日本語教育映画・日本語教育映像教材
国立国語研究所では,1974年から1995年にわたり,基礎編,中級編,初級編と,3種類の日本語教育のための映像教材を作成しました。「映像教材」とは,ビデオ教材のように動きを伴う映像を提示し,必要に応じて音声や文字との組み合わせが可能なメディアでできている教材を指します。これらの教材は日本語教育で扱われる文型,語彙,ことばの機能,文化的要素などが実際の場面で使用される状況を映像で示し,理解を深めることを目的としています。いずれもVHS方式で,各種の関連教材も提供しています。
『日本語教育映画 基礎編』
日本語教育のための専用映像としては,最も早い時期に制作された教材で,初級段階で導入される文型を用いた会話を映像化しています 。制作当初は16mmフィルムで作成されましたが,作成に要した10年間にビデオ機器が飛躍的に普及し,VHS版も作成されました。各巻はそれぞれテーマと学習内容から構成され,基礎的な文型や文法事項を積み重ねて,体系に学習を進めていくことができます。
全30巻(各巻約5~7分)
企画:国立国語研究所
制作:日本シネセル
発行年:1974~1983年
- 1 これは かえるです ―「こそあど」+「~は~です」―
- 2 さいふは どこにありますか ―「こそあど」+「~がある」―
- 3 やすくないです たかいです ―形容詞―
- 4 きりんは どこにいますか ―「いる」「ある」―
- 5 なにを しましたか ―動詞―
- 6 しずかな こうえんで ―形容動詞―
- 7 さあ,かぞえましょう ―助数詞―
- 8 どちらが すきですか ―比較・程度の表現―
- 9 かまくらを あるきます ―移動の表現―
- 10 もみじが とても きれいでした ―です,でした,でしょう―
- 11 きょうは あめが ふっています ―して,している,していた―
- 12 そうじは してありますか ―してある,しておく,してしまう―
- 13 おみまいに いきませんか ―依頼・勧誘の表現―
- 14 なみのおとが きこえてきます ―「いく」「くる」―
- 15 うつくしい さらに なりました ―「なる」「する」―
- 16 みずうみのえを かいたことが ありますか ―経験・予定の表現―
- 17 あのいわまで およげますか ―可能の表現―
- 18 よみせを みに いきたいです ―意志・希望の表現―
- 19 てんきが いいから さんぽを しましょう ―原因・理由の表現―
- 20 さくらが きれいだそうです ―伝聞・様態の表現―
- 21 おけいこを みに いっても いいですか ―許可・禁止の表現―
- 22 あそこに のぼれば うみがみえます ―条件の表現1―
- 23 いえが たくさんあるのに とてもしずかです ―条件の表現2―
- 24 おかねを とられました ―受身の表現1―
- 25 あめに ふられて こまりました ―受身の表現2―
- 26 このきっぷを あげます ―やり・もらいの表現1―
- 27 にもつを もって もらいました ―やり・もらいの表現2―
- 28 てつだいを させました ―使役の表現―
- 29 よくいらっしゃい ました ―待遇表現1―
- 30 せんせいを おたずねします ―待遇表現2―
関連教材
- 『日本語教育映画 基礎編 シナリオ集』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 教師用マニュアル ユニット1(第1巻~第5巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 教師用マニュアル ユニット2(第6巻~第10巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 教師用マニュアル ユニット3(第11巻~第15巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 教師用マニュアル ユニット4(第16巻~第20巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 教師用マニュアル ユニット5(第21巻~第25巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 教師用マニュアル ユニット6(第26巻~第30巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 れんしゅうちょう ユニット1(第1巻~第5巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 れんしゅうちょう ユニット2(第6巻~第10巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 れんしゅうちょう ユニット3(第11巻~第15巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 れんしゅうちょう ユニット4(第16巻~第20巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 れんしゅうちょう ユニット5(第21巻~第25巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 れんしゅうちょう ユニット6(第26巻~第30巻)』1984年
- 『日本語教育映画 基礎編 総合語彙表』1986年
- 『日本語教育映画 基礎編 総合文型表』1987年
- 『日本語教育映画解説1 基礎篇第一課 これは かえるです ―「こそあど」+「は__です」―』1978年
- 『日本語教育映画解説2 基礎篇第二課 さいふは どこにありますか ―「こそあど」+「__がある」―』1978年
- 『日本語教育映画解説3 基礎篇第三課 やすくないです たかいです ―形容詞とその活用導入―』1978年
- 『日本語教育映画解説4 基礎篇第四課 きりんは どこにいますか ―「いる」「ある」―』1979年
- 『日本語教育映画解説5 基礎篇第五課 なにを しましたか ―動詞―』1979年
- 『日本語教育映画解説6 基礎篇第六課 しずかな こうえんで ―形容動詞―』1979年
- 『日本語教育映画解説7 基礎篇第七課 さあ,かぞえましょう ―助数詞―』1979年
- 『日本語教育映画解説8 基礎篇第八課 どちらが すきですか ―比較・程度の表現―』1980年
- 『日本語教育映画解説9 基礎篇第九課 かまくらを あるきます ―移動の表現―』1980年
- 『日本語教育映画解説10 基礎篇第十課 もみじが とても きれいでした ―です,でした,でしょう―』1980年
- 『日本語教育映画解説11 基礎篇第十一課 きょうは あめが ふっています ―して,している,していた―』1980年
- 『日本語教育映画解説12 基礎篇第十二課 そうじは してありますか ―してある,しておく,してしまう―』1981年
- 『日本語教育映画解説13 基礎篇第十三課 おみまいに いきませんか ―依頼・勧誘の表現―』1981年
- 『日本語教育映画解説14 基礎篇第十四課 なみのおとが きこえてきます ―「いく」「くる」―』1981年
- 『日本語教育映画解説15 基礎篇第十五課 うつくしい さらに なりました ―「なる」「する」―』1982年
- 『日本語教育映画解説16 基礎篇第十六課 みずうみのえを かいたことが ありますか ―経験・予定の表現―』1983年
- 『日本語教育映画解説17 基礎篇第十七課 あのいわまで およげますか ―可能の表現―』1982年
- 『日本語教育映画解説18 基礎篇第十八課 よみせを みに いきたいです ―意志・希望の表現―』1986年
- 『日本語教育映画解説19 基礎篇第十九課 てんきが いいから さんぽを しましょう ―原因・理由の表現―』1983年
- 『日本語教育映画解説20 基礎篇第二十課 さくらが きれいだそうです ―伝聞・様態の表現―』1983年
- 『日本語教育映画解説21 基礎篇第二十一課 おけいこを みに いっても いいですか ―許可・禁止の表現―』1983年
- 『日本語教育映画解説22 基礎篇第二十二課 あそこに のぼれば うみがみえます ―条件の表現1―』1986年
- 『日本語教育映画解説26 基礎篇第二十六課 このきっぷを あげます ―やり・もらいの表現1―』1987年
- 『日本語教育映画解説27 基礎篇第二十七課 にもつを もって もらいました ―やり・もらいの表現2―』1987年
- 『日本語教育映画解説29 基礎篇第二十九課 よくいらっしゃい ました ―待遇表現1―』1985年
- 『日本語教育映画解説30 基礎篇第三十課 せんせいを おたずねします ―待遇表現2―』1985年
『日本語教育映像教材 中級編 伝えあうことば』
日本語中級者用として企画された映像教材です。内容は,ことばが実際の場面で用いられたときに発揮する機能を軸として構成されており,主に学習者の実際の言語伝達能力を高める教育に利用することが想定されていています。全体は4ユニットから成り,それぞれのユニットは約5~8分程度の長さの6セグメントで構成されています。
全4ユニット(全24セグメント)(各セグメント約5~8分)
企画:国立国語研究所
制作:日本シネセル
発行年:1986~1989年
- ユニット1 初めて会う人と ―紹介・あいさつ―
- セグメント1 自己紹介をする ―会社の歓迎会で―
- セグメント2 人を紹介する
- セグメント3 友人に出会う
- セグメント4 面会の約束をする ―電話で―
- セグメント5 道をきく
- セグメント6 会社を訪問する ―受付と応接室で―
- ユニット2 人に何かを頼むとき ―依頼・要求・指示―
- セグメント7 届出をする ―市役所で―
- セグメント8 買物をする
- セグメント9 打合せをする ―出版社で―
- セグメント10 お願いをする
- セグメント11 手伝いを頼む
- セグメント12 友達を誘う
- ユニット3 人のことばにこたえて ―承諾・断りと注目表示―
- セグメント13 お見合いを勧められる
- セグメント14 お見合いをする
- セグメント15 提案をする
- セグメント16 仲人を頼む
- セグメント17 結婚式場を決める
- セグメント18 スピーチを頼む
- ユニット4 意見の違う人に ―問いかえし・反論―
- セグメント19 イベントを提案する
- セグメント20 相談をまとめる
- セグメント21 打ち合わせをする
- セグメント22 交渉をする
- セグメント23 会場の準備をする
- セグメント24 討論をする
関連教材
『日本語教育映像教材 初級編 にほんごでだいじょうぶ』
言語構造に関する知識を実際の言語使用場面の中で確認すること,さまざまな場面状況の中でことばがどんな働きをするかを知ること,ことばの運用を含めた適切な対人行動の例を観察することを目指した,日本語初級用映像教材です。全体は,それぞれ別の主人公が登場する「Ⅰ勉強」「Ⅱ友達」「Ⅲ仕事」「Ⅳ恋人」の四つの独立したストーリーが並行して進行する形を取り,その他に,各ユニットに一つずつ「映像素材」としてのセグメントを含みます。
全4ユニット(全40セグメント)(各セグメント約3分)
企画:国立国語研究所
制作:日本シネセル
発行年:1993~1995年
- ユニット1 よろしくお願いします
- セグメント1 遅刻 ―尋ねる―
- セグメント2 新しい友達 ―お礼を言う―
- セグメント3 忙しい一日 ―指示する―
- セグメント4 日本ははじめてです ―紹介する―
- セグメント5 この次は来月 ―約束する―
- セグメント6 ぼくがおごります ―親しくなる―
- セグメント7 私の町
- セグメント8 待ち合わせ ―おしゃべり―
- セグメント9 プチトマト! ―買物―
- セグメント10 お魚はちょっと ―いっしょに作る―
- ユニット2 よくわかりました
- セグメント11 川で ―出会う―
- セグメント12 船に乗ってみますか ―案内する―
- セグメント13 お茶にします ―アドバイス―
- セグメント14 お礼状? ―教わる―
- セグメント15 実は…… ―報告する―
- セグメント16 よくわかりません ―あきらめる―
- セグメント17 それでOK! ―説明する―
- セグメント18 就職 ―様子をきく―
- セグメント19 校外学習 ―話し合う―
- セグメント20 花火
- ユニット3 とてもいいですね
- セグメント21 海の底 ―ことばで表す―
- セグメント22 少々お待ちください ―応接―
- セグメント23 これはどうですか ―相談する―
- セグメント24 静かに! ―うわさ話―
- セグメント25 卒業コンサート
- セグメント26 ふりそで ―教わる―
- セグメント27 ソトとウチか ―敬語―
- セグメント28 お祝いです ―贈り物―
- セグメント29 私の原稿は ―行き違い―
- セグメント30 さよならですか ―伝える―
- ユニット4 また会いましょう
- セグメント31 うまく書けました ―筆で書く―
- セグメント32 お通夜 ―気持ちを表す―
- セグメント33 いやだよねぇ ―あいづち―
- セグメント34 すれ違い ―事情を話す―
- セグメント35 子供部屋
- セグメント36 インタビュー ―聞き手と話し手―
- セグメント37 まだ痛いですか ―お見舞い―
- セグメント38 夢なんです ―希望を述べる―
- セグメント39 決めました ―決意を述べる―
- セグメント40 これからも…… ―退院―
関連教材
- 『日本語でだいじょうぶ 利用の手引き』1996年
- 『日本語でだいじょうぶ シナリオ集』1996年
- 『日本語でだいじょうぶ 語彙表』1997年
- 『日本語でだいじょうぶ 解説書』2000年
- 『日本語でだいじょうぶ 語彙・文型表』2003年
日本語教育映像教材シリーズデータセット
下記のページで,シナリオ集,語彙表のテキストデータを公開しています。また,映像 (mp4形式) の利用案内を掲載しています。