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1
《接着》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、掛ける
広がりのある物を、下へ移動させ、その下方にある水平物と接触させ、その両端を下向きに曲げることにより、そこに留める。
類義語のせる、おく、とめる、つける
反義語はずす、とる
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2
《効果》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、掛ける
液体や粉末や膜状の物体を下へ移動させ、その下方に存在する水平物のある程度の範囲に接着させる。
類義語のせる、たらす、おおう、かぶせる
反義語はぐ、のぞく、はずす
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3
《距離付着》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、掛ける
液体や気体や細粒物を、離れた場所から移動させ、ほかの物体の表面に接着させる。
類義語あてる、まく、つける
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4
《通路設置》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、架ける
通路となる物を、空間の端から端まで、上方に作る。
類義語のせる、わたす
反義語はずす
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5
《力を加える》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、掛ける
(上方から)何らかの力を、ある平面(と捉えられるもの)全体に及ぼす。
類義語あてる
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6
《快適化》
他動詞
中級 ★★
表記かける
音や気流を空間全体に及ぼし、快適に感じるように調整する。
類義語ながす
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7
《投資する》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、掛ける
完成を期待する事業・作業に、時間やお金や労力を継続的に費やす。
類義語費やす、投じる
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8
《伝達する》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、掛ける
優しい言葉や心情、特殊な術を他者に届ける。
類義語届ける、送る、言う
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9
《影響が及ぶ》
他動詞
初級 ★★★
表記かける、掛ける
主体の行動による、他者にとって受け入れがたい影響を、その者に及ぼす。
類義語させる
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10
《狙う》
他動詞
中級 ★★
表記かける、賭ける、懸ける
主体にとってかけがえのない物を、結果が不確かな事象に対価として差し出し、それを手に入れようとする。
類義語投じる、使う
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11
《範囲》
他動詞
中級 ★★
表記かける、掛ける
ある時間や地点から別の時間や地点までが、何らかの際立った状態であると見なす。
類義語わたって、あいだ
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12
《起動》
他動詞
中級 ★★
表記かける、掛ける
何らかの仕組みを持ったものの機能を起動状態にする。
類義語つける、作動する
反義語止める、解除する
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13
《変質させる》
他動詞
上級 ★
表記かける、掛ける
固形物を何らかの器具上に置き、固形物全体に(下方から)何らかの力を及ぼし、変質させる。
類義語入れる
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14
《支配する》
他動詞
上級 ★
表記かける、掛ける
人や動物を特殊な装置の中に入れたり、偽の世界にいると思わせることで、その意思や動きを支配する。
類義語入れる、誘い込む、陥れる
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15
《分別する》
他動詞
上級 ★
表記かける
雑多なものを分別装置の中に入れ、分別する。
類義語入れる
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16
《保証する》
他動詞
上級 ★
表記かける
主体にとって絶対的な存在者や自分の称号を挙げて、その言動を保証する。
類義語誓う
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17
《掛け詞》
他動詞
上級 ★
表記かける、掛ける
ある言葉に別の言葉を関連づけ、新たな意味を生み出す。
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18
《掛け算》
他動詞
中級 ★★
表記かける、掛ける
ある量に与えられた回数の積算を行い、新たな量のまとまりを作る。
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慣用表現
電話をかける慣用句
離れた場所にいる他者との通話のために、電話機の発信を操作する。
先生に電話をかけたが、いらっしゃらなかった。
警察へは電話をかけたけれど、交番へも知らせておく方がいい。(江戸川乱歩著『三角館の恐怖』,1890,9 文学)コーパス
腕によりをかける慣用句
特別な機会に際し、最大限の能力を発揮して、料理などを作る。
年に一度の私の帰省に、母は腕によりをかけてごちそうを作ってくれる。
小坂が板前に心付けをはずんだので、いつにもまして腕によりをかけた料理が次から次へと出てきた。(吉川潮著『ホンペンの男たち』,1994, 9 文学)コーパス
磨きをかける慣用句
何度も練習や実践を重ね、能力・性質をさらに向上させる。
これまで何度も発表を行い、プレゼン力に磨きをかけた。
実戦で育て、天性の長打力にさらに磨きをかける英才教育を施す。(北岡士典著『星野仙一蘇る猛虎魂』,2002, 7 芸術・美術コーパス
輪をかける慣用句
ある好ましくないことの程度が、基準以上である。
私も歌には自信がないが、それに輪をかけて音痴なのが、父である。
鷗外は忍月に輪をかけた喧嘩屋で、こわいものなしで片っ端から論争をしかける人物であった。(嵐山光三郎著『美妙、消えた。』,2001, 9 文学)コーパス
二股をかける慣用句
本来、一人の人や一つのものごとに愛情を向けなければならないのに、同時に別の人やものごとにも愛情を向ける。
彼に二股をかけられていたことがわかり、その場で別れた。
新井美和子は途中から浮橋と榎本に二股をかけたわけだな(雨宮町子著『私鉄沿線』,2003,9 文学)コーパス
ヤマをかける慣用句
何の根拠もない状態で、実現を予想すること。
ぜんぜん試験勉強しなったので、ヤマをかけてのぞんだ。
すでに数十人が着席して問題集を広げたり、ヤマをかけたりして時間までの勉強に余念がない。(竜崎アスカ著『サムシンググレートvsパワーゲーム』,1950,9 文学)コーパス
声をかける慣用句
1
聞き手が何かを意識化するように、簡単な言葉を発する。
「ハンカチが落ちましたよ」と通りすがりの人に声をかけた。
そのとき坊主頭が大きな声でいった。「おい!」坂田は身をかたくした。自分に声をかけてきた、と思った。(大沢在昌著『涙はふくな、凍るまで』,1950,9 文学)コーパス
2
ある仕事を引き受けないかと尋ねる。
せっかく声をかけてくださったのですが、今回は辞退させていただきます。
そうなれば、妻と子のためにももうぶらぶらしているわけにいかず、母方の叔父に声をかけられて水道工事の会社に入った。(清水義範著『短篇ベストコレクション』,1940,9 文学)コーパス
歯牙にもかけない慣用句
ある対象は自分にとって、何の障害にもならない価値のないものだと認識する。
彼は他人がいくら注意しても歯牙にもかけない。
権藤は、野々村の指摘など歯牙にもかけない様子で怒っていたが、(吉村達也著『竜神温泉殺人事件』,1950,9 文学)コーパス
鼻にかける慣用句
自分は他人とは違って、優れた点があると周囲に言う。
奴は日ごろから、名門出身であることを鼻にかけていた。
しばしば他人については自分が武士の出身であったことを鼻にかけてであったのでしょうか、かなり人を馬鹿にした差別的な表現を行ったり (倉本初夫著『探訪・蔦屋重三郎』,1920,2 歴史)コーパス
気にかける慣用句
ある対象の状態について、問題がないか、常に心配したり注意を引き付けられたりする。
いつも私のことを気にかけてくださって、誠にありがとうございます。
信長はそれからは勝頼の動静については、あまり気にかけないような素振りをしていた。(新田次郎著『武田勝頼』,1910,9 文学)コーパス