「日本語レキシコン-連濁事典の編纂」研究発表会 概要

プロジェクト名
日本語レキシコン-連濁事典の編纂 (略称 : 連濁事典)
リーダー名
Timothy J. VANCE (国立国語研究所 理論・構造研究系 教授)
開催期日
平成24年11月10日 (土) 17:00~18:00
開催場所
国立国語研究所 3階 セミナー室 (東京都立川市緑町10-2)

発表概要

17:00~万葉仮名から見た連濁形 ―『古言清濁考』における「天河」の分析を通して田野 優希 (成城大学)

本発表では,本居宣長の門弟である石塚龍麿が上代語の清濁を分析した書物『古言清濁考』の内容を紹介,その問題点と有用性を示すと共に,万葉仮名における清濁の書き分けの観点から,上代語における連濁形を考察した。

17:30~連濁規則の適用に関わる要因としての語彙頻度,及び連濁規則の生産性佐野 真一郎 (国際基督教大学)

本発表では語彙頻度が連濁のあり・なしの選択に与える影響をコーパスを用いて検証した。これまでの連濁研究には規則に基づくアプローチと語彙特性に基づくアプローチがある。後者の中では,既存の複合語からの類推による説明が提案されている (Ohno 2000)。まず,類推に関わる一要因として語彙頻度の影響を示した。次に,近年見られる連濁のゆれを例として連濁規則の生産性を示し,その妥当性を主張した。