カテゴリーなし – 語のプロソディーと文のプロソディー https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Tue, 08 Mar 2022 07:23:51 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.8.4 [終了] 第17回音韻論フェスタ(2022) https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Wed, 02 Feb 2022 10:06:25 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody 開催期日

2022年3月7日(月)〜8日(火)

本イベントは終了いたしました。ありがとうございました。

開催会場

Zoomによるオンライン形式

共催

TCP(東京音韻論研究会)

PAIK(関西音韻論研究会)

国立国語研究所 共同研究プロジェクト「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」

プログラム・参加方法

参加費:無料

最新のプログラムはこちらからご覧いただけます:http://tiny.cc/it0ouz

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[終了] 対照言語学プロジェクト プロソディー研究班オンライン研究会(2021年度後期) https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Fri, 05 Nov 2021 02:16:30 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody 開催期日

2021年12月18日(土)13:30〜17:00

 

開催会場

オンライン(Web会議システムZoomを使用します)

※参加費無料

本研究会は登録を締め切りました。

 

プログラム

1. 髙城隆一(東京大学大学院)、黒木邦彦(神戸松蔭女子学院大学)

「音調的語と形態統語的語との齟齬:鹿児島県中西部方言の事例から」
要旨:鹿児島県中西部の伝統方言は、体言/用言の別を問わず、2種類の語声調 (word tone) 型を弁別する。これら2型のうち、語(word) (= 国文法に言う文節) の次末尾音節を上昇させるものはA型、末尾音節を上昇させるものはB型と呼ばれる。
同県中西部に分布する串木野方言では、高ピッチ音節は基本的に、語根、接辞、接語から成る語の(次)末尾音節と対応する。ところが、原則から外れる例も少なくなく、このような例外は、(i) 高ピッチ音節を複数持つものと、(ii) 次末尾音節を高めぬA型語ないし末尾音節を高めぬB型語とに二分できる。
 本研究はこのような例外を分析対象とし、串木野方言の語に形態統語的語 (morphosyntactic word) と音調的語とが有り、両者が必ずしも一致しないことを主張する。
同方言と先行研究による近隣方言の記述に基づいて、音調的語の基幹への成りやすさに下記のような階層が設定できることを示す。
zjar- ‘繋辞’ > 擬似繋辞 > 終助詞 > -tjor- ‘継続相’ > toki ‘時’ > 準体 > 接続 > 屈折 > 派生
2.中澤光平(東京大学)

「南琉球与那国方言の撥音化と喉頭音化:音韻変化の条件と相対年代」
要旨:与那国方言にはNnu「昨日」,NKaCi「昔」やTa「蓋」,Kuru「袋」のように,狭母音を含む音節の撥音化・喉頭音化(あるいは促音化)が広く観察される一方,niCi「北〈ニシ〉」,nuTi「横糸〈ヌキ〉」やkiCi「岸」,huCi「蓬〈フツ〉」のように,狭母音であっても変化していない例も見られる。また,muN「麦」(cf. Ndi「右」)やCiN「死〈シニ〉」(cf. Nni「死んで」)のように,複数の音節が変化を生じる可能性がある場合,どの音節が変化するかについても明らかではない。そのため本発表では,既存の資料に基づき,与那国方言の撥音化と喉頭音化の条件と相対年代について分析・考察する。その結果,次の2つの条件が音変化に関わることがわかった:(1) 後続音節の母音の広さ,(2) 語の長さ。母音の広さについては,与那国方言だけでなく,南琉球諸語で広く音韻変化の条件となっている可能性についても述べる。
3.セリック・ケナン(国語研)、青井隼人(東京外国語大学AA研・国語研) 「宮古語多良間方言におけるアクセント単位の定義に関する試論」
要旨:南琉球宮古語多良間方言(以下、多良間方言)のアクセント体系を記述するにあたって、これまで複数の階層的な韻律単位が想定されてきた。音節よりも上位に位置する「韻律語」および「韻律句(=アクセント単位)」(以上、五十嵐2015, 2016)と「メジャー句」(青井2018)がそれである。韻律句の上に位置するメジャー句は、「X=nu Y(XのY)」構造体における特殊な韻律的振舞いを説明するために青井 (2018) によって導入され、その後、同じ振る舞いを示す「X.adn Y(XするY)」構造体についてもメジャー句の解釈が適用できることが主張されている(セリック 2020)。
 本発表では、宮古語の他の方言(特に与那覇方言)との比較を通じて、多良間方言において「韻律句」と「メジャー句」を分ける分析が必ずしも妥当でないことを示す。その代わりに、韻律句の再定義を経て、メジャー句を無くした新たな分析を提案する。この新しい分析は、複合語、「X=nu Y」構造体、そして「X.adn Y」構造体の3つの異なる構造にそれぞれ観察される韻律的現象を統一的なルールで説明することができる点で、従来の分析よりも優れていると言える。この事実は、複合語形成に伴う音韻規則と句形成に伴う音韻規則が共通の原理によって支配されている可能性を示唆している。

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[終了] 2021年度プロジェクト研究発表会(日本言語学会ワークショップ) https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Mon, 11 Oct 2021 15:48:34 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody 2021年度プロジェクト研究発表会(日本言語学会ワークショップ)
「日琉諸語の疑問・不定表現をめぐる韻律的現象:類型論的枠組みの提案と通時的考察」

日時:2021年11月21日(日)9:40〜11:40
会場:オンライン

※要事前登録(有料)
詳細は言語学会のホームページをご覧ください。

 

プログラム
発表1 佐藤久美子
   「日琉諸語の疑問・不定表現における韻律的現象の類型化の提案」

発表2 セリック・ケナン
   「南琉球宮古語の疑問・不定表現におけるアクセントの交替」

発表3 中澤光平
   「疑問・不定表現における韻律的現象の通時的考察」

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[終了] JK 29 Satellite Meeting: The 3rd NINJAL-SNU Joint Workshop https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Sun, 25 Jul 2021 01:55:16 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody JK 29 Satellite Meeting: The 3rd NINJAL-SNU Joint Workshop on Japanese and Korean Phonology

日時:2021年10月8日(金)
会場:オンライン(Zoom)

※詳細は以下のページをご覧ください。

JK 29 Satellite Meeting: The 3rd NINJAL-SNU Joint Workshop

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[終了] Practical Workshop “SPOT and OT Workplace” https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Mon, 14 Jun 2021 04:45:16 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody SPOT (Syntax-Prosody in Optimality Theory)とOT Workplace 実践ワークショップ

開催期日

2021年7月17日(土)〜18日(日)

両日とも10:00〜12:00

 

開催会場

Zoomによるオンライン形式

 

共催

ICU Linguistics Lab

国立国語研究所 共同研究プロジェクト「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」

日本音韻論学会

日本音声学会

 

プログラム・参加方法

参加費:無料

本ワークショップは終了いたしました。

 

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[終了] 対照言語学プロジェクト プロソディー研究班オンライン研究会(2021年度前期) https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Mon, 22 Mar 2021 08:08:09 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody 開催期日

2021年4月23日(金)〜2021年7月2日(金)

毎週金曜日 15:00〜16:00(6月11日および18日のみ16:30〜17:30)(日本時間)

全11回

前期のオンライン研究会は終了いたしました。後期のオンライン研究会については、こちらをご覧ください。

開催会場

オンライン(Web会議システムZoomを使用します)
※参加費無料

プログラム

[終了] 第1回:4月23日(金)15:00~16:00    

小川 晋史(熊本県立大学)     

動詞に助詞・助動詞がついたときのアクセント再考ー背景にある原理を考える

要旨:日本語(共通語・東京方言)において語(語根)になんらかの要素が接続・複合する場合のアクセント規則もしくはアクセントの出現パターンには背景原理があるのでないかということを論じる。その背景原理は接辞(affix)・接語(clitics)・語(word)の区別とそれらの組み合わせ(i.e. 語+語 , 語+接語, 語+接辞)をもとに、「形態音韻的な自立性がより高い要素のアクセントを生かす」というものである。
 まずは、動詞に助詞・助動詞が付く場合のアクセントを出発点とし、これを接辞・接語の観点から見直す。最終的には複合動詞のアクセントや、名詞+名詞のいわゆる複合語アクセント規則(およびその例外とされるもの)などもこの原理の範囲に含まれることを論じる。

[終了] 第2回:4月30日(金)15:00〜16:00

守本 真帆(国立国語研究所)

日本語の会話における超分節的特徴:アイデンティティー構築のための資源の検討

日本語の会話において、話者が様々な言語形式を駆使しながらその場の状況やコンテクストに応じたジェンダーアイデンティティーを構築していることが終助詞(e.g. わ、ぞ、ね、など)や一人称代名詞(e.g. 俺、僕、私)、母音の縮約形(e.g. ない→ねえ)などの社会言語学的分析により示されている(e.g. Okamoto & Shibamoto-Smith 2004)。一方、これらの言語形式の使用(あるいは不使用)とあわせてアイデンティティー構築のための資源(semiotic resources)として活用されうる音声学的特徴にはどのようなものがあるかをまとめた研究はまだ少ない。本発表では、そのような特徴を先行研究に基づき概観し、自然な会話においてジェンダーアイデンティティーと関わるようなかたちでピッチが操作されていることを示唆する調査の結果を報告する。

[終了] 第3回:5月7日(金)15:00〜16:00

平田 秀(武蔵野大学) 

三重県木本方言のアクセントにおける式について

三重県南部熊野市木本(きのもと)方言は、アクセント体系において「平進式」と「上昇式」の2つの「式(文節全体が担い手となる声調的要素)」の対立をもつ。2010年以降の発表者による現地調査の結果、三重県南部尾鷲(おわせ)市尾鷲方言、同市九鬼(くき)方言、同市須賀利(すがり)方言の3方言において、近畿地方全域で広く話される中央式諸方言における平進式が前述3方言の上昇式に対応し、中央式諸方言の上昇式が前述3方言の平進式に対応するという現象が確認された。一方、木本方言の平進式は中央式諸方言の平進式に、上昇式は中央式諸方言の上昇式に対応し、前述3方言にみられたような、あたかも式の音調が逆転したかのような対応はみられなかった。これらの式の特徴は1950年代の先行研究で指摘されているものであり、先行研究と同様のアクセント体系が現存することを本発表で報告する。

[終了] 第4回:5月14日(金)15:00〜16:00    

髙橋 康徳(神戸大学)  

上海語窄用式変調の研究小史と新たな問題点

中国語の呉方言に属する上海語では、複数の音節からなる語や句には原則的に変調(tone sandhi)が適用される。変調には広用式変調(Left-dominant tone extension)と窄用式変調(Right-dominant default insertion)の2種類があり、前者は複数音節からなるフットの単位に適用され、後者は句の内部で単独音節のフットに適用される。従来の声調音韻論の研究では専ら広用式変調が考察対象として注目されており、中国語の声調研究における自律分節素理論の受容に大きな役割を果たした。一方、窄用式変調は音韻論的な現象なのか音声学的な現象なのかが一時話題とはなったが、2000年代まではほとんど注目されてこなかった。しかし、2010年代に入ると音響音声学的なデータに基づく分析が各国の研究者によって行われ、「発話速度や焦点位置に影響を受ける曲線声調の音声的な弱化」という解釈が定着した。本発表ではこれまでの窄用式変調に関する研究を丁寧に整理した上で、「曲線声調の音声的な弱化とはどのような現象なのか」という新たな問題について初期的な考察の結果を示す。

[終了] 第5回:5月21日(金)15:00〜16:00    

高山 知明(金沢大学)  

三重県志摩方言に見る前鼻子音の変化と問題点

17世紀初まで京都方言の濁音に前鼻子音の実現が広く存在したことが文献資料から知られている。以降,前鼻要素は近畿中央部で衰退するが,西側の周縁・外縁部に関してはそれを有する方言が相次いで報告されている。他方,東縁部の報告は僅少である。本発表では,発表者による1980代前半の録音資料をもとに,近畿東縁部の志摩地方・前島(さきしま)半島・和具(わぐ)において,前鼻要素がガ行に確認できることを報告する。発表者はこれについて既に論文・著書に公表しているが,今回,実際の音声を初めて紹介する。同方言にはセ・ゼの音声([ʃe][ʒe]),ア行の[je],語頭ラ行の破裂音化・破擦音化が確認されるほか,主格助詞に「ガ」ではなく「ナ」が現れること,ガ行四段動詞連用形の音便が撥音便で現れることが注目される。他の細かな事実も含め,近畿および志摩地方における前鼻子音の変化過程とその問題点について論じる。

[終了] 第6回:5月28日(金)15:00〜16:00    

松森 晶子(日本女子大学)

沖縄語首里方言の音節構造の変化と祖語の母音の音価推定   

祖語の祖形再建を行う際には、根拠とするデータを採ったそれぞれの体系において、(a)どのような特徴を共有する音群が、(b)どのような音条件のもとに変化を遂げ、さらに(c)(祖形再建に複数の変化がかかわる場合には)どのような順番でその複数の変化が各祖形に生じて現代の音形が出現したのか(変化の相対年代)について、具体的な検討を行うことが求められている。琉球祖語についてはすでにPellard (2013)などに「海 *omi 、麦*mogi 、糠 *noka」などの祖形案が提案されているが、本発表では特に首里方言に焦点を当て、上述のような祖形が提案される主な根拠となる「狭母音脱落による音節構造変化(例:*uma > [ʔm̩ma](馬)、*mukade > [ ŋ̩kadʑi ](ムカデ)」に的を絞り、内的再建と比較言語学的観点からの考察を行う。そのうえで、これまでに提案された祖形の妥当性について検討する。

[終了] 第7回:6月4日(金)15:00〜16:00     

三村 竜之(室蘭工業大学)     

デンマーク語stoed研究の諸問題: 共時論と通時論の両面から最善の音韻解釈を探る

デンマーク語(の諸方言)にはstoedと呼ばれる声門化(laryngealization)に似た現象がある。Stoedの研究の歴史は長く、生理・音響音声学的な研究を通じて現象それ自体の詳細は解明されている。一方、20世紀半ば以降、様々な理論的枠組みの中で音韻論的な研究が進められてきたが、未だ種々の問題点が残る(例: 音韻論的位置付け: 分節音か否か?; 規則で導くことは可能か否か?; 弁別的特徴: 声門化か下降調か?; stoedの担い手: 音節かモーラか?、等々)。本発表では、先行研究を批判的に検討し問題点の整理と解決を試み、stoedをストレスアクセント体系の一種として捉えることを提案する。また、ノルウェー語など同系統の諸言語・方言との歴史的な対応関係を視野に入れた際に生ずる有標性のズレの問題点を取り上げ、stoedの共時的な解釈にいかに反映させるべきか(させないべきか)についても考察する。

[終了] 第8回:6月11日(金)16:30〜17:30    

文 昶允(筑波大学),黄 竹佑(名古屋学院大学),橋本 大樹(上越教育大学)     

方言と音楽 ー音楽的知覚に対する音調パターンの影響ー

本研究の目的は,言語の音調体系が音楽の認知能力に与える影響について探究することである。音調とは,声の上がり下がりによるピッチの変化であり,こうした音響的特徴は音楽と類似している。近年の研究によって,言語と音楽の処理にはともに高度な認知能力が求められ,かつ両方の認知メカニズムは決して無関係ではないことが明らかにされている。しかし従来の研究には,①母方言の音調体系による特徴が考慮されていない,②話者が置かれた社会的背景の違いによる,音楽教育の質が考慮されていないという 2 つの論点が解決すべき課題として残されている。これらの問題をうけ本発表では,東京方言話者と関西方言話者を対象としたパイロット実験の結果を報告し,残された課題について議論する。
 

[終了] 第9回:6月18日(金)16:30〜17:30    

黄 竹佑(名古屋学院大学),陳 姿因,広瀬 友紀,伊藤 たかね(東京大学)

「間違っている声調」の脳内処理―台湾語変調ERP実験の結果分析

台湾語は声調言語で、一つの声調が他の声調に後続される場合、別の声調になるという現象が知られている。すべての語には原調と変調という2つの異形態があるが、どちらも話者のレキシコンに存在するか、それとも規則運算によって片方がもう一方を生成させるかについては決定的な根拠が未だにない。本研究では2音節語を使い、違反種類(変調規則に違反した音声、規則で予測できない声調になった音声、台湾語に存在しない声調を含む音声)を設け、話者が自然と不自然な音声を知覚した際の脳活動をERPで観測した。実験により以下のことが判明した:①不自然な音声が提示された後の1000msあたりで陰性波が観測された;②陰性波の後には広範囲の陽性波が観測された;③その陽性波は違反種類により振幅が有意に異なったという結果が得られた。この結果を先行研究で観測された言語と他の心理プロセスに関する脳波成分と比較して考察を行う。

[終了] 第10回:6月25日(金)15:00〜16:00    

熊谷 学而(関西大学)  

「ハリー・ポッター」シリーズにおける呪文名の音象徴:音節・有声阻害音・母音

本研究では音象徴の観点から「ハリー・ポッター」シリーズにおける呪文名について探究する。まず、出発点として、 音節の長さ、有声阻害音の数、低母音の数の観点から呪文名を分析した。その結果、 分析された呪文のうち、最も強く、邪悪な呪文の1つである「アバダ・ケダブラ(Avada Kedavra)」が有声阻害音と強勢のある低母音を最も多く含んでいた。次に、上記の3つの要因がそれぞれ強い呪文のイメージを喚起させるかどうか、無意味語を用いて実験検証した。その結果、有声阻害音や低母音を含む名前は強い呪文のイメージを喚起することがわかった。これは、ポケモンの名付けの傾向と一致する(e.g. Kawahara et al. 2018: Shih et al. 2019)。また、本シリーズに詳しくない話者の結果を分析した結果、有声阻害音や低母音を含む名前に加えて、音節を多く含む名前も強い呪文として判断しやすいことがわかった。これは、一般の英語母語話者において、量の象徴性(Haiman 1980)の効果があることを示唆している。

[終了] 第11回:7月2日(金)15:00〜16:00     

姜 英淑(島根県立大学)      

韓国語密陽方言の語形成とアクセントー混成語形成を中心にー

要旨:本発表では、韓国語密陽(Miryang)方言の混成語形成におけるアクセント特徴について考察を行い、語の長さとアクセントが深く関わっていることを論じる。① te.ku(大邱:地名)+a.phɨ.ri.ka(アフリカ)=te.phɨ.ri.ka(暑すぎる大邱の気候をアフリカに例えた例)のように、後部要素(Y)の長さを引き継いでいるときは、基本的にYのアクセントを引き継ぎ、②sɨ.thi.kə(ステッカー)+i.mo.thi.khon(絵文字)=sɨ.thi.khon(絵文字ステッカー)のように前部要素(X)の長さを引き継いでいるときは、Xのアクセントを引き継ぐ。③どちらの長さも引き継がないものは、基本的には外来語のアクセントに従う。ただし、このパターンに属するほとんどの例はYが接尾辞のように振る舞うものであり、アクセントは接尾辞化したYによって個別的に決まる。

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[終了] 特別セッション「日本語・韓国語の音韻論」 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Tue, 02 Feb 2021 07:43:32 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody 日時

2021年3月8日

15:30〜17:40

開催会場

Zoomによるオンライン形式

参加方法

参加費は無料です。

本セッションは第16回音韻論フェスタの特別セッションです。

事前登録方法については下記WEBページをご覧ください。

http://www.paik.jp

 

共催

国立国語研究所 共同研究プロジェクト「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」
ソウル大学人文学部

 

プログラム

プログラムについては国語研ホームページをご覧ください。
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[終了] 第16回音韻論フェスタ (2021) https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Wed, 25 Nov 2020 01:03:48 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody 開催期日

2021年3月8日(月)〜9日(火)

開催会場

Zoomによるオンライン形式

共催

TCP(東京音韻論研究会)

PAIK(関西音韻論研究会)

国立国語研究所 共同研究プロジェクト「対照言語学の観点から見た日本語の音声と文法」

プログラム・参加方法

参加費:無料

プログラムおよび事前登録方法については下記WEBページをご覧ください。

http://www.paik.jp

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[終了] 2020年度プロジェクト研究発表会(日本言語学会ワークショップ) https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Fri, 18 Sep 2020 03:55:47 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody 2020年度プロジェクト研究発表会(日本言語学会ワークショップ)
「危機方言のプロソディー」

日時:2020年11月22日(日)14:00〜16:00
会場:オンライン
詳細は言語学会のホームページをご覧ください。

プログラム
発表1 松浦年男(北星学園大学)
   「天草市本渡方言における呼びかけのイントネーション」
発表2 白田理人(志學館大学)
   「喜界島方言における動詞のアクセント単位の拡張と真偽疑問文末のプロソディー」
発表3 五十嵐陽介(国立国語研究所)
   「南琉球宮古語伊良部佐和田方言のアクセント体系の初期報告」

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[終了] 対照言語学プロジェクト プロソディー研究班オンライン研究会(後期) https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody Mon, 14 Sep 2020 05:40:46 +0000 https://crosslinguistic-studies.ninjal.ac.jp/prosody  

今年度の研究会は終了いたしました。皆様のご参加、誠にありがとうございました。

 

開催期日

2020年10月9日(金)〜2021年1月15日(金)
全12回

 

開催会場

オンライン(Web会議システムZoomを使用します)

 

プログラム

[終了] 第一回:2020年10月9日(金)15:00〜16:00
Clemens POPPE(Waseda University)
“Morphology and Accent in Japanese and Korean”

Japanese and Korean ‘pitch accent’ systems have been shown to have a number of striking similarities, but also some notable differences (Fukui 2003; Hayata 1999; Ramsey 1978). In this talk I will give an overview of the most important similarities and differences in morpho-accentual patterns and rules in ‘multi-pattern’ (Uwano 1999) accent systems that have been reported for the following varieties: Tokyo Japanese, Kansai Japanese, North/South Kyengsang Korean, and Hamgyeong/Yanbian Korean. The focus will lie on the accent patterns of affixed forms in the broad sense: derived forms, inflected forms, and word-particle combinations. One major difference that can be observed is the relative importance of morphological structure in Japanese compared to Korean. A number of possible explanations for this will be considered from functional and typological perspectives. I will also discuss the relevance of the similarities and the differences between the varieties of the two languages for the typology of word-prosodic systems.

[終了] 第二回:2020年10月16日(金)15:00〜16:00
広瀬友紀(東京大学)
「韻律情報は2度解釈されない:子どもが捉える韻律情報の曖昧性」

日本語において、ピッチアクセントは語彙情報として位置づけられるが、ピッチ変化という情報は、異なる言語レベルでの多様な役割を担う。例えばある語におけるピッチの上昇という韻律現象が、その語を含む形態統語的な範疇の情報を反映したふるまいなのか、特定の統語的句構造に由来するのか、あるいは情報構造上の機能を持つのか、音声入力をリアルタイムで処理する聞き手にとっては多義である状況があり得る。本研究では日本語において三つの有核語からなる左右枝分かれ構造の統語的曖昧性([[青い猫]の傘] (Left Branching) vs. [青い[猫の傘]] (Right Branching) )を題材とする、そこで第二句(「猫の」)のピッチの上昇が統語情報の反映である解釈とコントラスト現象の一部であるという解釈の間でさらなる一時的曖昧性を持つ状況を設定し、韻律情報の実時間処理のあり方について視線計測実験 (Visual World Paradigm)を異なる年齢層のグループに対して行った。成人においては第二句のピッチ上昇を、即時的にはコントラスト情報として解釈した後で、改めてこれを右枝分かれ統語構造の写像であると再解釈することを示す結果が得られた (Hirose 2019)。3〜5歳児においては年齢毎に振るまいが異なり、5歳児ではピッチ情報をコントラストとして解釈し、4歳児では専ら右枝分かれ構造と解釈する傾向があること、また、いずれの場合も、ひとつの韻律現象に与えた解釈は再解釈されないことが示唆された (Hirose and Mazuka, under review)。
Hirose, Y. (2019) Sequential interpretation of pitch prominence as contrastive and syntactic information: contrast comes first, but syntax takes over. Language and Speech, 63 (3), 455-478.   https://doi.org/10.1177/0023830919854476

[終了] 第三回:2020年10月23日(金)15:00〜16:00
米田信子(大阪大学)
「ヘレロ語 (Bantu R31)における名詞の声調体系」

南部アフリカで話されているヘレロ語(バントゥ諸語、ニジェール・コンゴ語族)の名詞は名詞接頭辞と名詞語幹で構成される。本発表ではヘレロ語の名詞の声調について、①名詞語幹には2nとおり (nは名詞語幹の音節数) の声調形が存在すること、②ヘレロ語の名詞には「声調格 (tone case)」と呼ばれる声調による屈折システムがあり、名詞接頭辞の声調によって3種類の屈折形が区別されること、③名詞接頭辞と名詞語幹が結合する際にいくつかの規則が適用されること((i)名詞接頭辞のHは右隣の音節に拡張する、(ii)名詞接頭辞を含めてHが3つ以上並ぶと2つめ以降のHは低く現れる、(iii)Lがあるとダウンドリフトが起きる)、④これらの規則によって屈折形の区別が中和される場合があること、⑤名詞接頭辞の音節数は2音節が基本だが、1音節名詞接頭辞の場合はHの現れ方が名詞語幹の声調形によって異なること、等を報告する。

[終了]第四回:2020年10月30日(金)15:00〜16:00
松浦年男(北星学園大学)
「九州諸方言の与格助詞に見られる音韻交替」

九州地方の諸方言では与格助詞が前接する母音と融合する現象が見られる。天草市本渡方言を例に取ると,ダイガキ ‘大学に’,ドケ ‘どこに’,サリャー ‘皿に’などが挙げられる。これは各地の記述的研究においても言及されているが,散発的なものが多く,交替条件の詳細が分かっているとは言いがたい。例えば,上の例から,この交替には母音前舌化,わたり音挿入,代償延長という3つの現象が関わると見られるが,規則や制約を用いたより一般的な説明はなされていない。また,この交替現象は「仕事に行った」では交替が見られて「見に行った」では見られないなど,形態統語的条件も関わるが,その詳細は明らかになっていない。そこで,本研究では,この与格助詞に関わる音韻交替現象について行った聞き取り,文献,コーパス調査の結果を報告し,記述的,理論的論点を整理する。これは始まったばかりの未発達な研究なので,ぜひ多くのフィードバックをいただきたいと考えている。

[終了] 第五回:2020年11月6日(金)15:00〜16:00
佐藤久美子(国立国語研究所)
「茨城県高萩市方言における不定語を含む文の音調特徴」

茨城県北東部で話されている高萩市方言は無アクセントという特性を持つ。無アクセント方言の文レベルの音調特徴として、高平らのピッチが広がること、その範囲が複数の語にまたがることが指摘されている。後者の特徴は複数の語を含む音韻句の形成を示すものである。このような音韻句形成は無アクセント方言に限らず、ピッチアクセントを有する福岡市方言、トーンを有する長崎市、熊本県天草市、鹿児島県南さつま市方言においても、「誰・何・どこ」などの不定語を含む節に同様の現象が観察される。また、これらの方言では、不定語を含む節の性質([1]「誰が食べた」 [2]「誰が食べたか知らない」 [3]「誰が食べてもいい」)によって音韻句の形成に差異がある。本発表では、無アクセント方言である高萩市方言を対象に、方言間の対照を視野に入れ、上記の三種類の節におけるピッチパターンと音韻句の形成を記述する。

[終了] 第六回:2020年11月13日(金)15:00〜16:00
山田高明(一橋大学大学院生)
「熊本県八代市坂本町方言のアクセント単位拡張現象について」

熊本県八代市坂本町上深水方言(以下、上深水方言)は語の長さに関わらず最大2つのアクセント型が対立する二型アクセント体系を有する。上深水方言には、1つのアクセント型が複数の文節に渡って実現する現象、すなわち「アクセント単位の拡張現象」が見られる(例:「日が」A型+「照る」B型→「日が照る」A型、「鼠が」B型+「いる」A型→「鼠がいる」B型 )。同様の現象は他の九州の二型アクセント方言や福井のN型アクセント方言にも観察されるが、上深水方言においては他の方言と比較してもより広範な環境において起こりうる。本発表では以上のことを研究した山田(2019)以降に行った新たな調査結果をもとに、上深水方言における「アクセント単位の拡張現象」が起きうる環境について報告する。

[終了] 第七回:2020年11月27日(金)15:00〜16:00
田中真一(神戸大学)
「日本語におけるテキストセッティングと音韻構造」

テキストセッティング(あらかじめ決められたスロットに語・句のリズム単位を揃えること)の方策には、種々の言語学的要因が関与する。本発表では「ラーソラ」(定延2005)、野球声援(田中1999, 2008, Ito et al. 2019)、「4x+1」定型歌など異なるタイプのテキストセッティングの分析を通して、それらに共通して見られる方策と言語構造との関係を報告する。まず、「ラーソラ」について入力の長さと音節配列によって異なる型が見られることを新たに示すとともに、それらが野球声援と概ね共通するセッテングであることを指摘する。また、日本語の歌謡にモーラと音節にもとづく「4x+1」の構造を持つ歌が生産的に見られることを示し、各小節内で歌詞に規則的な調整の行われることを報告する。とくに、各行末の「4+1」の部分において、一方では定型詩との、他方では野球声援との共通の調整が行われることを示す。また、形態構造との関わりにおいて、助詞の付加・脱落の選択に4モーラを指向した調整が見られ、オノマトペの「と」付加(那須1995, 田守・スコウラップ1999)との並行性を示すとともに、助詞と内容語の位置にも規則性の見られることを報告する。

[終了] 第八回:2020年12月4日(金)15:00〜16:00
那須昭夫(筑波大学)
「式保存型の接尾辞と音調中和」

接尾辞「-かた(方)」は動詞に後接して名詞を派生するが、その際に動詞の音調を継承する性質がある。たとえば「笑う(平板)」「怒る(起伏)」からの派生名詞のアクセントはそれぞれ「ワライカタ-が=(平板)」「オコリカ]タ-が(起伏)」となり、動詞の音調に対応した二型の対立が起こる。しかし、この対立は不安定で、平板動詞から派生される名詞が起伏式の音調をとる事例も見られる。たとえば「笑い方が」が起伏式の「ワライカ]タ-が」で実現されるような事例である。こうした起伏化が生じると、二型の音調対立が起伏一型に中和することになる。加えて、起伏式の型には次末型(オコリカ]タ-が)と尾高型(オコリカタ]-が)のゆれも見られるなど、派生名詞「V-かた」のアクセントは存外複雑である。本研究では録音調査を通じて「V-かた」のアクセントの実態を把握し、変異の動態に観察される諸特徴について萌芽的な知見を報告する。

[終了] 第九回:2020年12月11日(金)15:00〜16:00
ホワンヒョンギョン(筑波大学)、平山真奈美(成蹊大学)、 加藤孝臣(上智大学)
“Production and Perception of Japanese Downstep”

In the interface between syntax and phonology, it is widely recognized that syntactic information can affect the prosody. Downstep in Japanese is an instructive case to examine the syntax-prosody interaction. In this paper, we investigate the influence of lexical categories on downstep. The results of production experiments suggest that adjectives in [X1 [X2 N]] may block downstep, whereas adjectives in other structures, as well as nouns and verbs generally, do not block it. We propose that the presence or absence of downstep can be accounted for by the interaction between syntactic structures and lexical categories. Further, results of a pilot comprehension test are reported, where we explore whether the degree of downstep affects listeners’ comprehension of the sentence.

[終了]第十回:2020年12月17日(木)10:30〜11:30
田嶋圭一(法政大学)、北原真冬(上智大学)、米山聖子(大東文化大学)
「日本人英語学習者の弱化母音の実現について: 予備的コーパス調査」

日本人英語学習者の英語発音における強勢については産出・知覚の両面から多くの研究がなされている。特にリズムの実現や等時性という観点から,強勢のある音節についての音響分析による研究は数多いが,弱母音についてのそれは比較的少ない。本研究では,大規模な学習者音声コーパス(UME-ERJ)における弱母音に注目し,その音声的実現を調べた。geology-geologicalなどのように強勢位置の交替を含む3-5音節単語について母音長を測定し,同コーパス内の北米英語ネイティブと比較した。その結果,ネイティブはschwaで実現している母音であっても,学習者はcomp[U]tationやgeolog[I]calのように,一部の単語では弱母音を無声化する傾向が見られた。特に後者は有声子音の直後であることから,単に日本語の母音無声化規則を適用するだけでは説明できないことが分かる。一方でphot[o]graph – photogr[a]phyのペアでは,前者の[o]はネイティブと同じ程度まで弱化する一方,後者の[a]は弱化が見られない。母音の弱化について学習者の中において一貫しない複数の方略が混在している可能性もある。以上のような観察結果と予備的考察を報告する。

[終了]第十一回:2021年1月8日(金)15:00〜16:00
松井理直(大阪保健医療大学)
「日本語拗音の時間的性質に関する予備的調査」

日本語の拗音は,一般的に音韻情報として /CjV/ と捉えられることが多い。一方,拗音の音声情報としては,硬口蓋要素を持つ単一の子音と解釈するか,介音として解釈するか,またその介音を子音と見なすか母音と見なすかといったように,いくつかの解釈が考えられるであろう.例えば,Nogita (2016) および Hirayama and Vance (2018) などの研究では,[CjV] という構造が妥当である根拠を提出している.本発表では,これらの先行研究を踏まえ,口唇形状や口腔内の舌接触パターンの時間的推移という観点から,拗音の音声情報について初歩的な検討を行う.

[終了]第十二回:2021年1月15日(金)15:00〜16:00
菅原真理子(同志社大学)
「英語完全母音のプロミネンスレベルと音響特性:予備的結果報告」

強勢アクセント言語である英語では、ピッチアクセント言語である日本語とは異なり、音節の際立ちはピッチのみならず、長さ、強さ、母音の質などを駆使して具現化される。英語の韻律研究では、一般的に「完全母音=強勢あり」と考えられているが、完全母音の音節であっても、主強勢の直前の強弱フットを形成しない語頭音節の場合、母語話者によるプロミネンスレベルの判断が強勢音節と無強勢音節の中間となることが、Sugahara (forthcoming)のアンケート調査で確認されている。Fear et al. (1995)は、この完全母音は音響的にも中間的な特性を示すと報告しているが、文レベルのアクセントが欠如する環境(焦点に後続する環境)などで、弱化が進み音響的に無強勢の曖昧母音により近づくのか、中間的なままのかは未だ明らかでない。発表ではこの点に関して、長さ、フォルマント、ピッチ、スペクトル傾斜などの計測に基づき、予備的結果を報告する。

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