#2016/3/31時点 【凡例】 中世日本語疑問文データベースは、以下の基準に従って作成した。 A.使用テキスト(翻刻本)・底本 【キリシタン資料】 ▼『懺悔録』:大塚光信翻字(1957)『コリャード懺悔録』風間書房、底本:上智大学図書館蔵本 ▼『天草版伊曾保物語』:江口正弘(2011)『天草版伊曽保物語影印及び全注釈 言葉の和らげ影印及び翻刻翻訳』新典社、底本:大英図書館蔵本 ▼『天草版平家物語』:福島邦道解題(1976)『天草版平家物語』上・下(勉誠社文庫7・8)、勉誠社、底本:大英図書館蔵本            江口正弘注釈(2009)『天草版平家物語全注釈』新典社 ▼『天草版金句集』:山内洋一郎(2007)『天草本金句集の研究』汲古書院、底本:大英図書館蔵本 【狂言】 ▼『虎明本狂言集』:池田廣司・北原保雄(1972-1983)『大蔵虎明本狂言集の研究 本文篇』上・中・下巻、表現社、底本:大蔵弥太郎氏所蔵「狂言之本」 【抄物】 ▼『毛詩抄』:清原宣賢講述、倉石武四郎・小川環樹校訂(1996)『毛詩抄 詩経(一)~(四)』、岩波書店 底本:第(一)冊・第(二)冊:龍谷大学図書館蔵古活字本『毛詩抄』。ただし京都大学附属図書館・清家文庫蔵『毛詩聴塵』、『毛詩抄』十冊本・廿冊本により校訂してある。 第(三)冊・第(四)冊::京都建仁寺・両足院蔵『毛詩抄』(毛詩口義)。 B.用例採集の方針 1. 係助詞・終助詞・副助詞の「か」「や」「やら」を含む疑問文、疑問詞(何、なぜ、どこ、いづこ、どの、いつ、どうetc.)を含む疑問文を中心に採集した。 2. 上記1の助詞や疑問詞を含んでいない単純な問い返しの疑問文は、用例として採集していない。 3. いいさし文の疑問表現は、採集していない。   (例)〔妻〕「近比めでたひ、さてそせうの事は (『虎明本狂言集』中「かがみ男」181頁) 4. 『虎明本狂言集』の行間や上欄に記された文章(すなわち脱漏・補正の文章、下記C-5参照)内における疑問文は、用例として採集していない。 5. 感嘆の感動詞と理解される「何と」「いかに」は用例として採集していない。 6. 抄物『毛詩抄』では、抄本文(毛詩の講義の文章)のみを用例として採取している。 C.用例表示 1. excelデータは基本的に左から「番号(用例の通し番号)」、「形式(疑問文の表現形式)」、「用例」、「原本頁」、「翻刻頁(上記Aの使用テキストでの頁)」、「備考」の順に示す。その他、各資料において「行数」「台詞/ト書き」「会話/地/心中」等を示した場合もある。 2. キリシタン資料の原本ローマ字表記におけるオ段・ウ段長音は、「→」の右先のように示した。   オ段開音「ŏ」→「o<」   オ段合音「ô」→「o>」   ウ段長音「ŭ」→「u<」、「û」→「u>」 (※ すなわち、<、>を左に90度回転させた場合にもとの開合表記と一致する) 3. キリシタン資料の原本ローマ字表記における「tçu」は、便宜的に「tsu」で示した。 4. 『懺悔録』では、長音・オ段開合を表すもの以外のアクサン符号(主にアクセントや鼻音を示す)は省略した。 5. 『虎明本狂言集』では、翻刻本の「上巻」「中巻」「下巻」の用例をシートごとに分けた。 6. 『虎明本狂言集』での略号は以下の通り。 【用例】における略号:    〔 〕 その台詞の人物名(人物名がない場合もある)   「   詞章の出だし(庵点を含む)   […] 前略、中略、後略   [※補入] 原本で行間に小書きで記された脱漏・補正の文字(但し、「ワラフ」など演技指示に関するものなどは除外した)    ○  原本で上欄に小書きで記された脱漏・補正の文章(○の後に[※補入]で当該文章を表示)   [※] 漢字変換 [ママ]原文ママ   【補】 調査者が文脈把握の必要上補った部分   《 》 ト書きの部分  【備考】における注意書:   節付き 原本にて胡麻点が付され、節付けされている部(翻刻本にて庵点で表示) 7.『毛詩抄』での略号は以下の通り。 【用例】における略号。   [ ] 校訂者が附したフリガナ・漢字。   【補】 調査者が文脈把握の必要上補った部分   […] 前略、中略、後略   ( ) 他本の読み方(主として大東急記念文庫本)  〈 〉 行間の文字・文章  また、抄本文中に見られる返り点・送り仮名は、表記を省略した。 8.『天草版平家物語』の用例は、上記Aの福島(1976)の大英図書館本影印版を用い、その翻字は上記Aの江口(2009)を用いた。  本資料での略号は以下の通り。 【用例】における略号:   【※】 調査者が文脈把握の必要上補った部分   […] 前略、中略、後略     →  矢印の左は発話者、右は聞き手を示す。 原本で「ó」「ò」「á」「à」などの記号で記されているものは、そのまま「ó」「ò」「á」「à」で表記した。 鼻音を表すティルダの記号(例:ã)は、「a~」のように、母音とティルダを別々に表記した。 印刷の不鮮明な箇所には、相当される文字数分の「■」を置いた。 用例の日本語訳部分に「※」があるものは、右端欄の「備考」を参照のこと。 9.『天草版金句集』の用例は、上記Aの山内(2007)所収の大英図書館本影印版を用い、その翻字も本書のものに従った。  本資料での略号は以下の通り。  【用例】における略号:   [ ] 校訂者が附したフリガナ   […] 前略、中略、後略 (文責:竹村明日香)