「病院の言葉」を分かりやすくする提案

病院で使われている言葉を分かりやすく言い換えたり説明したりする 具体的な工夫について提案します。

設立趣意書
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(1)医療者と患者の言葉のギャップに気づかされた

  • (この提案に)取り上げられて初めて「分かりにくい言葉」と気づきました。もっとたくさんあるかもしれないので,患者さん,御家族に率直な意見を聞く努力をしたいと思います。(医師・60代)
  • (この提案には)ふだん使われている言葉が多く掲載されています。つまり「患者サイド」からするとふだんの説明は十分理解できていないことに驚かされました。(薬剤師・50代)
  • 医療者は日常使用している語句の中に専門用語が含まれていることを意識しないまま,患者との対話の中でそれらを使用していることがままあります。そのことは指摘されない限り,本人は気づかないケースがほとんどだと思われます。(薬剤師・60代)
  • 常々,医療現場で使われる言葉の一般の理解は低いだろうと気になっていました。自分が説明するときは,専門用語は避けてできるだけ分かりやすい表現をするように心掛けていました。しかし,家族や友人と話して,専門職である自分は分かっていても一般の人が分からない言葉というのは意外に多いのだと思ったことがありました。どの程度まで分からないのかを中間報告で知ることができました。また認知度と理解度の差が大きい言葉があるというのも,気づきにくいことだと思いました。(看護師・30代)
  • 医療現場でこの冊子を目にしたときは,目からうろこが落ちる思いでした。私たち医療者は患者・家族に対して昨今説明責任等を問われることが多くなってきた現場にいながら,自分本位の言葉を使用し説明をしていることが改めて分かりました。また,医療用語を普通の言葉に直した説明を意識的に行っていても,意外と非医療者に分かるような言葉になっていないことも分かりました。そのような状況からも,このような研究がなされ全国の医療機関に提唱されることは,患者・家族にとってよいだけではなく,医療者にとってもよりよいコミュニケーションを取るつてになるのではないかと考えます。(看護師・40代)
  • 医療の現場にいる者にとって「普通の言葉」が,一般の方がどのぐらい理解しているかが具体的に示してあり,とても参考になりました。例えば,「予後」や「化学療法」については,自分自身は,もう少し理解されているのでは? と誤解していた部分もあります。今後は,一般の方が理解している意味をくみ取って日常のケアに結び付けたいと思いました。(看護師・40代)
  • 最近もがんの「病期Ⅳ」を「末期」と思い込まれるケースがありました。医療者と患者さんが同じ言葉でイメージするものが違っていると双方に無用なストレスになります。我々が気づかないそのような言葉をもっと掘り起こしていただければと思います。(医師・50代)
  • 今回の調査結果だけでも,言葉の認知率と理解率の差に驚きました。今後国民への周知を医療者は担っていかねばならないと感じます。(看護師・40代)
  • 患者は自分が理解できない語句でも問いただすことはあまりしません。医療者がもっと気を使って分かりやすい表現で話すよう努めることが必要です。(薬剤師・60代)
©2008 The National Institute for Japanese Language