第1回「ことば」フォーラム

開催概要

国立国語研究所では公開の「ことば」フォーラムを開催します。ことばやコミュニケーションをテーマにわかりやすくお話しします。
また,三つの研究室を公開します。一般成人の方々から児童・生徒の皆さんまで,どうぞご参加ください。

日 時:平成11年11月13日(土) 
場 所:国立国語研究所講堂・各研究室

公開講演

「ことばの意味を調べよう」 甲斐 睦朗 (所長)
わたしたちは,普段はほとんど意識しないでことばを使った生活をしています。ところが,相手の何気なく使ったことばが気になったり,あることばに興味がわいてもっと知りたいと思ったりすることがあります。そういうとき,手をのばした所に辞典があると助かります。引いて解決できるからです。ではどういう辞典が便利なのでしょうか。

「対人関係の話しことば」 吉岡 泰夫 (言語変化研究部長)
人間がお互いに理解し合い,尊重し合って生きていくためには,ことばの多様性を認め合った話しことばコミュニケーションが大切です。例えば,人づきあいで敬語をうまく使いこなすことによって気持ちを通じ合うことができます。気持ちや考えを伝え合うことばの働き,伝え合うことによって人間関係を築くことばの働きについて考えてみましょう。

研究室公開

「話しことばの研究方法」 言語行動研究部第二研究室
従来の話しことばの研究では,話しことばを一旦文字に書き起こしてから,その文字化資料をデータとして研究を進めていました。しかし,このような方法では,話しことばの本質的な特徴の解明は困難だということがわかってきています。 私たちの研究室では,現実の音声を広範囲に収録し,分析することによって,音声によってしか伝えることのできない情報(専門的にはパラ言語情報と呼びます)の研究と,音声による対話についての基礎的・実験的な研究を推進しています。今回のデモンストレーションでは,話しことばを研究するためにはどのようなデータが必要か,また,それを分析することによって,どのような成果が得られるか説明します。

「人がかわるとことばもかわる」 言語行動研究部第一研究室
ひとくちに「日本語」と言っても,その人の住む地域や年齢や性別あるいは話をする状況などによりじつにさまざまです。同じ高校生でも東京と大阪ではことばづかいが少し違いそうです。また同じ東京の中でも,性別や年齢によりことばづかいはいろいろです。研究室公開では,最近実施したアンケート調査から,その多様な姿の一端をご紹介します。

「方言地図の見かた・読みかた」 言語変化研究部第一研究室
全国の方言の分布をあらわした言語地図に『日本言語地図』と『方言文法全国地図』があります。それらの基本的な見かたと,そこからどのようなことが読みとれるかを,実物を使いながら説明します。

第1回ポスター表 第1回ポスター裏
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