の人から見れば,まだまだ分かりにくい言葉であると,今回初めて知り得た点は有意義でした。(医療系の教員・50代)
  • まずこれだけは→少し詳しく→時間をかけてじっくりと,に分けてあるのは,患者の理解度,時間などに合わせて,プロセスを踏んで具体的にすぐ使用できる形であり,非常に分かりやすいです。(看護師・40代)
  • 分かりやすくする工夫の類型と具体的表現の検討について,①まずこれだけは,②少し詳しく,③時間をかけてじっくりと,④こんな誤解がある,⑤言葉遣いのポイント,一つの言葉について①~⑤へと段階を経て読むうちに自分の頭の中も整理されてくるようであり,ひいては患者への説明力がついていくように思っているところです。繰り返し読んでいく必要を感じました。もちろん対象とする医学用語を増やしていくことも求められると思いますが,数よりも内容に重点を置き進めていただきたいと思っております。(医師・50代)
  • 非医療者の間違った理解例が,もっと載っていると,医療者側としては参考になると思いました。(コメディカル・20代)
  • 当院は,カタカナ英語を廃止する運動を行っています。カタカナ英語による語句の抽象化から医療従事者の中であいまいな形で言葉が伝わるからです。例えば「チーム医療」の言葉一つでも,「チーム」の概念が個々の職場でバラバラにとらえられています。個人的には野球「チーム」のように,目的があり,監督(ディレクター)が存在するものを指すように思いますが,各職種の人が集まって行うだけの「徒党を組んで」の状態ととらえている向きもあります。「病院の言葉を分かりやすくする」ことは,概念を整理・統一することから始まると思います。(医師・50代)
  • 病院の言葉は,患者さんに「分かりやすい」ことはもちろん必要だが,さらに「受け入れやすい」ことも重要な要素であると思われます。同じ内容を説明するのでも,言葉を選ぶことにより,患者さんがより自分の状態を正確に受け止めやすくなるのだとすれば,そのような工夫もあってよいのではないでしょうか。Case by caseで難しいと思われますが,そのような点についてもいくつか例があると参考になると思いました。(医師・40代)
  • 言葉を平易にすれば,理解率は上がるでしょうが100%にはならないでしょう。この100%までのギャップをどう埋めるか,という課題がもう次に待っていると思われます。医療者に最初から「お任せ」で,大して話を聞こうとしない患者や家族の姿勢は現場では決して少ないとは言えません。用語一つ一つの見直しだけではなく,どうコミュニケーションを図っていくか,国語の研究者たちの示唆がほしいです。(医師・40代)
  • 今後,患者側や一般の人が分からないと思う言葉を気軽にこの「病院の言葉」を分かりやすくする提案に対して提出できるような仕組みができれば,この「提案」もデータベース化するのにたやすくなると,勝手に思っています。一般の人たちの意見が,容易に取り込めるシステムが作られればよいと考えています。(医療事務・20代)
©2008 The National Institute for Japanese Language