「テキストにおける語彙の分布と文章構造」研究発表会 概要

プロジェクト名
テキストにおける語彙の分布と文章構造 (略称 : 語彙と文章構造)
リーダー名
山崎 誠 (国立国語研究所 言語資源研究系 准教授)
開催期日
平成24年10月28日 (日) 13:00~15:00
開催場所
国立情報学研究所 15階 1509セミナー室 (東京都千代田区一ツ橋2-1-2)

発表概要

「接続表現二重使用のジャンルによる偏り ―BCCWJ「中納言」検索結果に基づいて―」馬場 俊臣 (北海道教育大学 教授)

接続表現二重使用の機能の解明の一環として,ジャンルによる使用の偏りの実態とその特徴を,BCCWJ「中納言」による品詞情報を利用した検索結果に基づいて分析・考察した。ジャンルによる偏りの実態,各ジャンルに頻用される二重使用の特徴などを示した。

「学術論文の分野・タイプによって構成要素の出現はどう変わるのか― 一編の論文が持つ異なる属性に注目して―」清水 まさ子 (国際交流基金日本語国際センター 専任講師)

本研究では,学術論文内における構成要素 (引用文や判断表現文など) を①分野ごとに分類する場合,②論文のタイプごとに分類する場合,③同一タイプの論文内で分野ごとに分類する場合,それぞれの分類の仕方によって構成要素の出現はどう変わるのかについて考察した。

「明示的な構成を持つテキストの語彙的特徴」山崎 誠 (国立国語研究所 准教授)

テキストは書き手によって章・節・段落など,物理的なまとまりを示す手段によって構成されるものとブログの文章のように物理的なまとまりが見出しにくいものがある。本発表ではテキストの構成がどの程度明示的に表されているかを手掛かりにテキストを分類し,それらの間で語の使用頻度や出現状況を比較し,テキストの構成がどのように語彙に関わっているかを探った。