語義リストに戻る
慣用表現
瓢箪から駒が出ることわざ出る
普通、あり得ないことが起こる。
全国大会で勝てるなんて思っていなかったのが、まさか優勝だなんて、瓢箪から駒(が出る)だよ。
人のすることは、ひょうたんから駒が出るときもあるのです。空想から夢に、そして、夢を現実にしようとしているNPOが、あなたの身近なところできっと活動していることと思います。(広報誌『広報いせ』三重県伊勢市、2008. (中納言ID: OP63_00002))コーパス
出る杭は打たれることわざ出る
外に出すぎた杭は他の杭と高さが合うように打たれることから、個人が人より飛びぬけて優れていたり目立つ行動をとると、周囲から批判され、攻撃されやすいことを意味する。
「誰よりも一生懸命にしているのにどうして批判されなきゃいけないの?」「出る杭は打たれる、だよ。日本はそういう横並び社会なんだよ」
「出る杭は打たれる」という言葉があるように、一人だけ突出した活躍をすると、日本ではしばしば足を引っ張られる。(大宮知信(著)『ウチの社長は外国人』祥伝社2005(中納言ID: LBt3_00166)コーパス
身から出た錆慣用句出る
その人が悪い状況に陥ったり、ひどい目に合うのは、その人自身の言ったことや行ったことに原因がある。
「どうして私がこんな目に合わなきゃいけないの?」「元はと言えば身から出た錆でしょ。自分で何とかするしかないよ」
父親の怒りに一言も返答は出来ないで詫びるのだったが、身から出た錆、勘当を言いわたされてしまった。(川崎龍太郎(著)『人情深川恋物語』MBC21;東京経済(発売)2002(中納言ID: PB29_00220))コーパス
叩けばほこりが出る慣用句出る
詳しく調べれば悪いことや欠点が見つかる
「政治家なんて誰でも多かれ少なかれ叩けばほこりが出るよ。そうじゃないとできない仕事なんだよ」「そういう考え方は好きじゃないな」
ここの住民の大半は、犯罪者かあるいは中国大陸から海を泳いで渡ってきた密航者なのだ。叩けばホコリが出る身体どころか、叩かなくともホコリだらけの身の上である。(宮崎学(著)『アジア無頼』徳間書店 1999(中納言ID: LBn3_00105)コーパス
出る所へ[に]出る慣用句
公の場で争う
「貴様なんかといつまで言い争ってたって埒が明かない。出る所に出ようじゃないか」「願うところだ!」
「(前略)とにかくもう一度こんな怪文書を書くやうなことがあれば、そのときは出るところへ出ますよ」「清には強くいつておきますから」妻が低頭して湯吞を引き取つた。(井上ひさし(著)『東京セブンローズ』文藝春秋2002(中納言ID: PB29_00155)コーパス
出る幕ではない慣用句
人が口を出したり何かしてあげたりする場面ではない。
「子ども同士の喧嘩です。親の出る幕じゃないですよ」「そうは言っても私の子どもなんですよ」
でも、なかなかその気になれずにいたのは、きものには専門家がたくさんいらして、とても私のような者が出る幕ではないと思っていたこと。それに加えて、私が欲しいきものは、私が作らなくても、もっとたやすく手に入ると思っていたからです。(雑誌『ミセス』文化出版局2001(中納言ID: PM11_00987)コーパス
裏目に出る慣用句
いいと思ってしたことが逆の悪い結果を生む。
台風で交通機関が麻痺する前にと早めに会社を出たのが裏目に出て、同じように考えた人たちによる渋滞に巻き込まれてしまった。
直言したり、アドバイスしたりというのは、「相手の身になって」のことだが、それが裏目に出てしまうことが、おうおうにしてあるのだ。とくに人間関係が深くなればなるほど、直言はむずかしい。本人は「よかれ」と思っても、相手を不必要に怒らせたり、傷つけたりする。(竹村健一(著)『たった1行の成功法則』青春出版社 2003(中納言ID: PB31_00094))コーパス
執筆:家根橋 伸子 校閲:今井 新悟