典型的な他動性・他動詞構文については問題ないのですが,「彼を訪ねる」が他動詞構文だとして,「ホテルを訪ねる」もそうか。動詞も移動性の動詞,「僕はホテルに彼を訪ねた」「犬が子供を噛んだ」が他動詞構文で「犬が子供に噛みついた」,共に,「子供が犬に{噛まれた/噛みつかれた}」のように受動化が可能。「何,悩んでるの」は,「{何を/何に}悩んでるの」の両方の可能性があり,「ガ,ヲ」が他動詞構文,「ガ,ニ」はそうではない,というような処理でいいのか,など。
動詞的要素と動詞的要素で構成される漢語サ変動詞に関して、四字のものは、二字のものと異なり、左側主要部タイプはないとされてきた(小林英樹(2004)『現代日本語の漢語動名詞の研究』ひつじ書房)。本発表では、四字のものにも、左側主要部と考えざるをえないもの(「委託製造(する)」があることを指摘する。
本発表では、文法的アスペクト(Viewpoint/outer aspect)形態としてのテが語彙的アスペクト(Situation/inner aspect)情報と統語的、意味的にどのように関係づけられるか,いくつかの現象を取り上げて考察を加える。取り上げる予定の現象は以下の通り。1.「見える」タイプの動詞の補部に現れる形容詞連用形と動詞テ形について 2.状態述語(コントロール述語・可能動詞)のテ形について 3.テ形二次述部とデを伴う記述(depictive)二次述部の指向性の違いについて
津軽方言、福島方言、標準語等の形容詞・名詞述語文を対象にして、一次的状態を明示する形式と存在動詞との関係を考える。あわせて、一時的状態を明示する形式が表す意味的バリエーションの連続性を考察する。
なぜ,日本語では,補文をとる複合動詞があり,複合動詞が多種多 様になっているのに対して,朝鮮語ではそうではないのか,という ことを明らかにすることを目指す。その際,動詞連用形及びその他 の接続形式に関する両言語間の相違に着目し,それを解明の切り口 とする。
Recently it has been asserted (Butt 2003, Butt and Geuder 2003) that the vector (aka "light") verb constituents of the compound verbs found in South, Central, and Northeast Asian languages differ in fundamental ways from auxiliaries of tense and mood. Refuting Butt’s claim we argue that any differences in the speed of phonological attrition or semantic bleaching that may seem to discriminate vector verbs from auxiliaries of tense/mood should perhaps be ascribed to the greater text frequency of the latter and not to some fundamental or categorial distinction between vector verbs and other kinds of auxiliaries. (See Fidelholtz 1975 and Johnson 1983 as discussed in Newmeyer 1998:256).