4.「病院の言葉」を分かりやすくする提案の活用方法
Q8の「病院の言葉」を分かりやすくする提案の活用方法についての回答を集計した結果は,表8の通りです。
表8 「病院の言葉」を分かりやすくする提案の活用方法
患者や家族への説明に際して,自身の参考にする | 611 | 23.5% |
同僚など他の医療者に示し,参考にしてもらう | 421 | 16.2% |
提案を使って,病院や医療系の教育機関で分かりやすい説明についての研修などを行う | 250 | 9.6% |
医療系の教育機関で,授業に使用するなど,学生の指導に利用する | 231 | 8.9% |
患者向けの診断書や服薬指示書を作成する際の参考にする | 362 | 13.9% |
患者向けのポスターやパンフレットを作成する際の参考にする | 405 | 15.6% |
待合室や病院内の図書館などに置き,患者や家族に参考にしてもらう | 210 | 8.1% |
その他 | 107 | 4.1% |
小 計 | 2597 | 100% |
無回答 | 6 | - |
総 計 | 2603 | - |
「患者や家族への説明に際して,自身の参考にする」という回答が最も多いほか,同僚など他の医療者に示して参考にしたり,患者向けのポスターやパンフレット,診断書や服薬指示書などの作成の参考にするといったものも多く,医療者が患者に伝える場面での活用が多いことが分かります。委員会が目指した,医療者が患者に説明する際の参考になるものを提示したいという点で,受け止められていると考えられます。
また,研修や教育に活用するというものや,待合室や図書館で患者の参考にしてもらう,という回答も少なくなく,委員会が直接目指した範囲を超え,幅広く活用される可能性もあることが分かりました。これらの活用場面にも配慮して,市販本の編集にあたる必要があると考えました。
「その他」を選択し,その活用方法を具体的に記した回答が107件もありました。その中で多く人が挙げたものは,「研修医の指導に使う」「患者と一緒に立てる看護計画の作成の際に参考にする」「病院や学校内で配付し,診療や教育に役立てる」「講演会や研修会の際に活用する」「ホームページに掲載し,広く閲覧に供する」などでした。