平成18年度公開研究発表会
方言文法の全国分布と全国方言調査の将来像
- 日時 : 平成18年12月16日 (土) 14:00~17:30
- 会場 : 国立国語研究所 2階 講堂・多目的室 [ 交通案内 ]
- 参加費,申し込みは不要です。
- 問い合わせ先 : 042-540-4300 (国立国語研究所代表)
内容
1976年に計画を立ててから30年,1979年に調査を開始してから27年の歳月を経て,このほど2006年3月に『方言文法全国地図』全6巻が完成しました。『方言文法全国地図』は,方言の文法に関する全国的な分布を明らかにすることを目的とした方言地図集で,全国約800地点を対象とした合計350枚の地図から構成されています。綿密な方針に基づき編集するとともに,調査データや地図の元になるデータの多くを公開している点に特徴があります。今後は,この地図集や膨大なデータをどのように活用していくか,また,国立国語研究所として全国的な方言調査を,どう展開していくかが,大きな課題です。今回の公開研究発表会は,シンポジウムとポスター発表を組み合わせて実施します。発表会を通して,多様な角度から『方言文法全国地図』に光を当て,方言分布の分析方法・調査方法などについて討議し,方言文法・方言分布研究の将来を考えたいと思います。
プログラム
1. シンポジウム <パネル発表とディスカッション> (発表順)
- 『方言文法全国地図』作成の経緯と意義 ―立ち上げから完成まで―
佐藤 亮一 (元国立国語研究所) - 『方言文法全国地図』にみる文法化の事例
日高 水穂 (秋田大学) - 地域研究からみた『方言文法全国地図』の評価と今後の課題
中井 精一 (富山大学) - 方言分布の解明に向けて
大西 拓一郎 (国立国語研究所)
2. ポスター発表 (発表者50音順)
- 間投助詞の全国分布と方言談話資料
井上 文子 (国立国語研究所) - 地理情報としての方言情報
大西 拓一郎 (国立国語研究所) - 『方言文法全国地図』における回答語形数
小西 いずみ (東京都立大学) - 方言文法全国地図資料のデータベース化
沢木 幹栄 (信州大学人文学部) - 共通語コードに現れた方言の影響
三井 はるみ (国立国語研究所) - 『方言文法全国地図』における共通語化の状況 ―多変量解析を用いた分析―
鑓水 兼貴 (国立国語研究所) - 『口語法分布図』と『方言文法全国地図』
吉田 雅子 (国立国語研究所)
その他,一般向けの概説ポスターも展示します。