変わる・替わる・換わる・代わる(かわる)

状態変化を表す動詞
活用表 1グループ 平板型
コアイメージ
語義リスト ・慣用表現
クリックでその項目にジャンプ
1《様子・状態の変化》人の様子やものの状態が別の様子や状態になる
2《以前との異なり》人の様子やものの状態がそれまでと異なるものになる
3《状況による違い》ものの内容・形・状態などが他の状況下のものと異なる
4《別物への変化》ものが全く別のものになる
5《場所や時間の変更》場所や時間が別の場所や時間になる
6《存在場所や所属の変更》人のいる場所や所属がそれまでとは別のものになる
7《役割の交代》他の人・組織・ものがそれまでの人・組織・ものの役割を務める
8《新しい担当への交替》ある役割についてそれまでの担当者から新しい担当者になる
9《職務・役割の交代》人・組織が職務・役割を他と交代する
10《年月の改まり》時が過ぎて年月などが改まる
11《普通とは異なる状態》人・組織・ものが普通と違う
慣用表現 毛色がかわる、人がかわる、かわるがわる、相手かわれど主かわらず、所かわれば品かわる、秋の夜と男の心は七度かわる、電話をかわる、目の色がかわる
全体解説
複合語
語義リストに戻る
1 《様子・状態の変化》
自動詞 初級 ★★★ 表記変わる
人の様子やものの状態が別の様子や状態になる
類義語変化する
文型
〈人・もの〉が〈それまでとは違う人・もの〉にかわる
文法
受身 × 尊敬 ○ 使役 × 意思 ○ 継続 ○ 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
彼女は母親になって、優しい雰囲気に変わった
「そういえば、遺産相続の問題、どうなったの?」「まだ話し合いの途中。でも状況は少しずついい方向に変わっているよ」
社長の意見が変わられたので、私たちも方向性を変えることになった。
「どうしたの。はりきって料理作ってるじゃん」「うん。この間ママ友と話してたんだけど、献立がすごくてびっくりしちゃったの。だから私も変わろうと思って」
「海外の単身赴任って大変そう。この間、久しぶりに子どもと会ったんでしょう?」「うん、そうなんだけど、反抗期っていうのかな。すっかり態度が変わっていたよ」
報告書を読んでいた上司の表情が変わったのを見て、まずいと思った。
コロケーション
〈人・もの〉が変わる 必須項
人:彼女、○○さん
状態:形、状況、表情、環境、態度、方法、色
内容:考え
ちょっと舐めてみて、が変わっていなければ大丈夫じゃないでしょうか。 (Yahoo!知恵袋, 2005, 料理、グルメ、レシピ) コーパス
〈別の人・もの〉に変わる 必須項
別の○○、優しい表情、みじめな姿
ここにマウスポインタを合わせると両端矢印のに変わりますので、そのまま列Gまでドラッグします。 (くわがたパソコン塾著 『悠々自適50代からのパソコン』, 2001, 548) コーパス
〈それまでの人・もの〉から変わる
以前の○○、昔の○○、厳しい表情
今日はこれから天候は崩れて、から雪へと変わりそうです! (Yahoo!ブログ, 2008, スポーツ) コーパス
解説
この語義は、人やもの、こと、組織、動物などの内容、形、状態などが、現在あるいはそれまでのものと違うものになることを表す。
・ 共起語によって共起する副詞が異なるので注意が必要である。例えば、「表情」は「さっと」、雰囲気は「ガラッと」「ガラリと」などと共起する。
語義リストに戻る
2 《以前との異なり》
自動詞 中級 ★★ 表記変わる
人の様子やものの状態がそれまでと異なるものになる
類義語変化する
文型
〈人・もの〉が〈それまでの状態〉とかわる
文法
受身 × 尊敬 ○ 使役 × 意思 × 継続 ○ 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
この間、夫との思い出のアルバムを見てたの。結婚して、子どもが生まれて…って私たちの関係もその頃と変わっていってるなあって思った。
「この間の同窓会、どうだった?田中先生も来られていたんだよね」「そうそう。でも先生も年をとって私たちが高校生の時とは随分変わられたと思ったよ」
「この間、同窓会に行ったんだって?初恋の人も来ていた?」「うん。でもすごく雰囲気が前と変わっていたから最初、全然わからなかった」
田村先生はどんなに忙しい時でも、普段と変わらない態度で接してくれるのですごいなと思った。
この辺りも再開発が進み、以前とすっかり変わってしまった。
「ああ、ここのラーメン、懐かしい」「いつ食べても昔と変わらない味だよね」
コロケーション
〈人・もの〉が変わる 必須項
人:先生、○○さん
状態:状況、表情、環境、態度、方法、色
内容:考え、好み
今までと急に態度が変わり、だらしないかっこうですわったり、ねころがったりします。 (生越嘉治著 『5-6年生の劇の本』, 1999, ) コーパス
〈それまでの状態〉と変わる 必須項
普段、以前、今、他の○○、昔
そこにあるものごとは、僕がそこを離れたときとなにひとつ変わっていない。 (村上春樹著 『海辺のカフカ』, 2005, 913) コーパス
解説
この語義は対象が以前と違う様子や内容になるという事実を伝えるものである。「変わった」という事実が重要であり、そのように変わったのか、といった変わった結果について述べることはない。
・この語義では、「同窓会で久しぶりに会った先生は昔と変わらなかった」のように、「かわらない」と否定形で使われることも多い。
語義リストに戻る
3 《状況による違い》
自動詞 中級 ★★ 表記変わる
ものの内容・形・状態などが他の状況下のものと異なる
文型
〈もの〉が〈他のもの〉とかわらない
文法
受身 × 尊敬 × 使役 × 意思 × 継続 × 結果・完了 ×
例文
連続して聞く
治安はヨーロッパと変わらない
品揃えは他の店と変わらない
ネットショッピングが普及したため、生活の利便性は都会と大して変わらない
インターネットの普及により、宇宙ステーションとのやり取りも、地上と変わらない形でできるようになった。
このインクは特殊なもので、どの場所でも変わらない色が発色できる。
テレビ電話を使うことにより、普段会っているのと変わらない形で話すことができる。
コロケーション
〈もの〉が変わらない 必須項
状況、表情、環境、態度、方法、色、考え
今の状態がふだんと変わらないのであれば、心配しなくても良いと思います。 (Yahoo!知恵袋, 2005, 子育て、出産) コーパス
〈他のもの〉と変わらない 必須項
都会、海外、一般人、他の○○、普段
毎日目にしているものとまったく変わるところがない。 (シルヴィア・マウルターシュ・ウォルシュ著;横山啓明訳 『死、ふたたび』, 2004, 933) コーパス
駅頭の風景は西側の都市と変わらない。 (辻通男著 『二つのドイツ』, 1986, 302) コーパス
解説
この語義は、状況が異なっていても、当該の内容や状態に変化が見られないことを意味する。
この語義では「変わらない」という形で使用され、「変わる」という形は使われない。
語義リストに戻る
4 《別物への変化》
自動詞 初級 ★★★ 表記変わる
ものが全く別のものになる
類義語変化する
文型
〈もの〉が〈別物〉に[へ(と)]かわる
文法
受身 × 尊敬 ○ 使役 × 意思 × 継続 ○ 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
「屋根に乗っているのはソーラーパネル?」「そうそう。太陽光がエネルギーに変わっているんだって。何か地球にやさしいって感じだよね」
「先生、どうして実験をしなくちゃいけないんですか?結果なら教科書に書いてあるのに」「実際にある物質が別の物質に変わっている様子を自分の目で見ることに意味があるんだよ」
「息子さん、ツーリングに出かけたの?雨なのに?」「そうなの。止めたんだけどね。せめて雨が雪に変わらないといいけど」
「(手品で)ハンカチが鳩に変わったときには、びっくりした」
「ああ、もう化学のテスト嫌だ」「え?そう?化学反応って何かロマンチックじゃない?1つの物質が他の物質と合わさることで別の物質に変わるなんてさ」
「ね、愛子大丈夫だった?落ち込んでた?」「ううん。昨日彼氏と別れたって泣いてたから、心配して家まで行ってみたのにけろっとしてて。もう心配が怒りに変わったわよ」
コロケーション
〈もの〉が変わる 必須項
雨、太陽光、疑い、物質
キャンプ場での一日も終わりに近づき、青空が夕焼けに変わりつつあります。 ( 『お父さんが理科をおしえてくれた!』, 1995, 404) コーパス
〈別物〉に[へ(と)]変わる 必須項
エネルギー 、確信、痛み、雪
耐えがたき 苦しみが 痛みに変わる 哀しみに変わる (Yahoo!ブログ, 2008, 事件・事故) コーパス
自然は身近にあるものではなく、出かけるものへと変わっていったのです。 (峠隆一著 『9つの森の教え』, 1994, 159) コーパス
解説
この語義はある人・もの・ことが、それとは全く異なる人・もの・ことへと変化することを表す。語義1と類似しているが、語義1は対象の内容や状態が変化するのに対し、この語義は対象そのものが別のものへと変化することを表す。
例;
〈語義1〉色が変わる: 色の内容がそれまでの色から他の色へ変化する
〈語義4〉太陽光がエネルギーに変わる: 太陽光そのものが、エネルギーという全く異なるものへと変化する
・また語義5との違いは以下の通りである。
〈語義4〉 実際に変わる対象そのものを「~が」で表す。例)Aホテルがショッピングビルに変わるらしい。
〈語義5〉 変わるものの上位カテゴリーを表す語が「~が」となり、実際に変わる対象そのものは「~から」で表す。例)会場がAホテルからBホテルに変わる
語義リストに戻る
5 《場所や時間の変更》
自動詞 初級 ★★★ 表記変わる
場所や時間が別の場所や時間になる
類義語変更になる、移動する
文型
〈場所・時間〉が〈これまでの場所・時間〉から〈別の場所・時間〉にかわる
文法
受身 × 尊敬 × 使役 × 意思 × 継続 × 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
「もうこんな時間!急がないと」「会場が旧館から新館に変わっているから、間違えないようにね!」
久しぶりに友達と会う約束をしたのに、仕事の予定が変わって会えなくなってしまった。
「どうしたの?それ、何のリスト?」「引越しハガキを出す人のリスト。住所が変わるから年賀状を書くまでに知らせておかないといけないじゃない」
会議の日程が変わったのをすっかり忘れていて、重要な会議に欠席してしまった。
「先輩、営業の担当地域が北区に変わったんですよね」「そうなんだよ。人間関係を一からつくらないといけないから大変だよ」
「お母さん、近所の酒屋、つぶれたの?車から見たら見あたらなかったんだけど」「店のある所は変わってないよ。ただ、道路側にコンビニができたから、見えにくくなっただけよ」
コロケーション
〈場所・時間〉が変わる 必須項
場所、住所、会場、地域、位置
時間:予定、時期、期間、日程、曜日
医療制度改革に伴い、受診対象者と発送時期が変わりました。 (広報いちかわ, 2008, 千葉県) コーパス
※飼い犬の所在地が変わった時や死亡した時、飼い主の人は役場に届け出をしてください。 (広報おとふけ, 2008, 北海道) コーパス
〈別の場所・時間〉に変わる 必須項
場所:別の場所、○○(地名)、○○(場所の名前)、あそこ、向こう
空港がハリムからチェンカレンに変わったので、空路も西寄りになっているらしい。 (今田述著 『トワン、ガンバルか?』, 1990, 302) コーパス
〈これまでの場所・時間〉から変わる
場所:現在の~、今の~、これまでの~
時間:今週、今月、来年、○○(日時)
もっとも、吉宗も享保から元文に時代が変わると、大貨幣改鋳をして、インフレ政策に転換しました。 (論座, 2003, 一般) コーパス
解説
この語義は、何かの位置や場所を別の位置や場所に移動すること、あるいは予定などの時間を別の時間に変更することを意味する。
語義リストに戻る
6 《存在場所や所属の変更》
他動詞 中級 ★★ 表記変わる
人のいる場所や所属がそれまでとは別のものになる
類義語変更する
文型
〈人〉が〈存在場所・所属〉を変わる
文法
受身 △ 尊敬 ○ 使役 ○ 意思 ○ 継続 × 結果・完了 △
例文
連続して聞く
「どうしたの?住宅情報誌なんか読んで」「いや、アパートを今のところから変わろうと思って」
「空いているらしいから後方席に行くわ。長距離のフライトだからゆったり座りたいし」「え!急に席を変わられたら困るよ」
「私、現在はこの会社に勤めておりまして」「ああ、職場を変わられたんですね」
知らない間に仕事を変わっていたから、びっくりしたよ。何かあったの?
「お義母さんを引き取るって、かかりつけの病院はどうするの?」「変わらせるしかないだろう。あそこじゃ、通うには遠すぎるよ」
「お母さん、私、部活変わることにした」「いいんじゃない。ずっと前から朝練がきついって言っていたものね」
コロケーション
〈人〉が変わる 必須項
私、両親、上司、社長
もし自分がお店を変わる時、また引き続き来てもらいたいお客さんには連絡先(携帯番号とメールアドレス)を教えますか? (Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み) コーパス
〈存在場所・所属〉を変わる 必須項
存在場所:家、席、病院
所属:会社、部活
でも今年になって父親が突然、仕事を変わりたいと言いはじめた。 (魚住直子著 『象のダンス』, 2000, ) コーパス
彼はこれまで転勤が多く、長男は小学校を二回も変わっている。 (亀山早苗著 『夫が職を失ったとき』, 1998, 367) コーパス
〈これまでの存在場所・所属〉から変わる
今の○○(今の職場、今のアパート)、現在の○○(現在の職場、現在の仕事)、これまでの○○(これまでの職場、これまでの席)、今までの(今までの病院、今までの仕事)
解説
この語義は、自身が今所属しているところや、住んでいる場所、かかっている病院など、関わっているものを他のものにすることを指す。
・「変わる」は自動詞「~が変わる」のようにガ格と共起するが、この語義では他動詞であるため「~を変わる」とヲ格と共起する。ヲ格と共起する他動詞としては「変える」もある。「~を変わる」と「~を変える」の違いは以下の通りである。
例;
1.
子どものいじめ問題があったので学校を変えた
2.
子どものいじめ問題があったので学校を変わった
3.
新しい校長は就任の挨拶で「私は問題だらけのこの学校を変えるつもりだ」と言った。
4.
新しい校長は就任の挨拶で「私は問題だらけのこの学校を変わるつもりだ」と言った。
1.2.のように「(子どもの)通っている学校をA校からB校に変更した」という意味では「~を変える」「~を変わる」ともに問題ない。
一方で、3.のように「学校の体制や教育そのものを新しいものに刷新する、改革する」という意味では「~を変わる」を使うことはできない。また、4.の文は校長が問題だらけのこの学校を辞めて別の学校に移る」というおかしな意味になってしまう。
・また「変わる」がガ格と共起するか、ヲ格と共起するかによって生じる違いは以下の通りである。
例;
1.
子どものいじめ問題があったので学校を変わった
2.
子どものいじめ問題があったので学校が変わった
3.
引っ越しをしたので学校が変わった
4.
引っ越しをしたので学校を変わった
・1.2.3.4.いずれも「「(子どもの)通っている学校をA校からB校に変更した」という意味であるが、「学校が変わった」の場合は引っ越しのような外的要因により仕方なく変更する場合に、「学校を変わった」の場合は自らの意志でそれを変更した場合に使用される。
語義リストに戻る
7 《役割の交代》
自動詞 中級 ★★ 表記代わる、替わる、換わる
他の人・組織・ものがそれまでの人・組織・ものの役割を務める
類義語交代する
文型
〈人・組織・もの〉が〈それまでの人・組織・もの〉にかわる
文法
受身 △ 尊敬 ○ 使役 △ 意思 ○ 継続 × 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
政府に代わる組織を作って、地道なボランティア活動を続けている。
将来を見据えて、石油に代わるエネルギーの開発を行う必要がある。
新しい制度がこれまでの制度に代わって施行されることになる。
この制度は、これまでの老人保険制度に代わる新たな医療制度です。
「あれ?今日の研究発表は田中さんがするんだ。山川君がするんだと思ってた」「私もそう思ってたんだけどね。急に都合が悪くなったということで、山川君に代わって私がやることになったの」
「父親の介護に疲れた母親に代わって、週末実家で家事をするようになった」
コロケーション
〈人・組織・もの〉が代わる 必須項
人:私、両親、○○さん
組織:会社、団体、役所
もの:新しい制度、新しい法案
代理人が代わって申し立てる場合にはその住所氏名を記載する。 (山崎潮編 『民事保全の基礎知識』, 2002, 327) コーパス
「へえ、わしがおよねはんに代って答えさせていただきます。 (澤田ふじ子著 『惜別の海』, 2002, 913) コーパス
〈それまでの人・組織・もの〉に代わる 必須項
母親、石油、政府、それまでの○○、現在の○○
書面に代わる方法」とは、例えば、電子メールなどを送受信することをいう。 (岡村久道,新保史生共著 『電子ネットワークと個人情報保護』, 2002, 316) コーパス
シーザーに代って政治権力を握ったのは、マルクス・アントニウスという男でした。 (山崎洋子文;岡田嘉夫絵 『夢幻美女絵巻』, 2005, 913) コーパス
解説
この語義は、人・組織・ことの役目を他の人・組織・ことが代理で行うことを表す。
・「部下にかわってお詫び申し上げます」のように、「~にかわって」の形で使用されることが多い。
・この語義では「〜に」が結果ではなく、変化以前のもの・本来すべき人になる。具体的に語義10と比較すると以下の通りである。
語義7) 僕が父にかわって、家族を養う 
→ 養う人: 交代前は「父(が)」、交代後は「僕(が)」
語義8) 監督が田中さんから山田さんにかわる
・→ 監督をする人: 交代前は「田中さん(から)」、交代後は「山田さん(に)」
語義リストに戻る
8 《新しい担当への交替》
他動詞 中級 ★★ 表記替わる、換わる、代わる
ある役割についてそれまでの担当者から新しい担当者になる
類義語交代する
文型
〈役割〉が〈人・組織〉から〈別の人・組織〉にかわる
文法
受身 △ 尊敬 △ 使役 △ 意思 × 継続 × 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
1組の担任が田中先生に替わられた
会社の上層部が急に外部中心に替わられたので、一般社員は方針転換についていくのに必死だ。
今のチームは全然勝てないので、監督をより実績のある人に替わらせるつもりだ。
チームの記録係は若手に換わっています。
スポンサーが他の会社に換わった
政権が民主党に代わるかもしれない。
コロケーション
〈役割〉が替わる 必須項
先生、スポンサー、メンバー、政権、監督
内閣が替わると、言論界の様子がこうも変わるものかと、つくづく思ったような状況でした。 (古川江里子著 『大衆社会化と知識人』, 2004, 289) コーパス
〈人・組織〉から替わる 必須項
前任者、これまでの担当者
9月には部署の異動があったそうで、担当がK氏からT氏に替わりました。 (現代, 2002, 一般) コーパス
海外旅行の主役がから飛行機へと替わっていたうえ、関西を訪れるビジネス客は皆、大阪に泊まる。 (日本経済新聞社編 『神戸』, 1998, 332) コーパス
〈別の人・組織〉に替わる 必須項
別の○○、他の○○、新しい○○
新球団の楽天イーグルスだけでなく、親会社がダイエーからソフトバンクに代わったホークスも、もちろん新ユニホームで開幕。 (週刊ゴング, 2005, スポーツ) コーパス
解説
この語義はある役割について、それまで、あるいは現在担っている人・組織・もの・ことから、新しい人・組織・もの・ことへと交代することを意味する。
・ 語義7との違いは以下の通りである。
語義7) 僕が父にかわって、家族を養う 
→ 養う人: 交代前は「父(が)」、交代後は「僕(が)」
語義8) 監督が田中さんから山田さんにかわる
→ 監督をする人: 交代前は「田中さん(から)」、交代後は「山田さん(に)」
語義リストに戻る
9 《職務・役割の交代》
自動詞 中級 ★★ 表記替わる・代わる
人・組織が職務・役割を他と交代する
類義語交代する、交替する
文型
〈人・組織〉が〈職務・役割〉を〈人・組織〉とかわる
文法
受身 △ 尊敬 ○ 使役 ○ 意思 ○ 継続 × 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
長距離ドライブで疲れたため、途中で助手席に座っている田中君に運転を替わってもらった。
急用ができたんだけど、だれか今日の当番を僕と替わってくれないかなあ。
病気になっても子育てを代わってくれる人がいないので、つい無理を重ねてしまいました。
「1ヶ月ほど入院することになりました」「それは大変だね。その間、君の担当をだれか他の人に代わってもらうようにしよう」
最近妻が疲れているので、しばらくは僕が家事・育児を代わろうと思う。
「新入社員の君にこの仕事は無理だったな。ベテラン社員のだれかと替わるよう手配するから気にするな」
コロケーション
〈人・組織〉が替わる 必須項
人:私、○○さん、妻、夫、ベテラン社員、君
お昼を過ぎて一旦風が弱まった頃、ずっと舵を握り続けていた南波からが舵取りを代わった。 (原健著 『処女航海』, 2001, 785) コーパス
〈職務・役割〉を替わる 必須項
スポンサー、委員長、担当、子育て、運転
店番を代わってくれてありがとう」 (ステファニー・ボンド作;佐々木真澄訳 『すてきなコーヒーガール』, 2001, 933) コーパス
〈人・組織〉と替わる 必須項
人:私、○○さん、妻、夫、ベテラン社員、君
ここから木下さんと運転を替り、札内川の渓谷へはいってゆく。 (本多勝一著 『山とスキーとジャングルと』, 1987, 291) コーパス
解説
この語義は、職務や役割を他の人や組織と交代することを意味する。
・この語義では「代わってもらう」「替わってくれる」など授受動詞とともに使用することが多い。
語義リストに戻る
10 《年月の改まり》
自動詞 中級 ★★ 表記変わる
時が過ぎて年月などが改まる
類義語変更する
文型
〈年月など〉がかわる
文法
受身 × 尊敬 × 使役 △ 意思 × 継続 × 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
「昨日、遅くまで試験勉強をしていたの?」「うん。寝たのは日付けが変わる頃だったよ」
「わあ、このお庭、冬に見ても素敵」「そうでしょ。季節が変わってもいろいろな表情が楽しめるんだよね」
「この仕事、去年のうちに終わらせるつもりだったのに、もう年が変わっているよ!」「そのうちに、と思っていると、時間ってどんどん経つんだよね」
「新しい仕事を頼みたいから、月が変わったら声をかけるよ」「はい、わかりました」
「ああ、やっと学会発表の資料ができた」「お疲れさま。でも日が変わってからもう一度見直したほうがいいよ」
「おい、今日は大事なプレゼンだぞ。準備はいいから、さっさと帰って休め」「えっ!あ、もう日付変わっていたんですね。全然気が付きませんでした」
緊張するけど、日付が変わったと同時にメッセージを送ろう!!
コロケーション
〈年月など〉が変わる 必須項
日付け、年、季節、月、日
もちろん、季節が変われば景色は一変します。 (大本幸子著 『おたずね申す、日本一』, 1998, 596) コーパス
でも、昨日は寝不足気味なので今日は日付が変わらないうちに寝たいとおもいます。 (Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ) コーパス
解説
この語義は、時に関する名詞とともに用いて、年や月が新しいもの(次のもの)へと移ることを表す。
「休みの日が変わる」「開館日が変わる」のように具体的な時を表す名詞は共起しない。具体的な名詞と共起するときは語義1の意味を表す。
語義リストに戻る
11 《普通とは異なる状態》
自動詞 中級 ★★ 表記変わる
人・組織・ものが普通と違う
類義語変だ、普通じゃない
文型
〈人・組織・もの〉がかわる
文法
受身 × 尊敬 × 使役 × 意思 × 継続 × 結果・完了 ○
例文
連続して聞く
「そのかばん、変わったデザインだね」「でしょ?この間の海外旅行のお土産なの」
うちの両親は子育てに関する考え方がかなり変わっていたらしい。週末は家族でラジオ体操をする、ものを捨てるときは「ありがとう」と言うなど、我が家の習慣を話したら笑われてしまった。
何か、隣の奥さん、変わっているんだよね。なぜか雨の日に限って洗濯物を干してるし…。
「うちの母親の煮物って何か変な味がするんだよ」「いいじゃん、お弁当作ってくれるだけでさ。どれどれ…、うん、何か味がちょっと変わっているね」
「私、体質が変わっているみたいで、コーヒー飲むと眠くなるの」「え?普通逆じゃない?」
うちの会社には、課の中で最後に出勤した人が全員分のお茶を入れるという変わった習慣がある。
へえ、昔も変わった人がいたんだね。
コロケーション
〈人・組織・もの〉が変わる 必須項
人:あの人、○○さん
組織:あの会社
もの:考え方、味、制度、様子、体質
殿さまが変わっているお蔭で、名古屋の景気がよくなった」 (童門冬二著 『田沼意次と松平定信』, 2000, 210) コーパス
さらにこの町は近畿地方にありながら、食の文化が日本のほかの地域とかなり変わっている。 (黒坂黒太郎,矢口周美著 『まま母狂想曲』, 2004, 367) コーパス
解説
この語義は、人・組織・もの・ことの内容や性質などが一般的な常識とは異なることを示す。
・「~がかわっている」「かわった+名詞」という形で使用されることが多い。
・「何か」「一風」などの副詞と共起することが多い。
例; あの人、どことは言えないんだけど、何か変わっているんだよね。
   あの先生は、プロスポーツ選手から文学の先生になったという一風変わった経歴の持ち主だ。
語義リストに戻る
慣用表現
毛色がかわる慣用句
性質や種類が異なる。
最近はちょっと毛色が変わった小説が好まれる傾向にあるようだ。
これまでとはだいぶ毛色が変わり、戦争映画というより歴史ものになった。(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)コーパス
人がかわる慣用句
性格がかわって、別人のようになる。「人が{変わった}ように」という形で使われることが多い。
田中さんの息子さんは大学受験に失敗してから、人が変わってしまった。
内気で、人見知りをする性格も、人が変わったように明るくなった。 (日本推理作家協会編 『自選ショート・ミステリー』, 2001, 913)コーパス
かわるがわる慣用句
複数の人やものが交互に同じ動作をする。
宝くじが当たったことを聞きつけた親戚がかわるがわる家にやってきた。
体を横にもできないような窮屈なキャンプ生活のなかで、代わる代わるみんなで歌をうたって、演芸会のようなことをやったりしました。 (五木寛之著 『運命の足音』, 2002, 914)コーパス
相手かわれど主かわらずことわざ
相手が変わっても、本人は常に同じで変化しない
仲田さん、また会社をクビになったんだって。遅刻をくり返して。相手変われど主変わらずとは仲田さんみたいな人のことを言うんだよね。
第三話は、このホテルで娘の結婚式をする両親の話であった。いずれも主演はウォルター・マッソー。相手変われど主変わらぬコメディであった。(小薮田千栄子、川本三郎著、『ポケットいっぱいの映画』、1991)コーパス
所かわれば品かわることわざ
場所が違えば、文化・習慣・言語などが違うものである。
日本ではパンといえば柔らかい食パンが代表的であるが、フランスでは日本のような食パンはなく固いフランスパンが基本である。フランスで食パンがないと気が付いたとき、同じパンと言っても所変われば品変わるものだなと思った。
そして同じ「HONDA」のエンブレムが付いていても、所変われば品変わる、で、いずれのモデルも各々の生産国の2輪市場事情が反映されており、じつにバラエティ豊か。(別冊MOTOR CYCLIST, 2002, 機械)コーパス
秋の夜と男の心は七度かわることわざ
男性の愛情は変わりやすい。
弟は離婚したばかりなのに、もう新しい恋人がいるようだ。「秋の夜と男の心は七度変わる」と言うけれど、まさにその通りだと痛感した。
秋の夜と男の心は7度変わる(要するに、心変わりに男女は関係なくて、人それぞれっていうことですね!)はあまり知られていませんよね!(歌と自然と夢の旅人、2012、はまぞうブログ)コーパス
電話をかわる慣用句
電話を他の人に取り次ぐ
担当の者とお電話を代わりますので、少しお待ちください。
取り次いだサキか電話を代わった琴絵の顔が、一瞬のうちにこわばった。コーパス
目の色がかわる慣用句
何かに対する姿勢や感情が変わることを表す。怒る、驚く、何かに集中するなどの気持ちの変化を表すが、そのような状態になっている様子を表す場合も多い。
テストで100点を取ればゲームが買ってもらえると聞いて、子どもたちの目の色が変わった
最初は文句ばかり言っていた子どもたちが、やり方がわかったとたん目の色が変わって熱心にやり出し、私語がまったくなくなり真剣になりました。(卯月啓子著、『漢字と遊ぶ、漢字で学ぶ』、2003)コーパス
執筆:永井 涼子 校閲:砂川 有里子